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うぇいくあっぷざひーろー

・説明回かもしれない。

・全員集合は次。

・活動報告にも書いてるんですがちょっと体調が悪くて半泣きになりながら執筆してます。

・みんなも僕と一緒に世界を呪おう!



「ウェイクアップ・ザ・ヒーロー!」


 太陽よ!


「って落ちてる!?」


 星屑の空! 全国的に夜!

 ちくしょう寝落ちしました!

 なんたる不覚! なんたる不徳!

 というかお腹が空きました!


「お、起きたか」

「兄上! 今何時ですか?」

「あーだいたい18時過ぎぐらいか、もうすぐ晩飯の時間だぞ」

「うぇ……半日も眠ってたんですか……この大変な時期に」

「いんや、二日半だな」

「……ぴ?」

「六十時間眠ってたんだよ、お前は」

「ふぇ?」


 六十時間……六十時間って何時間です?

 うん、六十時間ですね。

 ガッデム!


「神は死んだ」

「勝手に殺すな」

「だ、だって! 二日半も私──」

「大丈夫だ」


 慌てて立ち上がろうとした私に、兄上は右手で優しく頭を撫でました。

 押え付けているとも言います。

 そして自信ありげににやりと笑うと、


「あそこまでお膳立てされたんだ、勝ったよ」


 そう言いました。

 だから、そう慌てなさんなと。


「か、勝ったんですか?」

「ああ。全部が終わったわけじゃないが、とりあえず急場は凌いだ。アブソルートはもう揺るがねぇよ」

「そう、ですか……」


 それを聞いて、ほっと一息。

 まあなんでしょう、肩の荷が下りたと言うべきか。いや私がそんな重量背負っていたかは甚だ疑問ではありますが、少しだけ緊張が解けました。

 良かった良かった。


「つってもやることはまだ沢山あるけどな」

「それはそうでしょうね」


 ご飯の時間を待つ間、兄上は二日半の間に何が起ったのかを簡単に説明してくれました。

 まず大局的な面から。

 剣閣はギリギリ陥落しなかったようです。

 寸前まで追い詰められはしたものの王都からの増援、なんかノリで来たという当主タカヒサ・シマヅ殿率いるシマヅ家本軍一万二千の追加の援軍に挟み撃ちにされることを恐れた帝国軍剣閣方面軍は惜し気もなく攻略を諦め早々に撤退してしまいました。

 アブソルート侯爵家方面軍が敗走していたこともあってその判断は非常に素早く的確、結局王国側もろくな追撃もできずに丸々逃してしまったようです。

 そこで戦局は一時停滞、王国は窮地を脱しはしましたが帝国が天然の要害・陽平関を陥落せしめた事実は変わらず、勝ち負けで言えばまあまあボロ負け? みたいな?


 我が家の実情を見ると騎士団は半壊、再建にはそれなりの期間を要する見込み。

 ハンスもルドルフも大怪我を負い当分は十全な力を発揮できないでしょう。

 まあここで戦線離脱や引退とかじゃない辺りあの二人意味わかんないんですよね。


 ま幸い領地自体にそこまで被害は無かった様子、これは騎士団の献身の賜物でしょう。

 陽平関でパニくって敗走した王国東方軍もなんだかんだと八割方再集結、父上の友人だった伯爵殿も重傷ながら見つかったそうです。


 ちなみに王国西でファニーウォーしてた連合ちゃんは帝国が失敗したのを見てさっさと撤兵からの白紙講和になる予定?

 らしいです。知らんけど。


 近々、軍備の再編後に陽平関奪取のための大規模な作戦が立案されるとのこと。

 まあうちはあんまり参加できないっぽいのであれ。

 一応、陽平関にはもし帝国に奪われて王国から攻めることになった場合用に弱点作っておいたんですけど……バレるかなー? バレそうだなー? バレないと良いなー?

 バレてた時はその、頑張れ王国中央軍!



