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僕の望む一夜  作者: 永原数奇路
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例え歯痒くあろうとも

小説家になろう初投稿です。わからないことだらけです。ついでに完成すれば処女作です。8割がた悪ふざけで書いているので、そういう類が苦手な方はご注意下さい。話の流れやオチは大まかには考えているのですが、最終的にどうなるのか自分でもわかりません。ですがなるべく綺麗に終わらせたいなとだけは思ってます。

ヒロインに冷遇枠は設けないつもりでいるのですが、主人公だけは割といぢめ抜いてやろうかと画策してます。そんなあっさり美味しい思いはさせません。覚悟しろ。大丈夫、死にはしないから。

先ほども申し上げましたが、執筆経験が全くない上にこのサイトの使い方もほとんどわかっていないので1からの勉強になります。至らぬことの多い身ではあると思いますが、ご指導、ご鞭撻を賜れば幸いです。

最後になりますが、初心者だから、経験がないからという僻みや逃げは捨てて全力でこのクソ作品を書き上げていけたらな、と思っています。メインヒロインの設定も完成してないのに言う台詞でないのは百も承知ですが。


俺の(あずか)り知らないところで、いつの間にか父親が死んでいた。死因については当時何も聞かされなかった。それどころか、彼の死に関する一切の情報───死亡時刻、その時の状況、今際(いまわ)(きわ)に発した言葉、果ては病死か事故死かの峻別(しゅんべつ)さえ───も与えられず、母親から(はな)滂沱(ぼうだ)の入り混じる声で「今日、あなたのお父さんが死んだの」と言われただけであった。俺は後にこの父親の死について、あるいはその生き様について情報を補完していくのだが、この当時はただ唖然(あぜん)として泣きじゃくる母の姿を見つめることしかできなかった。俺は生まれてこの方泣き続けるだけの母親の姿など見たこともなかったから、ますますどうしていいのかわからなかったし、結局あの一日をどうやって終えたのかの記憶もない。記憶に残っているのは次の日以降、俺の平凡な高校生としての平穏な日常が完膚(かんぷ)無きまでに破壊され、いわゆる大人の話というやつを延々とされるようになってからである。

さて、勘の良い方はお気づきであろう。俺は父親について何一つ知らない。知らなかったの方が正しいのだろうが、たとえ後に知り得たとしても表面的な情報ばかりで、本質的なことには一切触れることができない。その意味では、俺は父親のことを永遠に知りようがないといえるのかも知れない。血のつながった他人というか、とにかく名状しがたいもので、一言で表すならば「訳のわからん何か」である。従って何処でくたばろうが何をしでかそうがそもそもどういう人間だろうが知ったこっちゃないし、事実唐突に死なれても返答に困るばかりだった。

自分で言うのも何だが、簡略化すれば「俺の親父っぽいのが勝手に死んでた。キモッ」で終わるものを、二段落にわたってとりとめもなく綴ってきた。読者諸賢に於かれては小説(笑)特有の自分語りとして適当に流して欲しいのだが、それにしてもお待ちかねの美少女との一夜が描かれる気配は全くない。そのようなものを期待している方々の為に敢えてここで予告しておこう。ヒロインやその他の萌えキャラはずっと後にならないと出てこない。具体的には2章以降である。これから描かれるのは人が死んだ後遺された人間がなすべき諸々の処理に俺が巻き込まれた様子である。仰々(ぎょうぎょう)しくエロゲみたいなタイトルを引っ()げといてそれはないだろうと思う読者も多い、というかそういう読者しかいないであろうが、俺だって心情は同じである。俺は曲がりなりにも、しかもなろうに投稿される小説の主人公なのだから、この時点で美少女との絡みが始まっていてしかるべきである。3秒くらいで思いついた死因で適当に死んでいる筈である。ファッキン糞親父並びに糞作者、来世は異世界の序盤の雑魚敵にでも生まれ変わってくれ。

愚痴を書いていてもしょうがないから話を進める。親父が死んだ翌日、俺は母親の発狂するような叫び声に叩き起こされた。自室から声のする方向を伺うと、母は背広姿の男性に掴み掛かり何かを叫んでいた。慌てて俺が割って入ると、母は手を離しよなよなと床へ崩れた。

「あの、すみません…あ、えっと、母が迷惑を…それで、あー、用件は…」

この状況に寝起きということもあり、俺の頭は回っていなかった。

「いえ、こちらこそ朝早くから申し訳ございません。私、ライフウィンドホールディングス代表取締役専務の池尻という者ですが、東雲(しののめ)様のご自宅で宜しかったでしょうか」

慇懃(いんぎん)な口調で、男はそう言った。

「えっ、ああ、はい…」

気圧(けお)されるように俺は応えた。

「左様でございますか。この度は、誠にご愁傷様でした。突然の訃報でさぞ困惑なさっていらっしゃることは承知の上ではございますが、今後の通夜と葬儀の日程に関してご報告とご相談をさせていただければと思い伺ったのですが、只今宜しいでしょうか…?」

「はい、大丈夫です。あ、ですがちょっと中がアレなので、少し待っていただいてても…」

大丈夫な筈はなかった。母は今まともに話せそうもないし、俺ごときに葬儀の日程の話などできるわけがない。だがそのことに考えが及ぶ間もなく、脊髄反射で応答してしまった。

「かしこまりました。それでは、こちらでお待ちしておりますので、準備が整いましたら声をおかけ下さいませ」

「あ、はい」

俺はうなだれる母を自宅へと引きずり込むと、大きな溜息をついた。

後で書きます。

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