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社交界など行きとうない! 4

・最近インディペンデンス・デイ(二回目)観ました。

・恋愛要素は水鏡先生の発言の信憑性ぐらい。

・サッカー惜しかったですね。ベルギーってチョコでしたっけ。

・たぶんこのあたりから雲のフー編が始まってます、たぶん。

 騎士と侍女が決死の戦いに挑むちょっと前。

 ジョーがたいそう怒った様子で、その日屋敷で働いていた使用人を庭師や料理人含めて全員を集めて演説をぶち上げた。

 ワシに無許可で。確かに説得をお願いしたけどこれはちょっと違うと思う。

 普段はクールなのに家族のこととなるとすぐ熱くなるんだよね。


 集まったのはサクラとフローラの侍女を除くほぼ全員。

 ワシ付きの侍女や護衛も参加してた。

 ちょっと傷つく。

 というかもう夜遅いし、ワシ眠い。明日じゃダメ?


「諸君、今宵集まってもらったのは他でもない。現在、我が愚妹サクラ・アブソルートが国王陛下からの召喚状を拒絶し屋敷を逃走中である。正直に言おう、これは由々しき事態だ、国家反逆罪を我が家は犯そうとしている。最悪の場合、アブソルート侯爵家には反逆者の烙印が押され逆賊として王国史に名を残すことになろう」


 ならないよ。なるわけないじゃん。自分でもわかってるでしょ。

 召喚状じゃなくて招待状だもん。

 話の飛躍ってレベルじゃないよ、宇宙行っちゃってるよそれ。


「よって我々は彼奴を捕らえなければならない。しかし、それには多くの困難を伴う。彼奴の実力は皆も知る通り、その部下も生半可な実力ではない。昨日までの戦友と戦うには心の葛藤もあるだろう、仕えるべき主に刃を向けるのにどれほどの勇気が要ることか。だが、ためらうことはない。これは侯爵家を、サクラを救う戦いだ。忠誠とは盲信ではない、真に主を想うなら、その身を懸けて凶行を止めるべしだ。……まだ戸惑っている者がいるようだが、まあ致し方なし、別に責めはしない。では、そんなお前たちに戦う理由をやろう。サクラを捕まえた者には褒美として『給金二倍、有休二倍、並びにサクラ自由着せ替え権及びパーティードレス選択裁量権』を与える。立ち上がれ勇士たち、燃え上れ戦士たち、誇り高きアブソルートの英雄たちよ、これは勅令である。国王陛下の御名の下、大義は我らと共にあり。さあ、この地を守護する修羅となれ。皆の者、力を見せよ!」

『おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 屋敷が、揺れた。

 深夜テンションって怖い。ご近所迷惑だからやめたが良いよ。

 というか目が怖い、悪魔集会って言われてもちょっと信じる。

 特に侍女が。


 うんまあ気持ちはわかるよ。

 元来うちは使用人たちとの距離感が近いからね、サクラも例外じゃない。

 屋敷の侍女のほぼ全員と良好な関係を築いているし、主人であると同時に妹のような存在として可愛がっているのをよく見る。


 だからって彼女らに不満がないわけじゃない。


 サクラは、お洒落をしてくれないのである。

 素材は母親に似て極上なのに、ニンジャ活動の為に動きやすさと機能性を重視した忍装束ばかり着ているし、たまのドレスも着慣れた数着をローテーションするだけ。

 化粧だって侍女が無理やりに近い形でさせないと、絶対に自発的にしようとはしない。

 流行はガン無視、容姿には無頓着。


 新鮮なイセエビをエビフライにしてる感じで非常にやきもきする。らしい。

 ワシもイセエビは刺身がいいなぁって思った。


 だから常日頃から侍女の皆はサクラに対して、

 磨きたい、磨き上げたい、美しく。って気持ちでいっぱいらしく。

 「うちのお嬢様は最高なんだ」って自慢したいらしい。


 うん気持ちはよくわかる。


 ゆえに侍女たちの心が一つになった。サクラお嬢様磨き上げ隊の完成である。

 

 ちなみに男衆も盛り上がっていたけれど、顔は覚えたので後日給料減額することに決めた。


===


 ──それに対するサクラ陣営


「ただいま戻りました!」

「レン、静かに」

「(し、失礼しました!)」


 私が屋敷を(無断で)改造して造った隠し部屋に潜伏して数十分後、偵察に出ていたカレンが帰ってきた。

 これで今部屋にいるのは、私の味方なのは、リー。レオーネ、クロエ、そしてカレンの四人ということになる。メーテルは裏切ったようだ、次会ったら叩く。

 チーちゃんは寝てた。


「──とのことです!」


 カレンがその目で見てきた光景を詳しく報告する。

 なんというか、ひどい。

 だが、誇張なく屋敷の使用人のほとんどが敵に回ったらしく、呆れて乗り気でなかったルドルフも侍女長のオリヴィエにせっつかれて参加するようだ。

 その事実にいくらかの緊張感が部屋に漂い始める。

 オリヴィエとルドルフが参加するならハンスも参加するだろう、トリオだし。


「兄上め……まさかここまで本気だったとは……」


 いつもは兄上の方から折れてくれるのに今回はそうもいかないらしい。

 ちなみに前回は三日潜伏して私が勝った。


 しかしなんですか自由着せ替え権って、私はお人形じゃないのに。

 まったくひどい兄だ、おふくろさんが泣いてますよ。


「自由着せ替え権なんて……なんて卑劣な……!(それ私も欲しい……)」

「ったく汚いやり方だぜ!(ゴスロリとかどうよ?)」

「……鬼畜の所業……鬼どもの宴……(見たい)」

「サクラ様がかわいそうです!(はいはい! 私着てもらいたいドレスがあるんです!)」


 ほら、みんな怒ってる。ぷんぷんですよ。


 しかし少しからかい過ぎたかもしれない。

 さすがに(笑)は外すべきだったろうか、確か特務騎士はエリート中のエリートしかなれないと聞いたことがある。

 でも行きたくないし……

 十歳の頃の貴族のお茶会で「さくらちゃんへーん」「へーん」「へんなこー」「かわいくなーい」って言われたトラウマを私は忘れてはいない。許すまじ。ニンジャかっこかわいいでしょ!


