第一話 闘争続行!
大志「ヨォ読者共!元気か!?俺ァ日異連の元気と勇気とオッサン担当、歩く放送禁止用語こと大喜多大志だ!
人間でも異形でも、勉強なり遊びなり、何をするにでも取り敢えず元気が大事だよな!
俺ァ大体いっつも元気溌剌だぜ!
…あ?『テメェは第四部で死んだろ』って…?
…確かにな!そういや俺名前の後ろに"(亡霊)"とかつくべきだったよ!
でもまぁ今回はスタッフのミスって事で大目に見てくれや!
ほいじゃあ、『白い巨像第五部』の始まりだァ!じっくり読んでいけよ!」
―第四部終盤より・東京都―
空中に浮かびながら松葉を睨み付ける少女。
対する松葉も、地上から少女を睨み付ける。
「何なんだろね、アイツ」
とは、雅子。
「さぁな。よく判んねぇが、兄貴にメンチってる時点で人間じゃねぇわな。
あと空に浮いてる所とかも」
とは、鉄治。
「まっちゃん、さっきから動いてない」
とは、恋歌。
「いやぁ、動いてないってのは間違いだよ恋歌」
とは、逆夜。
「どしてー?」
「いやだってさ、こうしてのんびりしてる俺達の周りにエビとか機関員が寄ってこないのって、全部手塚さんが視線動かさずに対処してくれてるお陰だからさ」
と、ここで突然暢気な音が鳴り響く。
ピンポンパンポ~ン♪
「放送?」
「らしいな」
「でもどこから?」
その放送は、東京湾に浮かぶ空母の中の、総統室から響いていた。
『ア、アー、テステス。
おkおk、聞こえてるわね。
世界各地で現在死闘の真っ最中と思われる全地球生物の皆さん。
私です。
人禍総統です。
今までの間に世界中で何が起こっているのか、リアルタイムで観させて貰いましたが、世界は本当に素晴らしいという事が手に取るように判りました。
それはここ、日本でも変わりなく、偉大で勇敢な一人の異形により、我らが切り札の一つである白い巨像は壊滅的なダメージを被り、その結果美少女になってしまいました』
「え?アレ巨像だったの!?」
「スゲェ変わり様だな…」
「とんでもなー」
『それでその後紆余曲折を経て、私の親愛なる部下が自作してくれた巨像を操る為の制御装置が吹っ飛んでしまい、もう操作が効かなくなってしまいました。
よって日本の皆さん、これより先あの白い巨像がどんな姿で何をしようと、私とは一切関係有りません。
まぁ、楽して生き延びたかったら私と友達になりましょう』
「あの女…」
「ナメた事を…」
「いうよねー」
―同時刻・ヨーロッパ―
仰向けの状態で地面に寝転がる天野と、その首に槍を突きつける健一。
あれから壮絶な勝負を繰り広げた二人もまた、体力が限界に達していた。
「……貴女ほどの強豪は………今まで見たことが有りませんでしたよ……」
「……俺もさ………黒沢…」
二人はそう言ったまま、殆ど微動だにしない。
否、動けないのだ。
そしてそのまま7分以上経過した時。
天野の口元が幽かに笑い、こう言った気がした。
――お前に惚れた。だからお前と、一緒に居たい―
「!?」
ふと次の瞬間、健一は背後に巨大な気配を感じ取り振り向く。
背後にはただただ巨大な四角柱が一本立っていたが、見上げてみるとそれは巨大なロボットであった。
球体型のボディが、二本の巨大な脚によって支えられている。
「……ゴ●ラもだけどさ…20●紀●年好きなんだよ、俺……。
…コイツには、今すぐ崩れて爆発するような……設定を書いた……。
……悪く思うな………オメーは俺の………初恋の相手なんだよ……」
「!?」
衝撃的な言葉に身体が勝手な反応を起こし、咄嗟に健一を爆発の範囲外へと飛び退かせた。
しかし、天野は未だロボット型爆破装置の真下にいる。
「しまッ!」
健一は自分のミスに気付き、とっさに糸を伸ばして天野を引き寄せようとする。
