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第三話 香具師と瘡

 気がつくとあたりは深い霧におおわれていた。しっとりと水気をはらんだ制服の重さが、長い時間この場にとどまっていたことを教えてくれた。そのヒンヤリとした感触のお陰で、突然の状況にもパニックを起さずにすんだ。

 こういう霧の濃い日には決まって誰かがいなくなる。

 今朝のニュースのことを思い出したウチは、人気ひとけのないこの場所から一刻も早く立ち去ろうと立ち上がり──


「動くな」


 背後から静止の声がかかり、続けざまになにか硬いものが後頭部に押し当てられた。

 本日二度目の突然の状況に今度こそパニックになったウチは、あわれ頭から袋を被せられるとどこかへと連れ去られてしまった。



 * * * * *



「ありがとうございます、えーっと・・・きず・・・さん?」

「いや、オレは香具師やしの方な」

「あっ! ご、ごめんなさい・・・」


 先ほどからなごやかな会話が続いている。

 どうやら男性1名女性3名と一緒に車に乗っているらしい。運転は香具師と名乗る男性が担当しているようだ。それにしても・・・

 袋を被せられる以外は手足の拘束もなければ、こうして個人が特定できそうなおしゃべりも聞こえてくるという、なんとも緊張感のない状態でしばらく揺られていると目的地に着いたらしく車から降ろされた。

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