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玉葱とクラリオン  作者: 水月一人
第二章
37/398

カッチカチやでえ

 リディア首都ローデポリスの中心にあるリディア政庁インペリアルタワー。その15階にある謁見の間で、一人の小柄な金髪の女性が頭を垂れて国王に謁見していた。言わずと知れたブリジット・ゲールである。


 彼女は子供のように小柄だったが、その肢体は驚くほどにグラマラスで、道行く男たち10人がいたら9人は振り返るだろう美貌の持ち主でもあった。軍隊に所属して飾り気のない格好をしていたが、それでも滲み出る気品はどこか高貴なものを感じさせた。因みに振り返らない一人は但馬である。


 その彼女が今、微動だにせず国王の前で頭を垂れていた。国王の手前には、甲冑を着た近衛騎士、ウルフ・ゲーリックがいて、ギラリと鋭い眼光を光らせながら、憎々しげに彼女のうなじを見下ろしていた。もしも死刑執行人であるならば、今にも首切りの斧を振り下ろさんばかりの形相である。


 謁見の間には他に誰も居らず、居るのは三人だけであり、その三人の間には何やら知れぬ緊張感みたいなものが張り詰めていた。ウルフが怒り、ブリジットが無表情で、国王が苦々しくそれを眺めている感じである。


 ブリジットは顔を上げると言った。


「陛下。陛下よりお預かりしましたこの聖剣、本日はお返しに参りました。どうぞ、今日こそはお受け取りくださいますよう、お願い申し上げます」


 はぁ~……っと、盛大なため息を吐いて、リディア王ハンスは孫娘に言った。


「ならん! ……と、そう何度も申しておるじゃろうが。そなたの気持ちはわかるが、儂はそれを許すことは出来ぬよ」

「何卒、ご理解ください。私は仕えるべき主君を見つけてしまったのです。もちろん、陛下のご威光を貶すつもりはございませんが、私にはもはや彼より他に王はおりません。自分を騙しておきながら、陛下に偽りの忠誠を誓い続けるなど、もはや出来なくなってしまったのです……」

「ブリジット、貴様あああああぁぁぁぁ~~~!!!!」


 激高してウルフが叫ぶ。


「……兄さんは黙っていてください」

「これが黙ってなどいられるかっっっ!!!!」

「また大声出して……怒鳴られても、もう怖くありませんよ!?」

「貴様と言うやつは……自分が何を言っているのか! 理解していると言うのか!!」


 ここ数日、ずっと続けられているやり取りだった。


「貴様が言っているのは、単に陛下に対する侮辱だけに留まらないのだぞ! リディア国民全てに対する裏切りだ!! 貴様は他ならぬ王太女、次期リディア女王なのだぞっ!!! もっと自分の立場を自覚しろっっ!!!!」

「そんなの、私がなりたくてなったわけじゃありませんよ! 大体、私なんかじゃ無くって、兄さんがやればいいじゃないですか。国民もみんなそれを望んでいます!!」


 堪らず、国王が叫ぶようにウルフを叱責した。


「ウルフッ!!! ……おまえは声が少し大きすぎる。それではいくら人払いをしたところで、階下まで声が筒抜けじゃ」


 そう言って、国王は誰か立ち聞きでもしていないだろうかと耳をすませてから、改めて盛大なため息を吐くのだった。


 リディア王ハンスは、自身の王位継承者としてブリジットを1位に指名した。その際、彼女を養女として迎え入れており、事実上、彼女は王太女となっていた。尤も、それは三大臣の他には血縁者であるウルフしか知らない、極秘中の極秘の話である。


 元々、ハンスには一人息子がおり、当然、リディア王太子として周知されていたのだが、ウルフ、ブリジット兄妹がまだ幼い頃に、彼は早逝してしまったのである。理由は北方で勇者が暗殺され内戦が始まると、かつての恩を返そうとして、周囲が引き止めるのも聞かずに馳せ参じて、戦死してしまったのだ。


 程なくして母親の方も暗殺されてしまい、息子たちの自由意志を尊重していたハンスはこれに懲りて、孫たちの存在をひた隠しにした。近衛隊副隊長であるウルフにしても、国王の孫で直系男子が居ると、存在だけは知られてはいたものの、公の場に登場したのはつい最近のことだった。


 但馬には嫌われているが、国民からのウルフの人気はかなり高く、実は彼の方が次期国王と見做されており、リディアでは広く愛されているのである。


 ……しかし、これはダミーだ。


 ブリジットが目立たないように、彼が進んで表に立っているのだ。


 ウルフは歯を食いしばり、顔を真っ赤にし、こめかみに血管をピクピクと浮かび上がらせながら、絞りだすようにして言った。


「なれるものなら、俺が国王になりたい……だが、聖遺物(アーティファクト)は俺ではなく、貴様を選んだのだ……わかっているだろう」

「……」

「俺は魔法が使えない。聖遺物も使えない。我が王家に代々伝わるとされる聖遺物クラウ・ソラスは、貴様を継承者に選んだのだ。どうして俺では駄目なんだ! 俺が魔法さえ使えたら……」