しかし、大幅な体力消耗はそれを許さず、糸は途中で力を失ったように地面に落ちてしまった。
更にそれと同じタイミングで健一の体力も限界の更に限界に達し、地面に倒れ込んでしまう。
そして健一が倒れ込んだ直後、バラバラになって崩れたロボット型爆破装置が大爆発を起こした。
―同時刻・インド・首都デリー―
「ごめんなさい…姉さん…。
でも僕はもう…戻れないから…」
激闘の末実の姉を焼き殺したMr.司馬は、自分の帰りを待つ部下に連絡を入れる。
「もしもし、哀かい?僕だ。
デリー制圧は最早僕無しで達成されるだろう。
周辺都市はどうだい?」
『ハイ、順調です。
ただ、ヨシエちゃんが重傷ですが…』
「そうか…良し、すぐそちらへ向かおう。
ヨシエ以外のメンバーは無事なのかい?」
『えぇ、何とか。少なくとも戦闘に支障の出るレベルじゃありませんね』
「良し。そのまま戦線を維持しておいてくれ」
Mr.司馬は近場から大型バイクを奪うと、部下達の待つ都市へ颯爽と出発した。
―再び日本―
「………」
「………」
睨み合ったまま微動だにしない松葉と巨像。
戦い続けるそれ以外達。
そして、空中の巨像と地上の松葉とが動き出したのは、ほぼ同じタイミング。
ロングヘアを波打たせて姿勢を低くし、相手を威圧する巨像。
対する松葉も、獣化によってその姿を変える。
しかし、現在彼が獣化した姿は、今まで作中に登場したいかなるそれとも全く違っていた。
否、強いて言なら今まで登場した七種類の姿の内、幾つかの姿との共通点は辛うじて存在した。
まず、禿げ狗との共通点として、そのベースが陸生の肉食哺乳類であったという事が挙げられる。
次に、怪鳥との共通点として、背中から生えた巨大な白い翼と鳥の脚部を思わせる手足がそうだと言えた。
続いて、怪魚との共通点として、その鋭い釘のような独自の鋭い歯はそれと断言できるだろう。
但し、共通点と言えば無理をしてその程度。それ意外は何もかもが違いすぎた。
まず、禿げ狗の頃との圧倒的な違いは、その全身が白く長い毛で覆われていたという事であろう。
次に、先述の通りその手足は猛禽類のように硬い鱗に覆われ鋭い爪が生えていた。
続いて、背中には白い大きな翼が生え、細長い頭部には山羊の如し強靱な黄金の角が生えていた。
更に、毛に覆われた尻尾の骨格は爬虫類を思わせ、その全体的なフォルムは禿げ狗よりも細くなり、手足も長くなって何処か人間的でもあった。
急降下する巨像と、跳び上がる松葉。
この二匹の怪物のぶつかり合いは初っ端から壮絶を極めた。
巨像は元の巨大形態時とは真逆の素早い空中浮遊と火力の高いレーザーを使いこなし松葉に挑む。
対する松葉も、禿げ狗やジパングデビルが持っていた怪力と、怪鳥形態で実現された飛行能力とを上手いこと併せて使いこなし、巨像を追い詰めに掛かる。
ヴィジョォァ!
巨像の口からレーザーが発せられたとしても、それが松葉に致命傷を与えることはなく、
バゴッ!
松葉の拳が巨像に当たったとしても、巨像はそのダメージを上手く受け流してしまう。
この二匹の怪物のぶつかり合いは、まだ始まったばかりである。
―同時刻・アメリカ合衆国―
半壊状態のホワイトハウス内部にて、現在生き残っているのは大統領と副大統領のみ。
そして、平和な日常を崩壊させられた副大統領の怒りは収まるところを知らなかった。
「連盟は何をやっている!?
世界中が正体不明の化け物どもでひしめき合っている!
各国軍隊は最早手も足も出ん!
その上なんだあのロブスターは!?
殺した人間を問答無用で化け物に変えてしまうだと?
馬鹿馬鹿しい!どこまでファンタジーを気取れば気が済むんだ?
家族揃ってディ●ニーは好きだが、それが現実になれだなんて一つも思ってはいないぞ!
フリークスどもめ、一体何をもたもたしているんだ!?あのノロマどもめが!
