第1章 出会いは突然に
「.............朝か...」霞む目で時計を見る。10時。「起きるか...」PCの電源をつける。眠い。俺の名前は世桐 蓮、ここ数ヶ月家から出ていない、いわゆる引きこもりってやつだ。(一応17歳、高校2年だ。)「腹減ったな」自室から出てリビングへ行く。「ちっ。何もねーじゃん。コンビニでも行くか...」着替えて靴を履き、玄関の扉を開ける。「くっ」眩しいな。
数ヶ月家から出てないが、「結構景色かわったな...」いや、そうでもないか。青い空、白い雲、飛び交う火炎弾......。「っておおおおおおいっ!!!!火炎弾ってなんだよ、なんで飛んでんだよ!!」意識が薄れていく...蓮はその場に倒れ込んだ。1人の女の子が近寄ってきた。「だだだだだ大丈夫ですかっ?どうしよう...?」「どうされましたか?エリス様」「クラウド。この方私の魔法見て倒れてしまったみたいなの」「なんと...1度我が城へ連れて帰りましょう。買い物もこの通り終わりましたので」「そうね」
「う...ここは?」見たことのない部屋。「あ!お目覚めですか?」誰......だ?そこには、金髪のロングヘアー、蒼く大きな目をした女の子がこちらを覗き込んでいた。「...か、可愛い...」口に出してしまっただろうか?いや、大丈夫だ。首をブルブルとふる。「?」女の子は首をかしげてこちらを見ている。「あ、あのー...調子はどうですか?」「あ、大丈夫です。あなたのお名前は?あと、ここはどこです?」「私はエリスと言います。そしてここは私の城です」エリスさんか、あまり聞かない名前だなハーフかな?金髪だし...「し、城?!」「はい!城です!あの、あなたのお名前は?」我が家の近くに城なんてあっただろうか...?まぁいい。「俺の名前は世桐 蓮、俺は何故ここに?」「蓮くんですね!?あ、蓮くんは街で私の魔法を見て気絶してしまったのですよ?」魔法...?そういえば火の玉のようなものを見たような...「そうだ!魔法だ!!エリスさん、魔法使えるんですか?」魔法なんて現実世界にあったのかという疑問は置いといて質問する。「はい。そうですが…ここでは魔法は多くの人が使えますよ?遠方の国からこられた方ですか?」何言ってんだか…「いや、人間は普通魔法使えないだろ。まず俺の家にそんな魔法バンバン使うやついないし」あ、コンビニ行きたいんだったっけ。「休ませてくれてありがとう。そろそろ帰るよ」「...?...あなたのお家はどこです?」「倒れたところの近くだけど?」「では、お送りします」「ありがとう」
やっぱ広いな。城だけある...「玄関はこちらですよ」ドアに手を当て、押す......蓮は、目を見開いた。「どこじゃここはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」