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【2/15 書籍3巻発売】お狐様にお願い!~廃村に残ってた神様がファンタジー化した現代社会に放り込まれたら最強だった~  作者: 天野ハザマ
第七章

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お狐様、視線を感じる3

「勇者……のう。あまり親しいわけでもないんじゃが」

「ええ。存じています。ですがまあ……彼は日本にあまりいなかったりするので。交友関係も著しく狭く、ちょっと誰かと行動するとすぐ邪推されがちなんですよ」


 真野さんも以前そういうことがありました、と言う青山にイナリは「なんとまあ」と返すしかない。


「本人が悪くないことは分かるから責められはせんがの」

「そうですね。とはいえ本人も結構雑な性格をしてるので隙は多いんですが」


 まあ蒼空のことはさておき、そういった可能性もある……という話であるのはイナリは納得できる。連中の発言にもイナリを狙った理由を思わせるものがあったからだ。


「まあ、それはええ。それよりも連中、儂をあいてむ頼りだと言っておったが……」

「そういう風に見えるのでしょう。実際、性能の良いアイテムを纏うのが覚醒者の基本ではありますし。特に急速にランクを上げた狐神さんであれば、なおさらそう見えるのでしょう」

「そうだとして、やはり誘拐とは繋がらんのじゃが。目的は何なんじゃ?」

「それについてはまだ予想になりますが『勇者』関連ではないかな、と。狐神さんを誘拐し蒼空さんをおびき寄せる材料にするつもりだったのだと思われます」


 なるほど、理解はできる。できるが……イナリは呆れたように頬を軽く掻く。その作戦には、肝心なところが抜けている。


「おびき寄せて……どうするんじゃ? 殲滅されたいのかの?」


 イナリの見る限り、『勇者』蒼空陽太は、今まで会った覚醒者と比べても極めて上位の実力を持っていた。ただの人間が集まったところで、素手の蒼空相手にボコボコにされるのは間違いない。そんな相手をおびき寄せてどうしようというのだろうか。


「そうですね。ハッキリ言って意味はない。ない、ですが……あるいは『殲滅される』映像を覚醒者という危機とかいう旗を立てて世論を煽ろうとしていた可能性もありますね」


 それも然程意味があるとは思えないのですが、と呟く青山にイナリは「そうじゃの」と頷く。実際、そんなものは覚醒者協会の発表1つで「なんだあいつらが悪いんじゃないか」で終わってしまう話である。世間的な信用というものが段違いだ。


「あるいは、蒼空を倒せると思えるような何かを持っているとか……かのう?」

「そんなものがあるとも思えませんが……まあ、そう勘違いするような何かを手に入れたという可能性はありますか」


 それはアイテムであるかもしれないし、未登録覚醒者が何か強力なジョブに目覚めた可能性もある。


「まあ、何も分からんということじゃな」

「申し訳ありません。ですが、今回の事態が解決するまでは狙われ続ける可能性があるということをお伝えしたく。それに伴い、警護課の人間をまたつけさせていただきたいと思うのですが」

「うむ、任せるのじゃ」

「ありがとうございます」


 青山が合図をすると、2人の女性が部屋に入ってくる。1人は黒髪のベリーショートの気の強そうな人物だが、もう1人は少しウェーブがかった金髪と青い目が特徴的な少女であった。どちらも動きやすそうな装備を身に着けているが統一性があり、恐らくは制式装備なのだろうことが分かる。


「警備部警護課、山口里香です」

「同じく警護課のニコル・スズキです。どうぞよろしくー♪」

「何かあったときの対処のために女性職員から選抜しました。勿論、2人とも優秀です」

「うむ、よろしくのう」


 里香もニコルも、背中に剣を背負っている。2人とも近距離系のジョブなのだろうが、やはり警護という仕事はそういったジョブが優先されるのかもしれない。


「ところで警護がつくということは、しばらくは外出を控えたほうがいいのかのう?」

「普通であればそうお伝えするのですが」

「む?」

「狐神さんの場合は、そんな心配も要らなさそうなので好きに行動なさってください。むしろ成功体験を与えないという意味では、その方が良いかもしれません」


 脅せば行動を控えるというのは、それだけで相手側からすれば「成功」であるのは間違いない。それでも万が一を考えればそうせざるを得ないのだが、対象がちょっとやそっとでは怪我1つしそうにないイナリなのであれば話は違ってくる。むしろ「そんな脅しに意味はない」と強いメッセージを与えることが出来る可能性もある。


「勿論、外出されないというのであれば、それでも大丈夫です。協会としては、行動を縛るようなことは致しません」

「物は言いようとはいうが……まあ、ええ。要は儂を囮に何か引っ張り出せればそれはそれで良し、ということじゃろ?」

「いえ、決してそのような」

「構わん構わん。警護もつけてもらったしのう。踊ってみようではないか」


 外出をしばらく取りやめて、いったん諦めたように見えてもそれは諦めたわけではない。むしろ「いつまた同じような状況になるか分からない」といったような状態になるだけだし、イナリをどうにかしたいと考えているのであれば今度はイナリの交友関係に手を付ける可能性がある。それは……少しばかり許せないのだ。


「何が潜んどるかは知らんが……こういうのは根っこを丸ごと引き抜くに限るからのう」

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― 新着の感想 ―
今回のと同じくらいの質ならいくらこようがイナリちゃんにとっては脅威ではないしなぁwww
[一言] ダンジョンに全人類を覚醒者にしないと破壊するって言えばやるかな
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