表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泡沫の夢を紡いで成る世界~序幕の為のプロローグ~  作者: 詩游燼
第5章 番外編~アナザーストーリー~
79/85

第28.5話 【3】ハーゼルン・オルローグの襲撃

第28.5話 【3】ハーゼルン・オルローグの襲撃


 私を見失ったと、使用人たちが騒ぎ始めだしたころ。


「大変です!オルローグの手の者と思われる軍勢がこちらに向かっています。」


「すぐに戦闘班は戦闘準備に入れ!ソア様を見つけ次第、脱出班は撤退だ!」


 どこからともなく、そんな言葉が飛び交っていた。

 そんな中、ワースと合流した私は、一つ目のギフトを開放したことによる副作用に見舞われる。

 といっても、筋肉痛の様な痛みが全身にあるくらいだった。


「お、お嬢様!こんなところに。ここは私達に任せてお逃げください!」


 使用人の一人に見つかり、そう告げられる。

 しかし、アネモネとワースを守ると決めたのだ。

 私は逃げない。


「私は逃げないわ。オルローグと対峙し、ヴァルキュリス家を守る。」


 決意を伝える。


「お嬢様……。その立派なご意志、感銘を受けました。しかしながら、私達は貴方を失う訳にはいかないのです。」


 しかし、承認はしてもらえない。

 承認を得るだけの信頼――、信頼に足る力を示さなくてはいけないようだ。


「大丈夫よ。ワースと私で撃退して見せるから。」


 そう告げて、私はワースと共に外へと出る。

 友を守る覚悟と、ヴァルキュリスの誇りを胸に秘め、信頼を勝ち取るための初陣が始まった――。






「ソア!もう来てる!」


 まだまだ射程内ではないにしろ、敵の軍勢が迫っていた。


「報復には報復を……。手加減なしで行くわよ、ワース。」


 逃げ場を無くすように敷き詰められた隊列。

 その光景に臆する気持ちは一切沸いてこない。


「右、私がやる!ソア左任せる!」


 ワースも同じ気持ちのようだ。


「わかったわ。」


 無慈悲に奪っておきながら、更に奪おうと――、否、報復を恐れての殲滅だろう。

 そんな弱腰の相手に、お母様とお父様が殺されたなんていまだに信じられない。

 そして――、到底許せるものではない――。


「お母様とお父様を手にかけたことを……、ヴァルキュリスを敵に回したことを後悔させてあげるわ。」


 包囲するほどの数を素早く削っていくしかない。

 速度は重要だ。


『マーブルショット』


 私が考えている隣で、ワースは躊躇いなく力を発揮する。

 両指がら放たれた二つの光が着弾し、包囲の一角が崩れた。


「やれる!勝てる!」


 その光景にワースは希望を見出し、次の攻撃に移る。


『マーブルショット』


 またしても命中。

 まだ射程には程遠いはずだが、力を得たワースには関係ない。

 いきなりの攻撃に焦りを見せた軍勢は急いでシールドを展開した。


「青い光……、水属性の盾ね。火属性の攻撃を緩和する効果があるわ。」


 私は両親が残したグリモアの知識から判断し、ワースに告げる。


「大丈夫!地属性は止められない!」


 その忠告をお構いなしにと、ワースは再度2色の指弾を放った。


『マーブルショット』


 赤い光がシールドで掻き消されるも、茶色い光の弾は敵兵に着弾する。

 しかし、威力は半減しているようであった。


「さっきより威力弱まっている。シールドが厄介ね。」


 私は更に考える。

 スピードと威力、その双方を持ち合わせた攻撃――、そのイメージを思い浮かべた。


「鋭く、速く、突き刺すような……、光の如く放たれる一撃を……。」


 イメージする。

 そして、思い浮かんだ光の槍のイメージを、私は具現しようと試みた。


『ヴァニッシュスピア』


 手の平に白銀の光が集まり、それは具現する――。

 光属性をイメージして、白い光を集束させたはずだったが、透明にも近い白銀色の光がそこに集まっていた。

 そして、狙いを定めて放つイメージを実行すると、それは瞬時に着弾までに至る。


「おお!ソア、その速度すごいな!」


 隣にいたワースは率直な感想を述べていた。


「……そうね。威力も速度も私の想像以上だわ。」


 イメージ通りの精霊術ではなく、その想像を超えるものである。

 力を得た喜びと、制御に対する不安が同時に訪れていた。


『ヴァニッシュスピア』


 不安を取り払い、制御も兼ねて再度放ってみる。

 敵兵は、咄嗟に闇属性の盾でシールドを張るが、対極の光属性ではない白銀の光を止めることはできなかった。


「敵の包囲が乱れ始めている。ワースたたみかけるわよ!」


 私は確信して咆哮する。

 この力があれば、敵の襲撃を防ぎ大事な友を守れると――。


 そして、お母様とお父様の仇を取ることができるのだと――。


 それらの思いを全て込め、私はワースと共に力を揮ったのだった――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