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第17話 両親や兄妹に愛人と子どものことを話した後、周囲に謝罪して回りました。

「ところで、篠田りつ以外の女性2人とは、どういう関係から子どもが産まれたのだ。お前の口から詳しく聞きたい」

 父からそう聞かれた僕は、かいつまんで説明をした。


 村山キクは、横須賀の芸妓で、宴席で僕達は知り合ったこと。

 そして、僕が欧州へ赴くことがほぼ決まったり、忠子との縁談が持ち上がったりして悩んでいたところを、彼女が慰めてくれたこと。

 それをきっかけに一夜限りの深い仲にキクとなったら、幸恵が産まれたこと。

(妹から、本当に一夜限りなの、とボソッと言われたが、本当なのだから仕方がない)


 もっとも、僕自身、半ば忘れていた関係で、ジャンヌの妊娠を知り、ひょっとしてキクも妊娠しているのでは、と心配になり、義父の岸三郎提督に告白したら、キクが幸恵を産んでいることが分かったこと。

 なお、キクは僕が出征していたことから、独断で幸恵を産んでいたこと。

 そんなことを、半ば思い付くまま、キクと幸恵については僕は話した。


 それから、ジャンヌ・ダヴーは、マルセイユの港街のとある酒場で酌婦をしていたこと。

(本当は街娼なのだが、流石に真実を親兄弟には言いにくかったので、少し誤魔化した)

 その酒場で気に入って、深い仲になってしまったこと。

 それを義父の岸提督に咎められ、彼女と別れることになったが、彼女は既にアランを身籠っていて、酌婦を辞めて雑役婦に転職してアランを産んだこと。

 そして、ジャンヌとアランを仏に残して僕は帰国したこと。


 アランを認知すると、僕の家の戸籍に入り、僕が親権者にならざるを得ないので、ジャンヌが親権者に成れるように敢えて認知しなかったことも、併せて僕は話した後。


 改めて、僕は親兄弟に頭を下げながら言った。

「千恵子とほぼ同様に、幸恵やアランにも養育費を支払う手伝いを、野村家からもしてください」

 両親も兄妹も、僕の言葉に溜息を吐いた。


「お兄さんの気持ちは分かるけど。そして、私の甥姪でもあるけど。流石に無理がない」

 ある意味、一番、気軽に話せる鶴子には、そうまで言われた。

 野村家云々の話になると、鶴子は何れは嫁いで、野村家から出る筈の身だからだ。

 野村家で手伝うとなると、両親や兄にそれが降りかかってきかねない。

 それにアランは認知していないし、幸恵も村山家に養子で入った身だ。

 この時代の法律に従えば、僕にこの二人に対する扶養義務は無いからだ。


 だが、僕は両親や兄妹に頭を下げて頼み込み続け、何とかこの件の了承を得ることに成功した。


 そして、僕は篠田りつを妊娠させ、千恵子を産ませた件について、会津にいる親戚や知人といった周囲の人達にお詫び行脚を、その後で行った。

 本来から言えば、責任を取って、りつと僕が結婚すべきかもしれないが、今の妻の忠子が離婚を拒絶しているので、りつと僕は結婚できないこと、それで、せめてもの償いとして、千恵子の養育費をりつというか、篠田家に僕が支払い、僕が支払えない場合は、僕の両親や兄が立て替えることになったこと、更に篠田家が自立できるように援助もする旨、そういった人達に僕は話して回った。


 周囲の人達は、僕を怒りはしたが、そうは言っても、僕の今の妻の忠子が絶対に離婚しない、と頑張っている限り、僕とりつが結婚して責任云々ということは不可能なのを認めざるを得ない。

 だから、渋々という形ではあったが、周囲の人達も、僕の話を最後には受け入れてくれた。

(それに、陰では同級生の簗瀬真琴も動いてくれていたらしい。

 簗瀬の家は、会津藩で代々家老を務めた名家だ。

 その声望は未だに陰ながら遺っていて、簗瀬家もそう言っているからという人もいた)

 それで、実家は会津に残ることが確定し、僕は少し肩の荷が下りる想いがした。

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