 もとい。もはや戦いは避けられない。

 これより先は全面戦争。戦いの火蓋は切って落とされたのだ。

 数の面では大きく負けてはいるが、屋敷各所に(無断で)設置した、隠し扉に隠し階段に回転扉に落とし穴などの各種罠を利用すれば地の利はこちらにあり。

 あとは天運さえこちらを裏切らなければ十分に戦える。


 もう後戻りはできない。

 自由を、勝ち取るのだ!

 私は! 絶対に! 王太子殿下の! 誕生日パーティーになんて! 行かない!


「……今日はくしくも六月四日、これも何かの運命でしょう。私はこの程度の逆境に負けはしない。私は戦わずして屈服などしない。私は、自由のために戦う! 圧政や弾圧から逃れる為ではなく誇りの為に、何人たりとも断ち切れぬ鋼の矜持! 私が私として存在する権利を守るために! 私は生き残り存在し続ける。私はここに、永遠の奮戦と勝利を誓う! そして邪悪なる兄の魔の手から解放された暁には、本日六月四日は王国の祝日であるだけではなくなる。小さな私の大きな一歩、この手でつかみ取る希望の光、私の独立記念日として!」


 インディペンデンス・デイ!


「お嬢様、大変申し上げ難いのですが……王国の独立記念日は来月です」

「しかも四日です」

「……………」


 え、うそ? あ、ほんとだ……

 は、恥ずかしい……

 そんな、すごくかっこつけたのに、すごください感じに……あ、目から涙が……


「………………ぐすっ」

「……(かわいい)」

「……(かわいい)」

「……(守護らねば)」

「……(他の侍女に渡してなるものか)」


 なんだかんだ団結した。


===


「見つけたわ! リーよ! 捕まえなさい!」

「くっ!」

「一人でかからないで! 数で圧し潰すのです!」

『イエスマム!』


 逃げ回り主の位置を知られぬよう撹乱しつつ敵を減らしていく屋敷猫たちだったが、数の暴力には勝てず着々とその数を減らしていった。

 現在、カレンとレオーネがオリヴィエによって捕縛されている。

 私ことリーも前後を十人を超える侍女たちに包囲されている。


「観念しなさいリー!」


 にじり寄る同僚たち。

 いくらなんでもギラギラした目つきの侍女十数名を相手に簡単に逃げ切れるものではない。


「い、いま……!」


 一人では、だが。

 クロエの合図と共に跳躍する。

 瞬間、屋敷の廊下の一部が消えた。


 ──トラップ発動「硫酸の溜まってた落とし穴」である。

 現在は山芋すりおろしたのが入ってるってクロエが言ってた。


 壁を蹴り、ギリギリで床へと受け身を取りながら着地する。

 背後では落とし穴に落ちた同僚たちが悲しいことになっていた。お嬢様の教育に悪いのでクロエはレバーを引いて蓋をすることにしたらしい。

 終わったら助けますので、ごめんなさい。

 いやほんと。

 クロエがやったんです、私じゃないです。

 うん。


「ナイスです、クロエ」

「う、うん」


 二人でハイタッチ。とりあえずナイス連携である。

 これでかなりの数を減らせたはずだ。さっき無理やりに近い形で巻き込んだトーマスくんも頑張って男衆を切り捨てているところだろう。

 彼についてはハンスさんやウィリアム様でも出てこない限り心配いらない。

 問題は──


「お見事ですね」


 反射的にナイフを投げつける。

 しかし、声の主はいとも簡単にそれを二本の指で挟んで受け止めた。


「迷いがなくて結構、しかし速さが足りない」


 ──ルドルフ・シュタイナーに出遭ってしまった時だ。


「リー行って! レオとレンを!」


 クロエが叫ぶ。二人では勝てない、特にクロエは正面戦闘には向いていない。

 ならば捕まった二人を連れ戻して戦うしかない、それでも勝算なんて無いに等しいが今よりはましだ。

 クロエに任せて、脱兎のごとく走り去る。


「良い判断です、現状それが最適だ。優先するべきはなんなのかちゃんとわかっていますね」

「……お、追わないんですか?」

「ふむ、せっかくですからじっくりと追い詰めていこうと思いましてね。いやしかし、なんだかケイドロを思い出しますね、ふふっ……懐かしい」


 執事長は悠然と、拳を構えた。



===


 一方そのころのトーマスくん。

 隠し部屋に通ずる廊下で道を遮るように陣取り、執事や庭師や料理人にどこからやってきたのか騎士などと斬った張ったの大立ち回りを演じながら、


「お前も水着姿のサクラ様見たいだろうが!!!」

「見たいけど好感度の方が欲しいんだよ!!!」


 みたいな戦いを繰り広げていた。

 その場所に、嵐はゆっくりと歩を進めていた。

・前々話ですがレディーゴーじゃなくてレッツゴーと書いてしまいましたがもうレッツゴーってことにします。

・よりもいを観ようね。

・最近、前後書きのネタが尽きてきた感ある。

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