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ブータレスト共和国

挿絵(By みてみん)

↑同国の国旗



ブータレスト共和国(羅:Republica Butterrest)


<概要と地理>

 国旗は黄色・紫・赤であり、それぞれ満ちた月の色、魔法使い(の伝統色)、流れ出た血の色を表す。

 

 世界最大の魔法使い国家であり、人口のほぼすべてが魔法使いである。首都は「フロレストラウ」である。

 この国は24時間のうち、18.8時間が黄昏〜夜であることから、1日の日照時間が少なく、農作物が生育しにくい。そのため、野菜などの畑作食物はほぼすべてを輸入に頼っており、最大輸入品目は農作物となっている。その一方で月光を光合成に使用する固有種もいくつかあり、「月光かぼちゃ」はこの国の名産品となっている。また、1日の大半が夜であることから、夜行性動物が常に活発であり、「フロレアコウモリ」といった固有の夜行性動物も多く生息し、これらの動物が伝統的に食されている。


 この国は良質な霊脈が複数通っており、国そのものが魔力を有している。特に「モントペア山」は世界の魔力の源とも呼ばれており、山そのものが神体として信仰されている。

 良質な霊脈が複数存在することから、高度な魔術詠唱の成功率が高く、禁忌魔法である蘇生魔法(1)の成功率も比較的高い。

 また、良質な霊脈は高品質な魔術具原材料を産出するが、この国で産出する魔術具原材料は世界最高品質を誇り、その高品質な魔術具原材料やそれを加工した魔術具はこの国の最大輸出品目となっている。国内にも老舗の魔法具屋やワンドショップが多く立ち並び、国内外の魔女で賑わう。




<国民>

 この国の国民は暗闇でもものが視認できる特殊な細胞を持つほか、暗闇に対する耐性が非常に高いため、視覚を遮断されたとしても恐怖を感じることがないという傾向にある。また、通常の人間や魔法使いとは異なり、月光を浴びることによってサーカディアンリズムを調整している。

 しかし反対に日光アレルギーや日光恐怖症の発症率が高く、国家単位の慢性的な緑黄色野菜不足も相まって、くる病やビタミンB欠乏症、うつ病などの発症率が高い。

 この問題に対して「国家保健局」は日光がある時間における活動や野菜中心の食生活を呼びかけるなどしているが、「全国魔女連盟(魔女連)」は「伝統的な魔女像を破壊する行為」として抗議している。




<交通>

 世界初の全魔力駆動式高速鉄道である「魔女特急(ウィッチエクスプレス)」がある。これは全ての動力を魔力とする高速鉄道であり、最高時速は270キロである。「フロレストラウ」「魔女議会所前」「フロレアバザール」「モントペア登山口駅」などを結ぶ。総走行距離は2570kmであるが、現在、近隣諸国まで延伸する計画が進められており、今後も総走行距離は延びていくだろう。




<妊娠と出産、およびそれに付随する社会問題>

 この国では種族・性別に関係なく、子供を授かることが可能であり、魔法使いや獣人の起源はこの国であると考えられている。

 国内における男性オスの出産率は2.5人であるが、理論上、種族的に出産が不可能な種族同士であっても(確率は低いとはいえ)半ば強制的に妊娠が可能であるため、流産や死産の発生率も比較的高い。

 この国においてのみ種族・性別を超えて妊娠が可能な理由は明らかではないが、専門家は「複数の霊脈から得られる強い魔力によるもの」ではないかとしている。またモントペアを信仰する宗教集団の1つには「モントペアの神は血を好むが、特に出産に伴う出血を大変に好むため」という話が伝えられており、これと「大量出血を伴う」蘇生魔法の成功率の高さなどとの関係が指摘されている。


 世界中から子供を望むカップルや家族が訪れるため、産院や助産所、産褥期のショートステイが可能な施設などが多く、出産するための環境が整っている。

公的機関の他にも出産前後の身の回りのサポートや出産後の不安を相談できる民間団体も多くあり、その中でも「婆協会」は古くから実績があり、政府が指定する重要民間機関となっている。

 一方で人口に対して保育園や幼稚園、小学校などは少なく、人気な保育園や幼稚園などに関しては待機児童が発生することもしばしばある。これに対して政府は「妊娠・出産のための一時的人口が多く、恒常施設としての保育園、小学校等の設置は慎重にならざるを得ない」と回答している。(第3048回通常国会質疑応答)

 また妊娠のしやすさから、捨て子問題が深刻化しており、過去には違法な人身売買グループが捨て子を攫って魔法薬の原材料や実験試薬として取引するという事件(2)や国内最大の魔法薬製薬会社が子供を約240組のカップルから買取り、魔法薬の材料(3)として利用していたことが発覚する事件があり、早急な対応が迫られている。


 ブータレストでは赤ちゃんは産まれてくる前に精霊と共に家族のもとに遊びに来るという言い伝えがある。そのため、子供を授かりたい場合は夜、窓辺に精霊が好むラム酒入りホットミルクを置くと良いとされる。




<「魔女」の呼称の問題>

 慣習的に名詞や形容詞などに「魔女」という語が使われているが、性別は限定していない。そのため、「女の白魔女」といった表現となることもある。ただ、近年では男性も包括した語である「魔法使い」が使われることも多い。


 かつては病気の治癒や防御系魔法などを得意とする「白魔女」と相手の不幸成就やトラップなどを得意とする「黒魔女」という区分が存在した。しかし、「黒魔女」は他人に危害を与える魔法を得意としたことから危険視されており、収容施設への隔離や公的機関の利用制限などの差別思想へと繋がった。

 現在ではこの区分は撤廃されており、公的機関の利用制限などは無くなっているが、一定の年代から上の世代では未だに差別意識が残っており、首相選挙などでは白魔女の当選率が高くなっている。




<外交>

 ヴィッセンシャフトとは医学分野において協力関係にあり、お互いに公費留学生も多い。

 数年前、一時的に捨て子の報告数が激減し、国家予算の臨時的収入が増えた年があった。その際、秘密裏に検体として捨て子をヴィッセンシャフトに売却したのではないかという疑惑が浮上した。しかし、実際はその年の出生率が平年より低かったこと、国有地に自生していた樹齢432年(推定)のブナの木を伐採し、それを魔法の杖の芯材として売却したことが要因であり、まったく偶然の出来事であった。

註釈

 (1)文字通り死者の蘇生をする魔法である。これを使用するためには触媒として魔法詠唱者の血液の約90%が必要になる。大量出血を伴うことから、自分の命と引き換えに被魔術使用者の命を呼び戻す魔法とされる。自然の摂理の誤差の範疇で自然の摂理を曲げることを魔術とする魔術協会では「世界の理を逸脱した行為であり、ヒトの手に余る技術」として禁忌魔法に指定している。蘇生対象が人間年齢で7歳以下の者である場合、成功しない。また、対象は生物に限る。

 (2)大規模に組織化された人身売買グループによる凶悪事件であり、組織の末端の構成員には捨て子もいた。組織を指導していた主犯格グループは日本円で4億円の利益を得ていたとみられる。現在、関係者は全員逮捕・起訴されているが、このような事件は多い。

 (3)一部の魔法薬には材料に「子供の涙」や「子供の泣き声」、「7歳以下の人間の腎臓」などが利用されていた。これらは指定添加物あるいは指定触媒であり、使用には政府の認可が必要となる。また、通常、これらの材料は政府指定機関からの購入が義務付けられている。今回、事件を起こした製薬会社は認可が降りていたが、仕入れ方法が違法であるとして立ち入り調査が行われた。

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