第15話「届かぬ声、届く想い」
今回もお読みいただき、ありがとうございます。
第15話では、「ジャスティス・ログ」を通じて、声なき声が少しずつ社会に響き始める様子を描きました。
ただ届かない声もあり、社会の圧力がその輪を狭めようとする中、仲間たちの絆と信念が試されます。
どんなに小さくても、想いを届け続けることの意味を感じ取ってもらえたら嬉しいです。
ジャスティス・ログは、まだ小さな存在だった。
だが、その声は確かに増え続けていた。
匿名の人々が、自分の思いを言葉に乗せて発信する。
そこには、政府の監視を恐れ、誰にも言えなかった小さな願いや怒り、そして希望があった。
「みんな、どこかで繋がってるんだ」
ユナは画面を見つめながら、つぶやいた。
「でも、まだ足りない。届くべき人たちに、まだ届いてない」
一方、政府は「ジャスティス・ログ」の存在に気づき始めていた。
情報統制局は動き出し、ログを監視し、時には書き換えも試みる。
「このまま放置すれば、社会の秩序が崩れる」
幹部の一人がそう告げる。
レンは焦った。
自分たちの想いが、無力な声に変わってしまうのではないかと。
「僕たちの声は、どうやったら届くんだろう」
シンジは答えた。
「届かなくても、届け続けることが大事だ。
希望は、一度消えても必ず蘇るものだから」
そんな中、ハルカが言った。
「私が直接伝えられたら、少しは違うかもしれない」
レンたちは考えた。
彼女の“AIと人間の間にある存在”という特異性が、未知の可能性を秘めていることを。
「よし、ハルカ。君が声になるんだ」
新たな一歩を踏み出した彼ら。
小さなログの向こうに広がる未来へ向けて、声は再び震えながらも響き始める。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
声は時に届かず、消されそうになることもあります。
しかし、それでも声をあげ続けることが、やがて大きな力になると信じています。
今回、新たな可能性を秘めたキャラクター・ハルカも登場しました。
彼女がこれからの物語にどう関わっていくのか、ぜひ楽しみにしていてください。
次回もどうぞよろしくお願いします。