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第十話 決戦:天使不在の黙示録

「人造暴力-黒く染まる天空-」

Vo:〔《手塚松葉》【不二子・コガラシ】〕(古藤玄白)


(差し込む月明かり 船上を照らし)

(誰もが恐れる 竜と獣が 腹を空かせている)

(虚しく奪われた 幾多もの命)

(狂わされた 愛する地球(ホシ)の 夜明けは何時だろう?)


《ろくでもないがとても素晴らしき世界》

【血生臭い吐息は 心の錠前を浸食し崩壊させる】

《史上最低の戦》

【最後に何が待っていようとも】

〔永劫、互いが死ぬまで闘争を続けよう〕


〔奴思えば 反吐が絶え間なく〕

《さぁ来い愚妹》

【殺してやる愚兄】

〔屍をまるで落ち葉のように 踏み砕き前へ歩み出す〕


【嗚呼 その殺意と因縁に】

《ケリを付けようぜ?》


〔犯す罪など無い〕


《肉に飢え》

【殺意の渦の中】《牙すらも》


【屍肉 腐れ崩れて】《死肉腐れ張り裂け》

【殲されるは私?】《るは俺か?》


〔言葉さえも凶器〕

《本望なんだよ》【悔いはない】

《鉄の雨は怒り狂い》【鉄の雨は降り注ぎ】

【骨肉貫いた】《貫いた》


【…これが…長い間捨てなかった望み…】

《そうだろうよ…飛竜…》

【禽…獣…】


(流れ続ける体液 人禍総統の笑い声と、涙の意味とは何か)

(苦痛か、快楽か)

(僕がその目で見たシルエットは…まさに醜い暴力そのものだった)


【これこそ…命の味…】


〔その決意固たのなら 戻れない この道からは〕

〔血の海の幸を貪る事 告訴・立件 法の出る幕無し〕


〔嗚呼 その忌まわしき心臓 嗚呼 剔り潰せ〕

〔本能 命ずる侭〕

《奪い取り》【狂気の果てに】《喰い殺す》


〔身体伝う〕

【血の滴】《恨み辛み》

【理性を破壊する】《破壊する》


〔定められた法規?〕

《嗚呼 腐れた稚児》【醜く産まれ】

《唸り吼え猛りながら》【怒号渦巻く中で】

【何かに怯えてる】《怯えてる》


〔犯す罪など無い〕


《肉に飢え》

【殺意の渦の中】《その牙さえ》


【屍肉 腐れ崩れて】《死肉腐れ張り裂け》

【殲されるは私?】《るは俺か?》


〔貪り尽くすまで〕

《嗚呼 勝つのは俺だ》【崩れそう】

【溶けた血肉飲み干し】《殺し合うその身体のまま》

【狂った声で歌え】《歌え》


(空が叫び、地面が暴れている)

(まるでこのおぞましい何か達のように)

(動物の本能を罪と定義するなら)

(彼らはもしかして、神すら殺しかねない)

(そして僕は切に願う)

(何がどうであれ、明日を望み通り生きられるようにと)


〔嗚呼 我は汝そのものを 喰い尽くしたい〕

―前回より―


「事の始まりは46億年前、太陽系を創造した自我を有する存在(・・・・・・・・)が、自分の手助けをさせる為に生み出した種族!

存在はそいつらをANGELと名付け、ANGELは存在を天の父と呼んだ!

それが俺達、異形の始まりだった!」

叫ぶ松葉の拳が、不二子の顔面をかすめる。

「そしてそれから4億年―彼等からしてみれば二年程経ったある時、ANGELの中のあるものが、天の父の考えに疑問を抱き、反逆を企てた!

反逆者を率いた者の名はゲヘナ!故にその一派は『ゲヘナ革新派』と名乗り、太陽系の外に新たなる拠点を築き上げたのよ!」

そう言って、不二子は口から巨大な炎球を吐く。

しかし松葉はそれをかき消し、叫ぶ。

「更に革新派の者達は、自分達が天の父とANGELに反逆する新たなる血統・EVILと名乗った!

