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「サクラサク♡青春のすべてを労う僕ら」

作者: もち

「サクラサク♡青春のすべてを労う僕ら」


 庭園+騎士+鍵


 桜咲く3月──受験シーズンでテストで一夜漬けばかりして無理な勉強を続けていた僕は何とか高校に合格することが出来た。


 今までとても辛い学校生活を過ごしていたような気のする僕は高校の表玄関に張り出された自分の受験番号を確認しとても嬉しい気持ちになった。


 幼馴染みで家族間での親睦のあるサヤカも同じ高校を受験して合格していて今日は二家族合同でお好み焼き屋で祝賀会を開く予定になっていた。今まで非常に悩みながらテスト当日を迎えていた僕は一時ではあったが学業の苦しみから抜け出てとても気楽になっていた。


 大学へ行くことはまるで雲の上の絵空事のように思っていたし良い就職先に新社会人として生活することなどその他大勢の男子学生と同じくらいに何も考えていなかった。学校の授業は全部4限目で終わっていて合格祝賀会の当日は時間的にとても余裕のある日だった。


 朝、両親からこの日の18時に市内にあるお好み焼き店でサヤカの家族とも一緒に会食することを告げられ僕はとても嬉しい気持ちになった。


 あまりお好み焼きなどを食べる機会のない僕は授業による学校の拘束時間やテストを受けなくていいことのなどの負荷が全部なくなったことでまるで小学生の頃に感じた祭りの日の高揚感のようなとてもワクワクした嬉しい気持ちのままでその日を迎えた。


 17時半に僕は父の運転する普通自動車に乗って自宅から少し離れたお好み焼き店へと移動した。父は特に何も話をしなかったが「よかったな」とだけ言って小さく自分の進学を祝ってくれた。もちろん母もついてきた。


 店内に入るともうサヤカの家族はテーブル席に着いていた。「ノブユキ遅いよー」とサヤカは僕を見て元気に手を振った。ワクワクしながらサヤカの家族と同じのテーブル席に着いた。サヤカは嬉しそうにして「お腹減ったな☆」と僕に笑いかけた。


 周りはお好み焼きの焼けるじゅぅ、と言う鉄板から流れる音とお好み焼き生地の焼けるいい匂いが広がってザワザワした客席からの声や談笑の聞こえる心地よい空間が出来上がっていた。


 僕は親に促されてサヤカの隣に座った。サヤカはニコニコして「ノブユキは何を注文するの?」と訊いてきた。


 僕は「メニュー見て決めたいけどミックスか豚玉かな? 餅入りのお好み焼きとかも美味しそうだな☆」と楽しげに答えた。僕はワクワクしてお好み焼き生地が銀のボウルに入れられて運ばれてくるまで待った。


 お好み焼き生地が焼けるタイミングについてはサヤカの父が指示してくれた。美味しそうな匂いが立ちこめてお腹が空いて全てが心地よく感じられた。


 青海苔の美味しそうな香りと焼けた生地にかけるソースの香ばしい匂いが鉄板の上で広がってとても美味しそうだった。


 ニコニコしながらお好み焼きを食べた。高校へ進学するまでの間の勉強しなくていい時間が永遠に続くように感じていたし横で美味しそうにお好み焼きを食べるサヤカの表情を見ていると高校に進学できて本当に良かったなと心から安堵した。


 お好み焼き生地を全部作り終えて皿に載せて食べ終えお腹いっぱいになった僕はしばらくサヤカと談笑した。同じ高校を受験して合格した同級生のことや、高校に進学したらバイトとかするの? とか先のことについては何も心配していなかったが、ニコニコして新しく進学する高校のことをサヤカとしばらく話した。


 サヤカはバイトしてお金を貯めるの楽しそうだよね、とか私はスーパーでバイトしたいかな、とか漠然とした自分の今後と将来設計についてほんわかと明るく楽しげに会話した。一通りちゃんとは出来なかったが3年間学業に励む期間を終えてお互いの心に充実した明るい気持ちが広がっていた。


 勉強はキチンとはしなかったが一応サヤカも僕も勉強から逃げなかったのだった。それは当たり前のことだけれど誇りにしていいことだった。まだ若かった僕には勉強する理由とかキチンと分かっていなかったが友だちと一緒に代わり映えのしない日々を過ごすことにもいつか終わりが来ることを知った。


 日々をやり過ごして生きることでこうしてみんなと一緒に進学することにつながるのだから辛い日々から逃げずに毎日登校するだけでも僕もサヤカも他の人々も十分偉いとその時は感じなかったが生きているだけで人間は尊いと今にして思う。


 帰り際に僕は一言サヤカに「お互い頑張ったね。おめでとう」と彼女の今までの学校での日々を労った。サヤカは「うん。ありがとうね」とふわんと明るく笑った。


 一人の人間の抱えている気持ちって見えないだけできっと氷山のようにとても深く大きな根を張っているんだろうな。本当の気持ちとか愛情って地の底で逆さ吊りにされて誰とも交流できないのだろうか?


 大切な幼馴染みに今日決してかわりの利かない耐えるべき時を一円にもならないけれど僕は言葉で労った。人の命はお金では買えないけれど日々を労う元気で明るい言葉があれば人はどんな日々もやり過ごすことができる。


 優しくて元気な素直な気持ちで、まるで明るく爽やかな朝の時間のように僕はサヤカや他の人々をこれからも迎えようと思う。


──大丈夫。生きているだけで君は素敵だから♡


(おわり♡) 

自分も受験生だったのであの頃の気持ちを思い出して書きました_φ(・_・♡

受験お疲れさまです^_^

あの頃の気持ちを思い出すとみんなすごいと思う❤

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