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5:キャベツの未来を賭けた決戦


「ハハハハハ! これが闇キャベツの力だ!!!」


漆黒のオーラを纏い、ザバが変貌した姿――キャベツ魔王が咆哮する。


その手には、邪悪なエネルギーを放つ大剣カオスキャベツブレード


「フン……この剣の力、受けてみるがいい!」


ザバが一閃すると、黒い刃の衝撃波が俺たちに向かって飛んできた。


「くそっ、避けろ!」


リーファと俺は咄嗟に飛びのいたが――


ズガァァァァン!!!


背後の壁が粉々に砕け散る。


「……マジかよ。あんなの食らったら即死じゃねえか」


「怯えてる暇はないわよ、一真!」


リーファが剣を構え、ザバに向かって突進する。


「はぁぁぁ!ジュリエンヌ・スラッシュ!」


リーファの必殺斬撃が炸裂!


――だが、


ガキィィィン!!!


ザバは軽々と剣を受け止めた。


「その程度か……?」


「なっ……!?」


リーファの剣を弾き返すと、ザバは拳を振り抜いた。


ドガァッ!!


「がはっ……!!」


リーファが壁に叩きつけられ、崩れ落ちる。


「リーファ!!」


「くっ……強すぎる……!」


「フハハハ! お前たちに勝ち目はない!!」


ザバが再び大剣を振りかざし、俺たちに止めを刺そうとする。


「くそっ……このままじゃ……!」


俺は歯を食いしばり、今覚えた最後の希望に賭けることを決意した。


「ポチ、行くぞ!!」


「ポチィィィィ!!」


俺はスキルを発動する。


「キャベツ探知・覚醒!!」


ピキーン!!


スキルがフルパワーで発動し、この空間に眠る最後のキャベツの存在が浮かび上がる。


それは――細切れにされた竜王キャベツだった!


「そこか!!」


俺は急いで魔法陣の側へと駆け寄り、ポチを放り込んだ。


「ポチ、全力で食べろ!!」


「ポチィィィィィ!!!」


ポチが輝きながら高速で竜王キャベツの破片を食べ始める。


一瞬、ポチがレインボーに輝いた!


デデデ、デッテデーン!


ゴゴゴゴゴ……!!!


「な、何が起きている!?!」


ザバが驚愕する中――


ズオオオオオオ!!!


地鳴りと共に、巨大な影が現れた。


――キャベツドラゴン!!


その全身はエメラルドグリーンに輝くキャベツの葉に覆われ、口からは神聖なキャベツブレスを放つ。


「グオオオオオオ!!!」( キャベツの香りがする)


「なんだこれは……!? こんな存在がいたのか!!?」


ザバが後ずさる。


「お前の好きにはさせねえ……! これが俺の奥義だ!!」


俺はキャベツドラゴンの背に飛び乗る。


そして――


「キャベツ・テンペスト!!!!」


「ポチィィィィィ!!!」


ポチが吠えると同時に、空間全体を包むほどの巨大な緑色の嵐が発生!


「グオオオオオオ!!!?」


ザバがその嵐に飲み込まれ、全身の装甲が剥がれていく。


「馬鹿な……俺が……こんなキャベツごときに……!!!」


バゴォォォォン!!!


壮絶な爆発と共に、ザバの身体が砕け散る。


――そして、嵐が収まった時、


そこにいたのは、力を失った男、ザバのなれの果てだった。


「ば、馬鹿な……俺が……敗れるとは……」


「キャベツをなめんなよ……」


俺はそう言って、ザバに背を向けた。


そして――


王国に魔力が戻った。




エピローグ


王都の復興が始まり、王女リーファは俺にこう言った。


「一真、魔法騎士団長にならない?」


「断る」


「即答!?!?」


「俺には……まだ探すべきキャベツがあるからな」


リーファは呆れながらも、笑みを浮かべた。


「本当に……バカなんだから」


――こうして、俺の旅は続く。


未知のキャベツを求めて。


(完)



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