ANGEL達は連中を蔑む意味で、単語の頭につける事で『劣っている』『粗悪な』という意味を付け加える【D-】の文字を加え、D-EVILと呼び、両者は度々争い殺し合った!」

そう言って松葉は海面に急降下し、船の残骸を不二子に投げつける。

対する不二子は身体の色合いを緑に、体格をより細く、鳥類に誓いデザインに変え、巨大化した翼で風を起こし、残骸の軌道を逸らしながら叫ぶ。

「そしてそれから二万年!EVILは天の父とANGELとを抹殺する為、『地獄の頭脳』と呼ばれた学者バアルを中心として、幹部七名がそれぞれ司る七つの感情を象徴する『頚』を持った二匹の怪物『APOCALYOSIS』―――つまり私達(・・)が産まれた!」

跳ね返ってきた残骸を片腕で叩き飛ばし、松葉は叫ぶ。

「二匹の性別はそれぞれ雄と雌。つまり俺とお前(・・・・)だ!

雄の方―俺は、地球に作られる予定だったあらゆる動物の情報を持っていた為に『禽獣』の名を授かり、

雌の方―お前は、知的生命体の考える力と思い描く力を象徴する力を持っていた為に『飛竜』の名を授かった!」


この二人の戦い、糖分終わりそうにない。


―同時刻・オーストラリア―


嘗て我が子であった亡骸の傍らで、玄白は静かに語る。

「…それから時は流れ、今からざっと20億年前……ちょうど典型的な動物細胞と植物細胞が誕生したのと時を同じくして、禽獣がEVILの考え方に疑問を抱き始めた…。


そしてそれから一億年…と言っても、その頃の我々(・・)にとってはあくまで半年程度の時間だが、そんな時期に、動物が性システムを完成させた頃に、禽獣の疑問は次第に反感へ変わっていった……。

その頃のEVILを率いていた者は、ゲヘナの意志を継ぐとても寛大な精神の持ち主で、考え方の相反する飛竜と禽獣とをどちらも愛していたが、禽獣と統率者とは、考え方の食い違いから次第に関係が悪化していき、それと同時に禽獣は勢力の中で浮いた存在になってしまっていた…。

まぁ、そんな中でもぼk―っと…理学士長バアルだけは、禽獣を影ながら守り続けていた」

玄白はその場から立ち去りつつ、背に翼を出しつつ語り出す。

「そして時は流れ六億年前…地球は先カンブリア時代のヴェドン紀という、陸上は勿論海中でも捕食動物が居なかったような時代に、禽獣はバアルの手を借りて地球へ逃げ出した。

この情報はEVILのみならず、地球を管理していた天の父とANGELにも届いてしまったが、EVIL統率者はこれを『地球侵略を目的として送り込んだ』という情報を故意に流す事で丸く収めた。

当の禽獣はそんな事なんてお構いなしに地球ライフを楽しんでいたわけだが…。


そしてそれから4000万年して、天の父の命令を受けて戦闘専門のANGEL達が禽獣抹殺を目的に地球へ向かったけれど…禽獣というのはあの手塚松葉だ。言うまでもなく全員見事に返り討ち。

この時、地球で散り散りになってしまったANGEL達の死骸や生きた肉体が環境に影響してしまった所為で、地球生物の一撮みが異形化してしまったりという事も…。

天の父はこれ以上直接的に禽獣を相手にするのは無駄だと判断し、地球環境の調整も兼ねて定期的な大量絶滅の発生をプログラムしたというわけだ…まぁ、知っての通り禽獣はその後も地球で生き残り続けたんだけどね……」


そう言いながら、玄白は背中の翼で空高く舞い上がり、ある方角へと向かっていった。


その方角とは、南緯36度27分 東経148度16分。







七大陸最高峰が一つ、オーストラリア大陸のコジオスコの所在位置である。


―再び東京都上空―


「それからは色々あったよなぁ!巨像が地球に送り込まれたり、お前やバアルまで地球にやって来たり!」

「全くね!地球で生活してると、本当に色々な事があって飽きないわ!」

「その地球を何で今になって壊そうとする!?血迷ったか!?」

「血迷った?馬鹿を言わないで!作り直すのよ!今の知的生命体はどうも方向性が間違ってるわ!