 話は変わって小規模な話。

 昨日あたりですか?(笑)

 なんかこう、脅迫状(笑)が届いたそうです(笑)。

 グレイゴースト(笑)から(笑)。

 母上を返してほしくば要求に従えー! みたいな(笑)。

 メーテルだって気付いてないみたいですね(笑)。

 だっさ(笑)。


 ちなみにメーテルを何処に持って行ったかなんですがナイトレイ伯爵家みたいです、まあリットン子爵家は元々伯爵家の部下ですし順当かなと。

 グレイゴースト(笑)の依頼主は宰相、ナイトレイ、リットン、帝国で間違いないようです。

 ブッキングし過ぎでしょあいつ。


 それはともかく、脅迫状に関してはガン無視からの「m9(^Д^)」でも良いんですが、流石に捨て身の貢献をしてくれたメーテルが殺されちゃうとあまりにあんまりなのでさくっと助けに行こうと思ってますよ私は。

 めんどいけど。

 とってもめんどいけど。

 まあ(頼んでないのに)頑張ったしね。



 あとはなんでしたっけ、ああそうそう、元霊国組の扱いです。

 あそこは地理的に陽平関の内側、帝国との国境には険しい山々がずらららーっと並び帝国としてもそう簡単に派兵できるような場所ではないのですよね。

 裏切り確定からの保有戦力は微小、正直まともに戦えば戦争にすらならない相手。

 とはいえ、まあリットン子爵家の方は元から領民も反王国派が多いのですがナイトレイ伯爵家領の人々はここ十年で大幅に融和派が増えました。

 ロイドさんの話が正しければ今回の件は強硬派の独断専行。

 大半の領民は自分たちの領主が王国を裏切ったことすらも正確には理解していないかも知れません。

 そこを攻めて、逃げ場なくして、蹂躙するってのは……ちょっと人の道から外れるのではないでしょうか。

 義姉上のこともありますしね。


 やっぱりここはね、ナイトレイ伯爵家の……なんでしたっけ?

 クソジジイでしたっけ? クソが多いですね昨今の社会は。

 ……まあそのクソジジイを私がこう、サッと行ってシュバってやってヒュンっとなってバン! みたいに……ね?

 対帝国皇帝の予行演習にその首を刈り取れば万事解決みたいなとこありません?


「ねぇよ!」

「いたっ!?」


 兄上にチョップされました。

 痛くないけど心は痛い。ガラスのハートがブロークン。

 なんちゃって。


「……本当に無いです?」

「…………実はある」

「じゃあ殺って来ましょうか? 私が!」

「なーんでこの妹はそんなに働こうとするかねぇ……過労で寝込んだばっかだろうに……」

「だって……」

「だって?」

「だって、兄上役に立たないから……(家族の力になりたいんです!)」

「ぐふっ!?」

「あ、逆だった」


 つい本音と建前が逆に……。


「まあ冗談はさておき」

「本当に冗談だと思ってるか?」

「もち!」


 サムズアップして答えます。

 それはそうとね、私だってむやみやたらにあっちこっち飛び回りたいわけじゃないですよ。たまには日向で猫に囲まれながらお昼寝したい時もあります。

 でも、


「やるべきことがそこにあり、できる人間がここにいる。動く理由が他に要りますか?」


 それが一番早いのです。

 それが一番簡単なのです。

 それが一番人の死なない方法なのです。

 そして、私にしかできないことなのです。


「……生まれた時は可愛いお姫様になると思ってたんだが、どうしてこうも格好良く育っちまったかねぇ……」

「兄上も格好良いですよ、言ってることは」

「それ貶してないか? 暗に口だけ野郎って言いたいのか?」


 まあ正直、目立った実績まだないですもんね。

 しかし、しかしです。


「いえいえ、兄上が行動で示すのはこれからでしょう?」


 ロイドさんに熱く語ってましたもんね。

 有言実行、これほど格好良いことも少ないですよ。


「……お前見とけよ、兄より優れた妹なんて存在しねぇこと教えてやる」

「応援してます!」

「期待をしろ」






・これからたぶんお兄ちゃんの方が主人公ムーブします?

・ちゃんサクは無双ムーブ。

・でも正直このままだとグレイゴーストの歯ごたえが豆腐以下なので如何に高野豆腐まで上げるか悩んでるみたいなとこある。

・グレイゴースト「地の利を得たぞ!」(笑)


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