表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/106

閑話 二人揃って四天王

・完全に書く順番を間違えた気がしてるんですが直すより先に進みたいのでこのまま行きます。

・恋愛要素は明智のみっちゃんの天下の時間ぐらい。

・横光董卓の存在忘れてた。


 なんかこう良い感じのグレイゴーストのアジトでのこと。

 褐色の女。フードの人物。ガルブレイスと書かれた紙が貼られたよくわからない人形、の三人がそれぞれ円卓に座っていた。

 彼らの視線の先には一つの空席、四天王の一人「炎のシュナイダー」のもの、彼は仕事で王国に出向いて以来消息を絶っている。


「シュナイダーがやられたようだな……」

「奴は四天王最強……」

「おうこくのさるどもにやられるなどぐれいごーすとのつらよごしよ……」

「「………」」


 静寂が訪れる。もしくは沈黙か。正確には気まずさゆえの無言。


「いや人数足りないからってさすがに人形と腹話術は無理があるでしょ!」

「でも四天王がやられたらこれをやれってマニュアルに……」

「マニュアルあるの!?」


 捨ててしまえそんなクソマニュアル。

 ピンポイント過ぎるだろう、事後策・対応策を練るのではなく三文芝居とか。

 誰だそんなの作った馬鹿は。


「ボスだよ」

「…………」


 ガッデム! 聞かれてないよね? 

 気配はない、でも聞かれている気がする。というか見られている気がする。

 わざわざマニュアルを作ったぐらいだ、現場に任せっきりじゃすぐに形骸化するのは目に見えている。

 振り返ればボスがいそうでとても怖い。


「……仕事の話をしましょうか!」


 露骨なまでの話の転換。

 しょうがないじゃない、怖いもん。

 背中が汗びっしょりだもの。


「ああ、正直物理的に駒不足だからグレートスリーの方々が仕事を代わってくれるらしいよ」

「あら、そうなの? 珍しいわね」


 四天王はグレイゴーストの現場最高指揮官的立場で働いており、四天王以上の幹部はよほどのことがない限り実戦には出てこない。

 実力があるのだから働け穀潰しと思ったことは一度や二度ではない。


「その代わりケジメはつけろとのことで……王国の仕事はそのまま……」

「うぇ……」


 旧態依然の古い考えにはうんざりだ。

 こっちは任務遂行数一位のガルブレイスと武闘派で随一の生還力を誇るシュナイダーがやられたのだから、四天王レベルでは難しいというのはわかりきっている。

 弱気や臆病と言われるかもしれないが、そんなの構わない。

 私は、死にたくない。


 暗殺者的な存在が常に死を覚悟してると思わないでほしい。

 私はキャリアウーマン、お金の為。でも命の方が大事。


「私は行きたくない」

「そりゃ僕もだ」

「「……………」」


 まず間違いなく議論するだけ無駄。

 それはお互いわかっている。


「「一緒にやろう」」


 最初からそうすればよかったというのは考えない。シュナイダーなら大丈夫だろうと思ったのが間違いだったのだろう。

 ガルブレイスがやられた時点で本気になるべきだった。

 ガルブレイスならまあいいか、とか思ってしまった自分を殴りたい。

 ごめんねガルちゃん。

 嫌いじゃなかったよ、うざかったけど。


「どうしようか。当たり前だけど、あの屋敷には化け物が棲んでいる」


 その名前を聞くだけでげんなりとするあの二人。

 聞きたくないし、会いたくない。

 嵐のハンスに柳のルドルフ。王国最強、あの二人がいるだけでどんなあばら小屋でも王城に匹敵する要塞と化す。

 それこそボスぐらいでないと相手にならない。


「ガルブレイスもシュナイダーも、あの二人にやられたんでしょうね……」

「そう、あれを相手にしないことは大前提だ。幸いにしてハンスは騎士団の仕事があるから屋敷に常駐しているわけじゃないし、ルドルフも最近は屋敷の出入りが激しいとの報告がある。チャンスは0じゃない」

「まずは二人のいない時間帯を調べる必要があるわね。いいわ、私が潜入して調べます」

「いいのかい? あの屋敷に送り込んだ者は誰一人帰ってきていないんだ、慎重に行動するべきじゃないかな」

「慎重はグダグダやるって意味じゃないわよ? 大丈夫、冒険したりしないわ」

「……わかった。でも、どうか死なないでおくれよ、独りぼっちは寂しいからね」

「任せてよ、逃げ足には自信があるんだから!」


 笑顔で胸を叩く。

 それに不安そうな顔が小さく笑う。


 そうして、二人は和やかに別れた。

 敵の力量は知っている、自分の至らなさも理解している。

 でも二人なら、勝算はある。

 不安はあるけど、迷いはない。


 ===


「なんでよおおおおおおおおおおおおおお!」


 褐色の女──雲のフーは叫ぶ。

 侍女を装って潜入したまでは良かった。疑われている様子もない。

 最近ルドルフ・シュタイナーが屋敷を留守にしているという情報も正しいということも知れた。あと少しでタイムスケジュールも掴めそう。

 順調。順調だった。

 だがしかし、


 現在彼女は、山芋風呂の中にいた。


 訳も、分からぬまま。


「かゆいいいいいいいいい!」


・次話はもうちょっと長いです。


・閲覧・感想・評価いつもありがとうございます。

・感想は返せていませんが書かれるたびにシュババって見に行ってます。

・質問系などありましたら今後前後書きで回答していきたいと思います。


追記

・風じゃなくて雲でした。ご指摘ありがとうございます。許してケロ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