だから軌道修正するの!伸ばしたいだけ伸ばし放題の、本当に優秀な奴が活躍出来る世界に!

その為には、間引きだって必要でしょう!?余分なものは徹底的に排除し、必要なものだけを残す!

それが最善策だし、何より貴男だってやっている事じゃ―――」



ドゲリュ!



松葉は不二子の右目を手の甲で殴りつけ、吼えた。



「その権利がテメェにあるとでも思ってんのか!?

自分が特別な奴だとでも思ってんのか!?

俺達は元々只の生きた暴力だ!

俺達は昔から今まで、只の生物だ!

変な形をしただけの、只の動物だ!

何ら特別なものなぞ持っちゃいねぇ、何ら特別な権利も無ぇ、ただ少し変なだけのケダモノとトカゲだ!

それがわけのわからねぇ力と、わけのわからねぇ知性を持っただけ…それが俺達だ!

確かに俺達はあの頃期待され、また恐れられもしていたに事は違ェ無ェ。

だが、それがどうした?

周囲の評価なぞ、所詮は自分を計る定規(サシ)の一本に過ぎねぇだろうが!

確かに定規は重要だが、それでテメェの生き様全部決まんのかよ?

何やりてぇかとか、どう生きたいかとか、何がMayで何がMustn'tなのか、そういうのの決定の根本ってなァ、結局は自分だろ?

そりゃ俺も、周囲に頼ってばっかだったさ。

周囲に迷惑かけて生きてきたようなもんだ。

『自分の事なのに他人に任せっきりで自分じゃ何もやってなかった』なんてなァ、数え切れねぇ程あったよ…誰だってそういうモンなんだ…」


松葉の体毛が、純白から一気に黒へと染まる。


「話逸れたな。で、つまり俺が何言いてぇかってェとな、『周囲から特別扱いされたぐれぇで粋がって神気取るな』って事なんだよ!」

松葉の拳が、不二子の腹に叩き込まれる。無抵抗の侭、それを喰らう不二子。

「寧ろ周囲から特別扱いされたんならな、其処はそういうの適度に否定して"アタクシ如きがそんな扱い勿体無ェですハイ"ぐれぇ言うモンなんだよ!」

更に今度は爪の斬撃が右肩から左腰に向けて叩き込まれる。鱗突き破られ、肉が斬り裂かれ、骨まで傷が及ぶ。

「謙虚になって遜って自虐に走って卑屈気取って無能自称して、集団の中では自分が底辺だって何時も思いながら過ごすんだよ!」

お次は蹴りだ。踵を密着させたがに股での踏み蹴りが、不二子の骨を砕く。

「で、他人は大抵誰でも何か褒めときゃ良いんだよ!

隣の奴の良いところ探しまくってよ、買い被りだ過大評価だと言われても、それでも褒め続けてよ!」

松葉は不二子の首を掴み、そのまま急降下し、その身体を浅瀬の砂地へと叩き付ける。

「嫌いな奴を敬え愛せ褒めろとかそんな無茶は言わねぇよ…嫌いな奴なら好きにすりゃいい……。

だがな、好きは別だぜ?好きな奴は敬って、敬って敬って敬って、敬意に限界なんざねぇんだから、空回りするぐれぇにまで敬って!

んで、愛して!

際限なく何処までも愛してやれば良いんだよ!まぁ限度はあるが…それが生きるって事なんだよ…。

でな、テメェよ…人類を過小評価し過ぎだ…。

鳩谷のクソとか元大統領なら判らなくもねぇが…全く無関係の民間人まで刃向かったら殺すってなァ、学が無さ過ぎるだろうが!

何故そいつ等を説得しなかった?何故そいつ等について理解しようとしなかった?

そもそもテメェの仕事は地球支配だろうが…それなのに、何で人類根絶なんて掲げやがった?

しかも何で今それが、地球の知的生物リセットなんて真似に化けた?

