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ファンタジーレコード  作者: 夜桜日々哉
物語の火蓋は切られた
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第八頁 決断

本日三話更新予定です。これは三話目です。これにて本日の更新は終了となります。

「へぇー、ヴェルヴェット、ね」


 トキメラは、ミルクティーをカップに注ぎながらそんな反応を示した。


 目が覚めた時、既に時刻は十時を回っていた。お腹も別段空いていなかったため僕は、お風呂だけ済ませてトキメラと一緒にミルクティーを飲んで寝ることにしたのだ。


 事の一部始終を説明する。ヴェルヴェットのこと、そしてそいつがパラメラを誘拐して食べようとしていたこと、僕が魔法を使えたこと、大まかに分ければこの三つだ。その全てに対してトキメラは、興味深そうな驚きを見せた。


「見たことも聞いたことも会ったことも無いやつだったよ。間違いなく人食ってる、そんな目してた」


「はは、まさか。けど今日の一件で君に恨みは持ってるだろうね、最後にそんなこと言ってたし」


 トキメラは、ミルクティーを注いだカップ二つをテーブルの上に置くと、すぐに自分のミルクティーを口に含んだ。


 その匂いを嗅いだのか雰囲気で分かったのか、机の下からパラメラがひょっこりを顔を覗かせる。ぴょんぴょこ飛び跳ねて前足をかけようとしては落ちていく、そんな様を繰り返しながらパラメラはミルクティーを眺めていた。


「あーはいはい、パラメラはこっちね」


 そんなパラメラの様子を見てトキメラがパラメラ用のモンスターフードを机の下に用意した。パラメラはすぐさまがっつく。


「もしかしたらその内復讐にきたりしてね」


 僕は笑いながら冗談まじりにそう言った。優雅に香りを楽しみ、ただ談笑しているかのようにミルクティーを口に含もうとする。


「あー、有り得るだろうね」


「……まじ?」


 僕は、ミルクティーを飲もうとしていた手を止め、カップをそっと机の上に戻した。睨む……という感じではないのだが、なんだかこう、心の底を見透かされているような目つきでサラッと言われたものだから、不覚にもドキッとしてしまった。


「そのヴェルベッドってやつにとっては、パラメラはただの食料なんだろ? けれどそこがミソでね、たかが食料、されど食料さ。食べ物の恨みは怖いぞテトラ」


「けどたかが一回獲物捕らえるチャンス逃したからって」


「それに、君は制服を見られたんだろ?」


「あっ、あー……」


 苦笑いで乗り切ろうとしたのが、完全にまずい思考が頭を過ぎり笑えなくなってきた。そうか、特定できるものは揃っているのか。


「ちょっとまずいかもね。……ま、そんな話は一旦おいといてだ」


「何?」


 場の空気を一変させるように、声のトーンを変えながらトキメラは手を叩いた。表情も少し穏やかになる。


「学校、どうする?」


「……」


 トキメラのこの発言は、決して学校を辞めるだとか、行かないだとかの提案ではない。どちらかと言えば進むべき道、進路の話だ。


 第一イルミナ魔法学校では、卒業の仕方が二種類ある。一つは、六年間の課程を修了すること。もう一つは、基本的な魔法、つまり付与魔法が扱えるようになった段階で仮卒業とし、冒険者として国の外に出て偉業を達成すること。


 魔法学校に通う者の多くは、国に仕える騎士か旅する冒険者のどちらかを目指す。二つある卒業方法は、いわば六年間基礎から応用までびっしり学ぶ騎士コースか、基礎を学んでからは独学で冒険していく冒険者コースとも言えるのだ。


 もちろん過程を修了してから冒険に出る人も居るが……。さて、僕はどうしようか。

ここまで読んでくださりありがとうございます!


今回のお話はお楽しみいただけましたかね?

読者の方々が「ひゃっほーい!!!!!!!」と声を大にして叫べるような作品を志してどんどん投稿していくので、楽しんでいただけたのであれば幸いです。


まだまだ字書きとして未熟な者ですが、レビューやコメント、ブックマークをしてくださると、活動をしていく際に大変励みになります。

是非よろしくお願い致します!



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