全く、これだから化け物は嫌いなんだ!」
しかし、そんな副大統領を大統領は宥める。
「落ち着きたまえよ副大統領。
どのみち我々では勝ち目など無いんだ。
生き残りたければ彼らを信じる事だよ。
最前の手が一つだけなら、それを実行せずに何を実行すると言うんだい?」
「ですが大統領―「はァい!お待たせしちゃいましたねェっと」
盛大に壁を突き破って現れたのは、アメリカ異形連盟中堅のリューカ・サルファス。
レモンイエローのショートカットが特徴的な女性で、爆発物の扱いに長けている。
「おいリューカ、お前派手過ぎるんだよ!副大統領は兎も角大統領に怪我でもあったらどうする気だ?」
後から現れたこの若干失礼な坊主頭の男は、リューカの同僚でニード・ヘッジホッグ。
目つきと剣士が鋭く口も悪いが、その攻撃的な見掛けに反して針治療の専門家でもある。
「ニードこそ、『副大統領は兎も角』っていうくだり余計じゃない?」
「いや、副大統領は元陸軍だって言うからさ、日本のーほら、あのオオキタって奴くらいの生命力はあるかと思って」
「いや、無いでしょ…仮に普通の異形の程度を人間の平均としても彼のレベルは常軌を逸してるわよ」
「そうか?てっきりイケると思ったんだが…」
「いやいやイケないでしょ。
ごめんなさいね副大統領。ニードって口は悪いんですけど根はとっても信頼できる人なんですよ。
だから気を悪くしないで――「もういい!もうたくさんだ!化け物なんか信じた私が馬鹿だった!」
「副大統領?」
「大統領、思えば私は今の今までお前さんの従順な部下として、何から何までアンタに従ってきた!
金融政策も、防衛措置も、国連審査も、刑法もだ!
莫大な金を生む原発や核兵器だってお前さんに従って棄ててやった!
そして…この戦争を起こしたあのおぞましい薄汚れた化け物どもに関する政策についても、お前さんに従ってやった!
だがもう限界だ!
どいつもこいつも自分のことしか考えずに突っ走りやがって、その癖私のような国民思いで良心的な政治家が少しでもミスや不正を犯せば、その事を槍玉に挙げて批判し袋叩きにする!
もう懲り懲りなんだよ!お前さんの様な何も知らない青二才の糞餓鬼の後ろを、まるでグッピーのクソの様について回るのは!
良いとも!
怨みたければ怨むが良いさ!
殺したければ殺すが良いさ!
だが私を殺したところで、結局は何も変わらんぞ!
悪人を幾ら殺したところで、この世が変わるものか!
だが、だからと言って話し合いでの解決だの、許して改心だのと考えている奴も馬鹿だ!
何をどうしようが悪は悪、善が悪に変わる事はあっても逆など有り得んのだからな!」
と、次の瞬間。
バシャン! と、激しい水音と共に、副大統領の頭に謎めいた液体が大量に浴びせられた。
「な、何だこの液体は?香水か?」
すると、何処からともなく声がした。
「いいえ!それは私が、最も相応しい者へと浴びせかける『聖水』!
貴男は選ばれたのよ、ディック・ウォーカー副大統領!」
4人は辺りを見渡すが、声の主らしき人物は見当たらない。
しかし暫くして、折れ曲がった街頭に長い尾でぶら下がった、猿か鼬の様な女が姿を現した。
「何だ…貴様は…?
それに、私が選ばれたとはどういう事だ…?」
副大統領の問いに、女は答えて言う。
「初めまして…私は如月ベアール。
人禍幹部序列十位の者よ…」
「人禍だと…?この私を殺す気か!?」
「何を言っているの?誰がそんな事するもんですか…寧ろ私のやることはその逆。
貴男に約束された安息の未来を与えようと思うのよ…」
「約束された安息の未来だと…?」
「そう。政治家なんて比じゃないくらいの、素晴らしい未来よ。
私について来れば、苦労も苦痛も無い夢のような生活を末永く送ることが出来るわ」
その言葉に、副大統領は口元を歪ませてこう言った。
「……俺は、何をすればいい?」
「副大統領ー!」
大統領は叫んだ。しかし、副大統領は聞く耳を持たない。
「黙れ!俺はベアール様に付き従う聖者となった!
