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『写真』

作者: Psycho law


その一瞬が好きだった。


みんなが笑っていて、私も笑っていた


当たり前な幸せ、ありふれた喜び


掛け替えのない風景


私が愛したその世界を、大事に大事に切り取って、小さな部屋に閉じ込めた


壁に貼り付けた小窓の向こう側は、何時だって眩しくて、そんな世界が好きだった


変わらない窓の向こう側で

永久に来ない明日を見つめて、私たちは笑っていた


やがて色褪せて、擦り切れてしまった小部屋の中で


それでも私たちは笑っていたんだ。


どうして笑っていたのかは、もう思い出せやしないけれど



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