イケメン教師
噛みまくりの自己紹介を終えた。
パチパチと拍手の音が聞こえ、顔を上げる。
そこには、20人ほどの教師達がおり、笑顔で迎え入れてくれた。
なんだか、思っていたよりも温かい雰囲気かも?
先程の初老の教師が、拍手を止めてこちらを向く。
「挨拶がまだでしたね、私は学園長のピエールです。」
…が、学園長?!あぶない、主任くらいかと思ってた。
「よろしくお願いいたします!!!」
「では、マリー先生には初等部Eの2組を担当していただきます。まだ、わからないことも多いでしょうから詳しいことは……レオナルド先生。」
そう言って、学園長が呼んだのはガタイの良く若い男性。
キリッとした眉、通った鼻筋、青っぽい瞳。
歳は…容姿を22歳で合わせてきている私より2、3個上かな?
顔がいいから若く見える。
歳の近いイケメン、これは楽しみになってきた。
「マリーです、よろしくお願いします、レオナルド先生!」
「よろしく、そんなに緊張しなくてもいいぞ。」
ど緊張の私を落ち着かせてくれようとしたのだろう、
レオナルドは、私の頭にポンポンと手をのせた。
「……っ!!!!!」
意識したわけではない、そう、驚いただけで…!!!
落ち着け私、落ち着け!!!!!
そんな願いとは裏腹に、みるみるうちに顔が赤く染まっていく。恥ずかしくなり、視線を床に落とした。
レオナルドも顔色の変化に気がつき、つられて少し赤らむ。
「わ、悪い!お前と同じくらいの妹がいてな!!8個下で随分可愛いがってきたんだ…だから、つい!!!」
ついじゃないでしょ!!
そう思いながらも、恥ずかしさから、私はコクコクと頷いてその場をやり過ごすのがやっとだった。
なんとか落ち着き、レオナルドは学園を案内してくれることとなった。
「そういえばレオナルド先生は、何年くらいここに?」
「んー…妹がお前と同じで、今年社会人になったんだ。だから…8年になるか。」
へ〜8年か、結構長い…ん、?
「え、ってことはレオナルド先生って30代?!」
「まぁな、丁度この間30歳になったところだな。」
「わ、若く見えるって言われません?」
「失礼だな、まぁ、お前らくらいの子からしたらオッサンかもな〜…」
レオナルドは、苦笑いをしつつも、しっかりとレオナルド自身のこと、そして初等部の教室の案内をしてくれた。
自虐で少し寂しそうな横顔は、やっぱりイケメンだった。