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一貢で語れる日本昔話  作者: ナンプラー
7/10

第七話

 それは昔、都に住む大臣と、その娘に訪れた出来事です。

 三条の都に住む大臣にはそれはそれは可愛く育てた一人娘、春姫と呼ばれる美人がいたのです。


 その娘が末長く生きるように、清水寺へ護衛を付けて参拝しました。

 寺について礼をし、大臣達は祈ります。


「娘が元気でありますように」


 一礼を終えたその直後、背後から女性の悲鳴が聞こえました。

 なんと鬼が人を遅い暴れているではありませんか。それも一匹等ではなく数々の色の鬼どもが有象無象とはびこり人々を襲います。


 これには思わず大臣達も驚きます。


「おうおう、そこにいい女がいるな。蹴散らして連れ去れ!」


 大臣は護衛に春姫を守るように伝えます。

 しかし部下達は恐れて腰が抜けたり、逃げ惑います。窮地(きゅうち)に陥った春姫達。ここまでかと脳によぎります。そして鬼は春姫に手を伸ばします。


 その手の前に現れたのは錫杖(しゃくじょう)を持った一人の法師でした。


「何だお前は?!」


卒爾(そつじ)ながら切らせて頂いた」


 錫杖の柄から覗かせた刃がチャキっと音を立て納刀すると、手を伸ばした鬼は背後を見ます。

 すると背後にいた鬼達は微塵切りにされ臓物を晒しました。


「何?!」


 言葉を吐いた鬼も血を吐きながら爆散しました。


 呆気に取られた大臣達に春姫に近寄る法師。

 そして、


「よ、よければ……(それがし)とお茶でも飲みませぬか?」


 頬を染める法師に仰天の大臣、そして「はい」と答えた春姫に清水寺はえらいこっちゃなことで。


 その後、なんやかんやで大臣の家人になった法師は最短で春姫と結婚し、一瞬で幸せを勝ち取りました。






第七話 「一瞬法師」

 ー完ー

 

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