新大陸の新神
忍者には自力で海を渡ることが可能な者もいるので、風船蛙に呼び出されなかったものも少しずつ従軍し始めている頃。
ヒマワリがだらだらと散歩しながら地図を持ち、それぞれの部隊がどのように移動しているかを絶えず記録している時、それが現れた。
髪は白く、人間のような格好をしたそれは、全裸の男性で、人前では装束を着ることが義務付けられている里では絶滅危惧種とも呼ぶべき存在だった。
ヒマワリは最初それが敵の斥候か精鋭か、判断はつかないが敵だと思い身構え護衛のものに声をかけた。
「ニンニン、お前、何者でござる?」
「空神……」
目は虚ろにどこか虚空を見つめ、話を聞いているのか聞いていないのかも分からない。
空神とは何か、それは知らないがこれほど怪しい人物をほうっておくわけにはいかない。
「投降しろ、身元が確認できるまで折檻でござる」
しかし空神は動こうとせず、ただ地面に座り込んでいる。
再三の注意を聞かなかった空神をついに護衛の男は切った。
すると、ずるりと皮がむけたように中から新たな男が出現したのだ。
それはどう見ても脱皮であり、変体とも言える変化。
「な、何奴!?」
「食神エアト! 頂きます!!」
男は地面ごと消え去り、ヒマワリはその凄惨な光景を目に焼き付けたまま、同様に体を失った。
ナーダ大陸で、マーグ大陸でも見られた神の出現が起きているにも関わらず、最強の通信インフラであるヒマワリを失ったためにその情報が広まることはなかった。
ナーダ本土では神による通り魔的災害が発現し、戦地では連携がとれなくなり混乱の極みに墜ちるのであった。