 ブリジットが但馬に付き添って西方から帰ってすぐに、彼女は軍隊を辞めて但馬の会社に入りたいと言い出した。ハンスはそれだけなら構わないと思ったのだが、王族の務めすら放棄しようとしてきたので話が変わった。彼女は王位継承権を捨てて、一介の騎士として彼に付き従うと言い出したのだ。


 元々、但馬に対し、友人らしい好意を寄せていたブリジットであったが、あれ以来、それは崇拝に近いものに変わった。何があったか知らない二人は戸惑い、考えを改めるようにブリジットを諭したが、どうも彼女の決意は固いらしく、そして三人はこんな具合の同じようなやりとりを、ぐるぐるぐるぐる続けていたのだった。


 妹の突然の豹変の理由が分からない兄は、彼女の怠慢に憤った。妹に継承権を奪われるという屈辱を味わい、なおかつ良かれと自ら進んで彼女の影武者の役割を演じていたのに、いきなりそんなことを言われては憤懣やる方なかったろう。しかも、彼女は西方で起きた出来事を語らず秘密を守っていたので、その気持ちが分からなかったのだ。


 だがハンスは薄々感づいていた。西方で突然山火事が発生したのは、恐らく但馬が何かをしたのだろう。始めて彼と出会った時、同姓同名の勇者と彼の姿がダブって見えた。そしてそれはそんなに的外れではないと、このところの彼の活躍ぶりから確信していた。


 だから、彼に付いて行きたいと言い出した孫娘の気持ちを、彼はある程度は理解出来ていたのだ。しかし、それを許してやりたくても、王族という立場から、どうしてもそれは許されない。彼らはリディアそのものであり、自分たちの死は国の死を意味する。そこに住む国民の生殺与奪の権利までを持った、国家の最高権力者なのだ。おいそれとその義務を放棄することなど許されないだろう。


 こうして三人はいまいち咬み合わない喧嘩のようなやりとりを、もう何度も何度も続けていた。それぞれの事情から、誰ひとりとして折れることは出来ず、いつまでも結論の出ない諍いだった。


 そのころ、その騒動の切っ掛けとなった人物が何をしていたかと言えば……

 

*********************


 朝、目覚めてからずっと勃起が収まらない。


「やべえよやべえよ」


 昨晩はマナの存在を発見してその事実に打ちのめされ、明け方までまんじりともせず考え事に耽っていたせいで、殆ど眠ることが出来なかった。


 疲れがピークに達したところで、糸が切れたかのように力尽きてベッドに倒れ込んだわけだが……そんな中途半端な寝方をしたせいか、それとも緊張でもしていたのだろうか、3時間くらいしたらすぐに目が覚めてしまった。


 頭はボーッとしてるし、体も眠っているのだが、もう一眠りしたいのに眠れない。体の節々がギクシャクして、さっきから何度も何度もアクビが出た。そしてなにより、疲れマラで但馬の但馬自身がギンギンであった。


 物凄く仰け反っている。カッチカチやでえ。


 どうにかしてこれを収めてしまわないとならないのだが、こういう時に限ってそのきかん坊はヤンチャっぷりを発揮するのである。これはもう、あれをなにするより他に手立てがない。


 そしてニヤニヤしながら、もとい、イヤイヤながら但馬がやんちゃ坊主をニギニギするや否や、


 コンコン……


 っと、ドアがノックされた。但馬は、ウヒッと潰されたカエルみたいな声を発して、咄嗟に手近にあったタオルケットを引き寄せた。


「先生。ご飯、出来てるよ」


 返事も待たずにドアがガチャリと開いて、アナスタシアが顔を覗かせた。どうやら、朝食が出来たから呼びに来たらしい。


 彼女はこちらが何も言わないかぎりは、毎朝毎晩、自動的に食事を作って待っていた。但馬が彼女を食事当番に任命してから、一度としてサボったことはない。それどころか、一度飲んだくれて帰りが遅くなってしまった時も、彼女はご飯に手をつけずに待っていた。


 そういう時は先に食べてていいんだよ? と言ったのだが、彼女は返事こそしたが聞き入れてはくれない。風呂も家主である但馬よりも先に入ることは絶対にしない。それが彼女が自分自身に課した掟だからだろうか。


「お、おっす、アーニャちゃん。おはよう。すぐに行くから先に食べてて」


 と但馬が言うと、彼女はいつもの眉間に皺を寄せた上目遣いでじっと見つめてから……こくりと頷き、


「分かった」


 と言って部屋を出て行った。


 何だかすごくいい匂いがして、但馬の脳髄に甘い何かが充満した。彼女のサラサラの髪が揺れていた。彼女が瞬きするたびに、まつげが風を揺らして音を立てていた。薄手のタンクトップを彼女の小さな双丘が押し上げて、淡い曲線を描いていた。むき出しの太ももはとんでもなく白く、残像のように今でも目頭に焼き付いている。


 ブンブンブン!


