再会の夜⑦
「あのっ・・・でん・・・か・・・?」
突然黙ってしまったディルに、ハナは心配になり、声をかけた。
ディルは、静かにハナに視線を落とす。
「・・・同じ場所にいるのに、会えないのは辛かった・・・。ずっと会いたかったよ。」
そう言って、再び頬にキスをしようと、顔を近づけてきた。
「えっ?えっ?」と、頭が真っ白になり、ハナがぎゅっと体をこわばらせた。
その時。
「「 はい、ストーップ!!!! 」」
ハナを引きはがす手が伸びた。
「まったく!!一度ならず二度までも!!やっぱり様子を見に来てよかったわ!」
「ディル・・・。少しは自制しろ。」
ハナは真っ赤になりながら、アルカの背に隠されていた。
ラムズがハナの頭をそっとなでながら、あきれた顔で、ディルを見ている。
「ちっ・・・」
ディルは不機嫌さをあらわにしながら、舌打ちをした。
そして一度、ラムズとアルカを睨んだ後、優しい笑顔をハナに向けた。
ハナは、驚くべきことを耳にする。
「俺たちは明日、フィンネルに戻る。」
「そうですか・・・。大変おせわに・・・
「もちろん、ハナもアルカも一緒だ。」
「・・・・・・・・・え?」
ディルは、ラズムとアルカに顔を向ける。
「ラムズ、アルカ、いいな?」
「「御意」」
ハナはびっくりしてアルカを見ると、アルカは『大丈夫』とでも言うかのようにゆっくりと頷き、笑顔を見せた。
ここから、ハナの人生が大きく変わるのだが、ハナはまだ知らない。