人類が嫌になったのか?裏切られたのが癪だったのか?

甘えんじゃねぇ!

人間だろうが蟲だろうが雑草だろうが、例え珊瑚荒らすオニヒトデだろうが、稲食い荒らすスクミリンゴガイだろうが、今そいつらが地球上で何とか生き残ってて絶滅してねぇって事は、だ。

そいつらは少なくとも、地球に許されてんじゃねぇのか?宇宙に存在を認められてんじゃねぇのか?

そんな連中の命をなぁ、必要最低限以上に奪って良いとか誰が決めたよ?

喰うだ護るだ致し方ねぇ理由だ、そんな必要最低限の理由以外で余計に殺しをしていいと誰が決めた?

許可出したのは誰だ?

俺か?

テメェか?

作者か?

親か?

ツレか?

担任か?

首相か?


それとも神か?宇宙か?


誰もそんな許可は出しちゃいねぇだろうが!

少なくとも生きる為に、必要最低限かそれを若干上回るぐれぇの理由でなら殺しは許されるだろう。

殺しをせずに生きてられる生き物なんぞそう居ねぇからな。

だが、それをあんまりにも上回る殺しは、許可されちゃいねぇんだよ!

で、テメェはそれをやっちまったわけだ!

する必要性なんぞねぇのにな!」




松葉のよく判らない説教が耳に届いていたのか届いていなかったのか。

どちらにせよその時、不二子が呟くと共に、彼女の身体に異変が起こった。

「……れが……によ……」



「……ぁ?」



黒かった鱗が剥がれ落ち、中から光り輝く深紅が現れる。




「それが何よ!?」




ドォン!



強烈な波動が不二子から発せられ、松葉はいとも容易く吹き飛ばされてしまう。

深手を負ったままの不二子は、まるで脱皮をするように黒い鱗を振り落とし、深紅の鱗を露わにしながら空高く飛び上がる。


「生きる権利ぃ?理由ぅ?許可ぁ?

そんなもの必要ないわ!

大体貴男だって虐殺してるじゃない!

自分の気に入らない悪人だからって、無差別に、おぞましい手段で!

そんな貴男に、説教される覚えなんて無いのよ!」


叫んだ不二子は、口から白い熱線を吐き出す。

熱線が松葉に襲い掛かり、彼の身体を焼き払おうとする。

しかし松葉はそれを気合で払い除け、その形態を獣から別のものへと変えながら言い返す。


「何を言うかと思えばそんな事かよ?

何所までも勘違いしてやがるっぽいから言わせて貰うが、俺がやってんのは一種の小規模な恐怖政治と暗殺行為であって、虐殺じゃあねぇ!

確かにやり口はオゾいかも知れねぇがな、少なくとも無差別ではねぇんだよ!

力がデカく、人格的にも腐りきってるようなド外道を殺す事で、違法行為や汚職に走る=殺されるって認識と持たせることで標的どもに俺を恐怖の対象と認識させ、結果として二つの意味で数を減らす…それの何所が無差別だと言えんだァ!?」


叫びきった松葉の姿は獣から何やら白い丸太のような影となり、海中へ姿を消した。


「…逃げた…?まさかあの男…あれだけ言っておいて――ザバォッ――んなッ!?」


突如上がる水飛沫に、不二子は不意に下を見る。

見れば自らの真下から、伐採された杉の木のような太さの長大な怪魚が現れていた。

それは鱗の見えないぬらぬらとした白い皮膚を持っており、ハゼとオニカマスとワラスボとナマズを合わせたような、不気味な体付きをしていた。

怪魚―変身した松葉は、口元から生えた四本の細長い髭を巧みに操って不二子の両足と尾を絡め取り、脚を喰い千切ろうと迫る。

しかし不二子はそれを避け、自らも姿を変える。


それは白く輝く鱗と鳥のような大きな翼を三対持つ細身の神々しい竜であった。

姿を変えた不二子は松葉を振り落とし、翼から黄金色の稲妻を松葉に向けて放つ。

しかしながら松葉も負けては居らず、大量の羽虫に化けてその攻撃を回避し姿を消した。


そのまま少しの時間が経過した時、不二子は高らかに叫んだ。

「hっ…hふっ…はは…ははは…あはははははははははははは!

