氷の魔女と色欲
ああ、寒い寒い。
とっても寒い。
この世の冷たさに血の気が引いてしまう。
皆 隣の人が困っていても知らんぷり。
まったく熱をかんじられないわ。
このまままでは、身も心も凍てついてしまうわね。
でも幸せでしょう?
寒いからこそ、ぬくもりを知る事ができるのよ。
この世には、永久凍結牢獄という場所があるんだけど。
悲恋に涙する恋人達はみんなそこへ集まってくるのよね。
きっとみんな、あたたかくなりたいからね。
この世の中が冷たくて、どこも寒いからいけないのよ。
きっとそんな世界で生きてたら、身も心も凍り付いてしまうわ。
だから、悲恋に涙する者達は、ここに来るの。
氷の魔女が作った、牢獄に。
ここなら永遠に互いを愛せるわ。
ここでなら、愛する事だけできるのよ。
だって、ここ愛する二人が一緒におててをつないで凍りついてしまえば、誰にも引き離されることがない。
ここなら永遠に、互いのぬくもりをかんじていられるもの。
でも私だって、寒いのは嫌だから、たまにはあなた達の間であたたまらせてね。
ああ、あたたかい。
ぴっとりとくっつけばより深く、情熱的な熱を感じられるわ。
人の物をとるな?
それなら、世間の人間と変わらないだろ?
私は彼等とは違うわよ。
だって私は誰か個人を羨んだり悲願だししない。
だから、違うの。
私の物にしてとるんじゃなくて、元からそのままを愛していただけ。
だって、私ずっと皆が好きなんですもの。