社交界など行きとうない! 5
・とても短いです。
・ごめんて。
・恋愛要素は数ある三国志作品において董卓がデブキャラに描かれていない作品の割合ぐらい。
・蒼天航路とか。
・他は知らない。
激闘か蹂躙か。見る者によっては感想の変わるだろう戦いを終えて二人の老師が各々歩みを進める。
そして先にルドルフが目的地のサクラ専用のとある一室に到着する。
すぐ突入しても良いが容易く捕まえられるようなお人ではない、縦横無尽に屋敷を駆けまわられたら老骨のお骨が折れてしまう。
ということで先ほどからする足音の主を待つことにした。
「おや、ハンスも来たのですか」
「ふん……オリヴィエに言われてな、仕方なくだ……」
「ふむ、それにしては機嫌の良さそうな顔をしていますよ?」
「む」
すぐさま不機嫌な顔へと変化する。めんどうくさい性格だ。
プライドが高くて素直じゃない。
お祭りに誘われて嬉しい癖に素っ気ない振りをする。人を見下しておきながらその可能性に期待する。期待も心配も一々言葉が迂遠で伝わりにくい。
だからその歳で独身なのだ、という言葉はさすがに心に仕舞っておく。
まあ見ていて愉快だから良いのだ。
「たかだか侍女相手にえらく苦戦したようだな?」
意地の悪い顔でそういってくるハンス。確かに見れば髪や服装が乱れていた。
これは迂闊。
「ええ、皆優秀で大変結構。特にリーは五年後に期待ですね」
整えながらしみじみと言う。
しかしこちらは別に面倒な性格はしていないので、部下たちの成長に喜びはしても苦惜しいという気持ちは湧いてこない。
「はっ、俺から見ればまだまだ──」
「左腕から血が垂れていますよ。よほどの強敵と戦われていたようですね……」
「っ!?」
「まったく、昔から傷の手当てが下手なのは変わらない」
しかし仕返しは忘れない。
隠してはいるのだがバレバレだった。これまでの人生で滅多に怪我なんてしてこなかったからか、消毒も包帯の巻き方もいつも雑。
最強というやつは思わぬところに欠点があるのだ。
「ちっ、たまたまだ。たまたま……!」
「ほっほっほっ……アブソルート家の未来は明るいようですね」
「……俺たちを超えられるとは思わんがな」
「それは、そうですな」
先ほどリーにも言ったけれど「努力する天才」程度が超えられるような安い人生は送っていない。
その自負がある。
「……お前も意外とプライド高いよな」
「事実を言ったまでです」
ハンスと一緒にされるのは心外だ。
ああ、そういえば。ハンスがいるなら丁度いい。
「ハンス、一つ頼みがあるのですが」
「なんだ?」
「先の戦闘で腰をやったので後は任せてもよろしいですか?」
そろそろ限界。若者の底力も侮れませんね。
「……老いたな」
「それはあなたもでしょう」
===
ちょっと前。
ハンスとルドルフはずるい。チートだもの。
生粋のバランスブレイカー。家族内の喧嘩であの二人は使わないって暗黙の了解があったはずなのに。
三分間なら耐えられる、スピードならこちらが上だ、逃げるだけなら不可能ということもない。
ただ数の優位を使って真綿で首を締めるように追い詰められてしまえばそれも難しい。
喧嘩は屋敷内でのみ、というのも家のルールだ。
「むぅ……」
カレンとレオーネは捕まった。クロエも帰ってこない。
この調子ならリーも同じだろう。惜しい人材を亡くした。
「っ! 足音……この傲慢さに満ちた荒々しい歩みはハンス……! いや、ルドルフも逆方向から来てますね……これは厳しい」
やって良いこと悪いことがあると思う。同時って。無理です。
この部屋はルドルフも知らない、でもバレるのにそう時間は要らないはず。
どんな罠だろうと見てから反応できる二人を迎え撃つのは愚策。
しかし逃げる? 何処に? 屋敷にルドルフが把握していない場所などいくつある?
「私はただ……王太子殿下の誕生日パーティーに行きたくなかっただけなのに……」
下町のサナちゃん(九歳)の誕生日パーティーなら喜んで行くのに、どうしてこんなことになったんだろう。
行かなくたって死なないでしょうにね。
どうせ私一人行かなくたってバレませんよ。気配遮断は得意です。
「閃いた!」
ハンスもルドルフも手の届かない場所。
見つかる可能性は高まるけれどあの二人を相手にするよりはいくらかマシだ。
「お風呂に行きましょう!」
・次は閑話です。
・次もとても短いです。
・ごめんて。
・グレイゴーストさんが登場します。
・次次話はサービス回です。
・きっと脱ぐんだと思います。
・嘘です。書けません。
・ガンダムビルドダイバーズのアヤメちゃん可愛いですよね。