最早俺は人間などではない!俺は新たなる神の血統の継承者!人禍の戦士だ!」
「そして私の能力『洗礼』によって『聖者』となった者は私に忠誠を誓い、私に認められている限り人間であろうとも一般の異形に匹敵する戦闘能力を誇るわ。
貴方達の情報はもう入手済みよ…そして勿論知っているわ…貴方達が戦闘に特化した異形でない事はね…。
やってしまいなさい、聖者ディック・ウォーカー!
貴方が私を信じ、私が貴方を認める限り、貴方は人禍機械兵千人分の戦闘能力を得るわ!」
「はい、ベアール様!」
副大統領は右手を高く挙げると、両腕を前面で交差させ、前傾姿勢で勢い良い突進を繰り出してきた。
リューカとニードは大統領を抱え、素早く突進を避ける。
「戦闘向きでない異形二人と民間人に避けられる程軌道が単純とは、聖者も大した事無いらしいな。
どれ、俺の能力でも見せてやろうか」
そう言うと、ニードは立って如月の方へ向き直り、顔面と頭部に力を込める。
するとどうだろうか。
彼の頭部の皮膚全体から、ある程度の感覚こそ空いているもののびっしりと、鋭い釘のような黒い針が出現。
更に針達は、ニードの一声で一斉に彼の頭部から射出され、ある針は一直線に、またある針はある程度曲線を描き、その全てが一目散に如月の顔面へ向かっていく。
そしてそれどころか、針は立て続けに射出され続け、その全てが如月へと向かっていった。
しかし、如月は余裕の表情の侭に言った。
「聖者よ…私を守りなさい」
「はい、ベアール様…しかし私は、何を―「兎に角守りなさい」
如月の一言と共に、副大統領が唐突に姿を消す。
そして、ニードの針が彼女に直撃する瞬間。
副大統領が如月の前に突如現れ、それら全ての針を受け止めてしまった。
「……ベアール…様…」
「任務ご苦労だったわ、聖者ウォーカー。
安心なさい。これより先、我ら人禍の時代は必ず来るわ」
そう吐き捨て、如月は副大統領の亡骸を投げ捨てた。
「さぁ来なさい、愚かなる者達よ。
この私が相手よ」
人禍幹部対連盟中堅、その勝負の行方は果たしてどうなるのか。
―同時刻・ヨーロッパ―
疲労困憊した健一は、瓦礫だらけの大地で一人休憩中であった。
しかしそんな彼を、影から狙い討とうとする者が居た。
益獣部隊所属の飛行兵・隼人である。
「ケケケ…黒沢の野郎…あんな所で寝てやがる…。
これで世界が的●み●んの画風で構成されてりゃ、寝込みを襲ってやるんだが…ま、仕事もあるしな。
あの人数でウチの船の戦力をそこそこ―いや、かなり削り取ったんだ。
この場で始末しとかねェと後々ヤベー事態は必須だろうからな…。
早ェとこ始末してっとォ、そのスキにウィナグ辺りガッ!?」
顔つきや服装に似合わず、のろのろとがに股で歩いていた隼人は、突然何者かによって足首を掴まれて転びそうになる。
しかしどうにかバランスを保ち、慌てて足元を見る。
「な、何だェオイ!?変身能力系の奴か?新手の疑似霊長か?それともアレか?ゾンビとか悪霊ってレベルの奴か?
ったく、このヤロウ離れろっ!とっとと離せ!はーなーれーろーっつってんだっどわぁぁぁ!」
盛大に尻餅をついてすっ転ぶ隼人。
転んだ衝撃でスカートが盛大にめくれ上がるが、下に履いていたのは黒いスパッツ。
好き嫌いの別れる絵が完成した。
隼人が転んだ所で謎の手は彼の細くもしなやかな足首から離れ、再び地面に潜っていった。
気を取り直して歩き出す隼人。
しかし、彼は地面から響く謎の声によって引き留められる。
「待てや、オイ」
「あぁ!?何だよアンタ?
