会いたい
電話を切り、愛は顔を赤らめていた。
【あれくらいで、このあたしが何照れてる!!】
愛は顔を二回パチパチと叩く。
【・・・あいつ上手いな・・・】
ちょっとキュンとした自分に反省。
だめだ、完全に相手のペース。
・・・でもなんだろう・・・
ちょっと、会いたい。
顔が見たい。
愛は騙しきれない自分の気持ちに苦しんでいた。
【あっ!彼女と仲直りしたのか聞くのわすれた】
愛の次の戦略は、彼女との仲を一生懸命親身になり、聞いてあげ、相談にのり必死で仲を保たせようと見せかけ、徐々に別れにちかづかせると言うものだった。
【関係を切るつもりがあたし何やってんだか・・・
どっちも中途半端やん・・・】
とにかくもう一度会いに行こう。
この前は彼女がいたからなかなか発展もなく、イマイチこの先が見えなかったし・・・
愛は自分に言い訳をしている事に気付いてない。
本当は本能が叫んでいる。
【会いたい】
ちょうど昨日、綾からメールがあった。
【彼氏と別れた〜(T_T)男紹介して〜】
これを利用しよう。
愛はさっき電話を切ったばかりの智哉にメールを打つ。
最初行った時に一緒に行った、綾、覚えてる?
彼女が男紹介して欲しいって。
誰かいるかな〜?
これを会うきっかけにもっていこうと、愛は考えた。
しばらくして返信メールが来る。
了解!
俺なんかどう??
ウソウソ (笑)
いつ来る?
その日に誰か呼んどくわ!
愛は少し笑った。
俺なんかどう?・・・って、ちょっと本気のくせに。
愛は綾に連絡をしていく日を決め、智哉に伝えた。
智哉からの返事が返ってくる。
お?もうすぐやん?
また会えるな〜w
楽しみやね。
綾ちゃんならかわいいからツレも喜ぶわ〜。
愛の方が100倍可愛いけどな(#^.^#)
愛は少しニヤけてしまった。
そして返信をする。
嘘くさっ!
あたしにもイイ男紹介しろ!
すると智哉からすぐに返信がくる。
俺がおるのに?
あかん!(怒)
愛は俺のもんや(#^.^#)
愛は固まる。
【うそ臭さの満開なのに・・・
何あたし智哉を試して思い通りの返事に喜んでんだか・・・】
愛は携帯を閉じ、少し赤くなった顔を擦った。