第4話「裏切りのスコア」
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
第4話では、レンと親友シンジの関係が動き始め、物語に新たな緊張感が生まれます。
二人の間に交わされる言葉を通じて、レンの心情や葛藤を丁寧に描写できるよう努めました。
至らぬ点もあるかと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
冷たい雨が降りしきる夜、僕は薄暗い路地を慎重に進んでいた。
逃げる身である以上、誰も信用できない。
けれど、心のどこかで信じたい気持ちがあった。
「レン、君は本当に“完璧”なのか?」
突然背後から響いた声に、僕は咄嗟に振り返った。
そこに立っていたのは、かつての親友、シンジだった。
彼の目は複雑な光を湛えていた。
「君の正義スコアは高すぎる。だからこそ、君はこの世界の“歯車”に過ぎないんだよ」
シンジの言葉に、僕の胸が締め付けられた。
僕はずっと、自分の正義が間違っていないと思っていた。
でも、彼の言葉が心のどこかで響く。
「世界は、数字で管理されている。僕たちはただの数値に過ぎないのか?」
その時、携帯端末が震え、また新たなメッセージが届いた。
「君のスコアは下がり続けている。反逆者として処理が始まる」
逃げるだけじゃない。僕は戦わなければならない。
誰かのためじゃない、自分自身のために。
「信じるものが何か、もう一度見極めるんだ」
シンジの言葉を胸に、僕は決意を新たに歩き出した。
正義の意味を、自分の手で掴み取るために。
読んでいただき、心から感謝いたします。
今回は友情と裏切り、そして正義の意味を改めて問い直す内容となりました。
レンの揺れる心が、少しでも読者の皆さまに伝われば幸いです。
これからも物語を丁寧に紡いでいきますので、引き続き温かく見守っていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。