表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒ずきん姫とグリーンハウス  作者: 那実いずみ
第一章 企てられた「侵略」
1/30

プロローグ

 「はずしなよ!もったいない!!」


 霞がかる遠い記憶の中で、その一瞬を何度も、何度も、思い出す。

 


 お気に入りの温室。

 育て始めたハーブの様子を見に行った時だと思う。

 夢中になっていたから、いつの間にか「黒い布」が落ちていたのに気づかなかった。

 声がしたのは、布を拾ってかぶろうとした、その時。


 相手は自分と同じくらいの男の子。

 顔ははっきりと覚えていない。

 彼の姿を見るなり、走って逃げてしまったから。

 後ろから彼の声が聞こえていたけれど、そんなこと構わなかった。

 




 張り裂けそうなほどの鼓動で、自分が呼吸をしているのか、分からなくなる。

 


 誰も通らない、長く伸びる冷たい廊下。

 足がもつれて、転びそうになりながらも走る、私の足音だけが響く。

 




 幼い胸に大きくのしかかる影。

 分かっていたから、頭からかぶった「黒い布」をギュッと握りしめた。






 もう、二度と彼には会えない・・・と。

 

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