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第七話 白上スノウストーム3

【攻性遺伝子細胞】


・攻性遺伝子細胞(たんに「攻性遺伝子」ともいう)とは、あまねく生物の体内に存在する特殊な細胞のことである。

・通常この細胞は不活性化している状態で存在しており、自然に活性化されることは極めてまれである。

・この細胞が活性化した個体は、他の同種の個体に比べ非常に高い能力を示す場合がほとんどである。

・神話や伝承に登場する超常の存在や歴史上の偉人などは、この細胞が活性化したものだと考えられている。

・この細胞に起因する能力は、しばしば超能力や潜在能力、魔術などと呼ばれている。

・この細胞が活性化した人間のことを能力者と呼ぶ。



 * * * * *



 玄関のチャイムで目を覚ます。

 出てみるとそこには大五郎さんが立っていた。どうやら昨日無くしたウチのスマホをわざわざ届けにきてくれたらしい。せっかくなので、と上がってもらいお茶をお出しすると、彼の口からとんでもない言葉が飛び出してきた。


「キミ、昨日あの倉庫にいたよね?」


 そういってこちらを見えてくる彼の表情からなにがしかの感情を読み取ることはできなかった。

 一瞬ごまかそうかとも考えた。けどオトンの部下、つまり刑事である彼をあざむくのは骨が折れそうだったので、ここは素直に首肯しゅこうする。


「あの・・・もしかしてウチ・・・捕まるんでしょうか?」


 これは予想外だったようで彼の表情が動く。


「まさか、あれをやったのって・・・キミ!?」

「おそらくは・・・」


 ウチは駆け引きというものがあまり好きではない。なのであの晩に起こったことについて知っているかぎりのことを話した。もちろん彼女のことは極力はぐらかしながらではあったが。



 * * * * *



 事のあらましを聞いた大五郎さんは、大きく息を吐き天をあおいだ。

 そりゃそうだ。いきなり謎の力に目覚め倉庫を爆破しました、なんていう与太話よたばなしをされたら誰だってこんな反応を──


「キミも能力者・・・だったとは・・・」


 ですよねー。信じろというほうが無理あり・・・って、えっ!?

 あっさりと受け入れられるどころか新たなワードまで飛び出してきたことに、陸に打ち上げられた魚のように口をパクパクとさせていると、彼は訥々とつとつと話しはじめた。ウチが知らない多くのことを。

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