俺に何か用か?」
「オメェさん…さっき黒沢健一を始末とか言ってたか?」
「あぁ…言ったよ。俺は人禍の隼人ってモンでな、今上からの命令で奴を屠りに行くんだよ。
ところで、何だいアンタ?野良か何かかい?それとも幽霊って奴か?」
隼人の問いに、声の主は静かに答える。
「…あァ…オメェさんが霊とかにどういう考え持ってるかは知らねぇが…一度死んだ筈の奴が蘇ったってンなら、俺ァ幽霊とかゾンビって括りなんだろうな…」
「へ…へぇ…で、その…イカしたゾンビさんよ…今回の戦、アンタ…どっちにつく?
人間滅ぼすかい?それとも、守るかい?」
「あァン?そんなモン決まってンだろうが…」
声の主は、自らに覆い被さった土を突き破るようにして地面から這い出ると共に、隼人の顔面を殴りなが
ら叫んだ。
「俺が守るべきモンを徹底的に守り通し、俺が壊すべきモンを徹底的にぶっ壊す!それだけだ!」
地面に叩き付けられた隼人は、自分を殴りつけた声の主の顔を見て驚愕した
「……って、手前は……大喜多…大志!?」
そう。
地中から現れたのは、第四部でラウチに殺害され健一によって埋葬された筈の『硬度』の異形・大喜多大志であった。
「ヨォテメェ…その背中の羽根とか目つき…何か動物っぽいよなァ…。
…それにウィナグってェと…あのコオロギな姉ちゃんか…。
つまァり…この二つの情報から推測するに…だ。
オメーはコトちゃん率いる史上最強の移動動物園系声優ユニット『ザ☆イワナミーズ』だな?」
「いや違ぇよ!益獣部隊!」
「おォ…そういや海外版じゃそんな名前だったかな…」
「いや海外版って何だよ?」
「ま、どの道テメェはあのラウチってナメたチャバネゴキブリ野郎の同僚なんだろ?」
「俺の話聞けよ!確かに俺は一応ラウチの同僚って扱いだがな、アイツがに何したとかはこれっぽっちも知らねーよ!」
「そうかい…じゃあ殴らせろ」
「いや意味わかんねーよ!何でそこで殴らせろに発て―ブゴッ!
「るっせェなァ…寝起きで調子悪ぃんだよ…何かあの後黒沢さんに埋められたんだけど辛うじて生きててさ、その後偶然何かデカいブツが落っこちて来てボンバイエ。
潜在的才能で瀕死ん時エネルギー色々過剰吸収出来っから、爆炎とオイルとあとブツが持ってた運動エネルギーも残らず吸収して復活しようと思ったんだがどうも空気的に駄目でさ、あと腰も痛かったから暫く寝とくかってコトになったんだが…」
「いや意味判んねーよ!何だよボンバイエって!つかテメーの潜在的才能なんて知るかァ!
第一何で俺を殴る?何で俺を殴りたい衝動に駆られるんだよ?
わっけわかんねーんだよ!理由を言えよ理由を!」
「あァ…?理由?」
大志は背伸びをしてから首を左右両方にそれぞれ一回転させてから、あっさりと言い放った。
「人禍だから。俺の上司を殺そうとしてっから。
つか、お前がお前だから。それ以外に理由が居るか?」
その一言を効いた隼人は、弱々しく言った。
「…あぁ…初めてだぜ……三次元の野郎で勃ったのは――
その発言を遮るように、大志の連撃が叩き込まれる。
「スゥ――――――ッ…だぁぁあありゃあああああああAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA―――――AAAAAAAAッ―マァルゲッリィタァ!」
最期の一撃と共に全身の骨肉を粉砕された隼人は、地面にてその肉体が崩壊。絶命した。
「残念だったな。俺はノンケだ。
仮にゲイに犯されようモンなら最悪殺人犯にでも成り下がらァ」
次回予告
大志「どうよ!?俺、脅威の復活だろ?あそこでエヴァ姉さんに続く第二の死者になっちまうって、誰でも想ったよな!?
何?『そんな展開くらい読めた』だと?
…そうか……まぁいいや…。
次回『明地長閑、本領発揮』…明地って誰だ?」