逃げたわね?禽獣!このまま現れないのなら―いえ、現れたとしても、貴男の敗北と死とは、あと二十秒後に決定するわ!

何故ならそう…HORDが作動するのよ!今すぐにね!

そうなれば地球上に存在する私以外の知的生命体は全て死滅し、晴れて人禍は完全勝利!

環境問題も戦争も無い、高度に進化した支配者種族による、新しい地球史が始まるのよ!


残り時間は…八秒…七…六…五、四、三、二、一…零ッッッッ!」

不二子は興奮の余り時計を握り潰す。



だがしかし、





何も起こらない。







「…あら…?」



そう。

何も起こらなかったのである。





「(…どういう事…?誰かがHORDを止めたっていうの?

でも誰が?HORDは作動したら最後、如何なるエネルギーも吸収し受け流す特殊障壁が展開されていて、火器も刃物も鈍器も、異形能力さえ無力化する程の防御性能を誇っていた筈…。

それを突破し破壊するには、革新派幹部だけに知らされている解析コードを複雑な手段で入力しなければ……!!


そういえば一人居たわ…私以外にあのコードと入力方法知ってる奴……やっぱりあいつも……裏切って多のね…)」











「…古藤玄白………基、ゲヘナ革新派幹部兼理学士長………バアル(・・・)ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」



臣下と信じていた男の裏切りを悟った不二子の叫び。





それは既に、咆哮と呼べるほどの音量と振動数を持っていた。





―同時刻・コジオスコ山頂―


「…様あ見ろ、地球の敵め。

何時も訳の判らない仮説や理論を呟きながらそこら辺を徘徊していたような、"わけの判らない奴"が、"怪しいことを何もしない"なんて保証がどこにある?」


破壊されたHORDの上に座り込みながら笑う、()人禍幹部序列一位・古藤玄白―基、()ゲヘナ革新派幹部兼理学士長・バアル。

彼の首筋や肩からは、頭足類を思わせる青い触手が生えていた。



「さてと…愚かな妹の処理は凶暴な兄に任せるとして、僕もそろそろ――ボォン!


突如巨大な光球が現れ、玄白の頭に直撃する。


「ぐぉぁっ!?」


頭を吹き飛ばされながらも、傷口の一部を口に変形させ、玄白は言葉を紡ぐ。



「……あの冗談生命体め……天体レベルの山形射撃とは……しかもこれは……時限式生体発火術………ゆとりドラゴンの癖に………やるじゃあ…無いかッ………」


そう吐き捨てた瞬間、玄白の全身から白い炎が沸き上がり、彼は山の頂上から真っ逆様に転げ落ちていった。

《古藤玄白による歌詞解説》

初めまして読者諸君。僕は元シンバラ社社員にして元現人禍幹部の古藤玄白。気安く腐れマッドサイエンティストとでも呼んでくれ。

この歌詞の原曲は『Innocent key』の(多分)世にも珍しい18禁音源『背徳姉妹』に収録されている『紅桜~Eastern Dream...』『つぇぺしゅの幼き末裔』『魔法少女達の百年祭』を原曲に作られた『Immoral Sitter~紅に染まる片翼』というアレンジ楽曲だ。

言うまでもない事なのだろうけれど、この歌詞はいうなればこの作品の核心の一つである、主人公・手塚松葉とラスボスの不二子・コガラシの正体この二人の関係についてちょいちょい語っていたりする。

そしてこの二人の招待について語るということはつまり、『異形』と呼ばれる種が如何にして生まれた存在であるかとか、更には地球誕生とかそこらへんの壮大な話にまでつながっていくわけで。

まぁどうなるかは分からないけど、この歌詞を何度も読んでいれば結構先のことは読めきて、結構楽しめるんじゃないかなぁとか、個人的には思うわけだけど。


次回「決戦:数十億年に及ぶ兄妹喧嘩の結末」

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