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無口な西洋人形  作者: 鎌勇
6/6

番外篇.たかがドール、されど人形

 西洋人形と言えばどんなイメージが最初に浮かぶだろうか。呪い、骨董品、あるいは女の子の玩具など考え方は各々で異なるのだろう。そして本文(ここ)では、人形と関わり人生が僅かでも変化した者達について順を追ってみていく。

 一人目は、誕生日に父から西洋人形をプレゼントされた少女。彼女は、結果論からして人形と出会っていなければ交通事故という原因により亡くなっていたかもしれない。

 二人目は、公園にて妹からどんなにねだられても決して人形を持ち帰ろうとしなかった姉。ある日を境にして彼女の家で起こるようになった怪異。深夜、姉が妹の部屋に行くとそこには面識のない金髪の少女がいた。だが、その少女はどこか以前に公園で見つけた人形に似ていたらしい。そんなこんなで姉は公園に放置されていた人形を持ち帰る。突如として人形との新たな生活が始まった姉、今後のことは誰も知る由もない。

 三人目は、この世に生を享けた時に祝い兼土産として祖母から人形をもらうことになった少女。年月が経ち、彼女の祖母が亡くなった一カ月前のこと。少しずつ人形に異変が起こり始めるが、心優しかった祖母が極楽浄土へと旅立つと人形による不可解な現象は無くなっていた。こうして人形との不思議な(かか)わりを通した少女は、今後ますます人形との密接な関係を築くようになるのかもしれない。

 四人目は、幼くして亡くしてしまった娘の代替として人形を自分の娘にしてしまった男性。結果として、その男は人形により直接的でないにしろ殺されたといってしまってもよいのかもしれない。人形(むすめ)を溺愛したが(ゆえ)に盲目となり、周囲の状況が一切見えなっていたがために引き起こされた不慮の事故なのかもしれない・・・・・・。


 最後に、今回登場した人物らについてだが、彼らは人形と何らかの関係、(えにし)さえ築くことがなければ、ごくごく当たり前の代わり()えのしない日常を送ることができたのかもしれない。   

 (むし)ろ、人形たちに出会えたことで、人生という名の天秤が良い方向に傾くきっかけになったのかもしれない。


 彼らのように、人形、ヒトならざるものとの数奇な出会いを通じ、運命や人生に変化が起きる――すでに起こった者達がまだどこかにいるのかもしれない・・・・・・。


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