閑話 グレイゴーストの四天王
・続きがまだ思いついてないのでお茶を濁します。
・超短いです。
・正直最初の部分がやりたかっただけだったりします。
・一々書くのはあれな気がしますが、
・恋愛要素は黄皓の人望ぐらい。
帝国の山間部、秘境と呼ぶに相応しいその場所に暗殺組織「グレイゴースト」の本拠地が存在する。
組織でも幹部クラスにしか知らされていない機密中の機密、そんな場所に今回集まったのは赤い髪の男、褐色の女、性別不詳の黒いフードの三人
薄暗い会議室。円卓の上の蝋燭一本の灯りだけが部屋を照らしている。
「ガルブレイスがやられたようだな……」
「くくく……奴は四天王最弱……」
「王国の猿共にやられるとはグレイゴーストの面汚しよ……」
彼らはグレイゴーストの四天王。
組長、沙羅双樹、グレートスリーに次ぐ組織の上級幹部である。
先日、アブソルート侯爵暗殺の為に王国に赴いた四天王の一人「風のガルブレイス」が行方不明となり、緊急会議を開くこととなったのだが──
「でも、じゃあいなくてもいいかって言うとそういう話でもないよね」
「「それな」」
わりと焦っていた。
「極論暗殺者に強さとか要らないし」
「むしろ戦闘になるとか無能って言われても仕方ないわね」
「そう考えるとやっぱりガルブレイスが一番優秀だったんじゃないか?」
「「それ」」
二人がうんうんと頷く。
「……あいつが受け持ってた仕事って結構多かったよな?」
「……だいぶ残ってるよ」
そう言うと一人が持ち込んだ書類の束を机の上にばら撒く。
その数…………えーっと、たくさん!
「え……? これ全部ガルブレイスの……?」
「イエス」
「嘘……? 私の仕事少なすぎ……?」
「そりゃ三人揃って押し付けてたからね」
「「「………」」」
つらい。
「……ガルブレイスの死因って過労死じゃないよな?」
「しっ! 考えちゃ駄目よ!」
「「「………」」」
とてもつらい。
「とりあえず手分けするか?」
「じゃあ私は連合担当で!」
「あっずりぃ!」
「なら僕は公国で」
「はっ、おい!」
「「王国はよろしく!」」
「ちょ、待ってくれ! 待って!? お願い! やめて置いてかないで! 一人で処理できる量じゃねぇって!? なっ? 頼むって!」
「「バイバイ」」
しかし、思いは届くことなく二人は自分の分の書類だけ持って砂塵のように消えてしまう。
残されたのは一番数が多く難易度も高めなものが多い王国での仕事。
一枚拾って見てみると「アブソルート侯爵の暗殺」の文字が目に入る。
自分がガルブレイスに押し付け、そしてそのガルブレイスが失敗して行方不明となった任務。おそらく奴はもう生きてはいないだろう。
「はぁ……」
ガルブレイスを思い出す。真面目で責任感の強い冗談の通じない堅物。
他人へのコンプレックスが強く、卑屈で話は合わんし趣味も合わん。
性格は真反対でよく任務に対する態度で注意され喧嘩になることも多く、それが原因で上司に説教されることもしばしば。
断言させてもらうが決して友人ではなかった。
だが、戦友ではあった。
かつて、背中を合わせて戦った、命を預けあった。
それは確かだった。
「ちょっくら気合入れるかぁ……」
男はそう呟き書類を握りしめる。
そして、蝋燭の灯と共に刹那燃え上がり、ふっ……と消えた。
次回、「炎のシュナイダー」
次話も、サクラと地獄に付き合ってもらう。
・次回は日曜朝の予定です。
・間に合わなかったら随時更新の登場人物紹介を投稿してお茶を濁します。