 但馬は物凄い勢いで、ぶるぶると頭を振るうと、ふぅ~……と溜息を吐いた。


 いかんいかん。意識してはいけない。それよりもさっさと朝食にいかねばならない。返事こそ良かったが、きっと彼女は但馬の言うことは聞かず、じっと食卓の前で朝食に手をつけずに待っているはずだ。


 しかし、勃起は急に収まらない。暴走トラックのように無慈悲なのだ。但馬は股間の一物をどうにか宥めすかすために、素数を数えたり、大相撲の決まり手を数えてみたりしたのだが、なかなかうまく行かずに途方にくれた。


 こうなっては仕方ない。


 但馬はフンッ! っと、気合を入れると、今度は逆に超勃起させてみた。


 勃起しててもバレなきゃいいのだ。十代の勃起力を舐めるなよ……


 そう、どうせ収まらないなら、いっそ90度のけぞるまで気をつけさせてしまえばいいのである。その目論見は上手く行った。但馬の但馬自身は、今、但馬と平行になるくらいピンと天に向かって聳え立っていた。


 これなら……イケる!!


 あまり時間をかけては彼女に気取られる心配もある。彼は急いでパンツを履き替えると、少し厚めのズボンを履いて、そしてギンギンの但馬の但馬自身をこっそりとポケットに突っ込んだ手で抑えたまま、何食わぬ顔で食卓に向かった。


 食堂に入るやいなや速攻見破られた。


「先生……したいの?」


 そしてアナスタシアはひょこひょこ歩く但馬の股間をじーっと見ては、小首をかしげながら、そう訪ねてくるのであった。


 本当に悪びれない、純真無垢な目が但馬の目を覗き込んで、彼は心臓が苦しいくらいドキドキしてどうしようもなくなった。


「しません!」


 彼は泣きながら叫ぶようにそう言うと、ご飯をかきこみ、涙とよだれと鼻水を垂れ流しながら、家から逃げるように飛び出した。背後からいってらっしゃいの声が聞こえてきたが、返事の代わりにせいぜい嗚咽が漏れるだけだった。



 一緒に暮らし始めてから暫くすると、そうするのが当たり前のように、彼女は自分の体を差し出してこようとした。それは彼女の最大の武器だったし、唯一の財産だったからだろうか。


 もちろん、彼女に悪気はないし、良いとも思ってないだろう。


 そしてもちろん、手は出さなかったし、出せなかった。


 付き合いはそれほど長くはなかったけれど、友達が死んで、その友達が助けようとした女の子を自分が代わりに助けてしまって、それで良かったねとはいかなかった。うまく説明出来ないけれど、それをやったら終わりだなと、いつも何かに追われてるような気分になった。


 彼女のことは大事にしたいと、いつも自分にそう言い聞かせるようになっていた。


 ただ、それでも年頃の女の子と暮らしていると、どうしても我慢できない時があって、そうなると彼女のほうがずっと度胸があって、いつも自分一人だけがあたふたと慌てていた。いつも、いつも、いつも……


 そしてそれを拒否するとき、但馬は言いようの知れぬ罪悪感と、焦りにも似た後悔を感じさせられるのだった。下半身をビンビンにさせながら、まるで鉛でも飲み込んだみたいに、胃の中にずしりと重たいものが蓄積されていくのだ。


 きっと心に余裕が持てないのは、自分に女性経験がないせいだと、女を買おうとしたこともあった。けれど、その度に彼女が水車小屋に居た時のことを思い出して、踏ん切りがつかなくなって、ずるずると今に至っている。


 アナスタシアを身請けしたいと言った時の、ジュリアの顔を思い出す。但馬に、そんなことは止めておけと言いながら、どこか諦めたような顔を見せていた。彼女もまた、自分と似たような、形容しがたい何か複雑な気持ちを抱えていたのだろう。


 他人の……ましてや自分の好きな人の自由を買ってしまうというのは、思った以上にしんどい事だった。



 家から飛び出して、なにはともあれオフィスに向かおうとヨチヨチ歩きしていたら、通りすがりの奥様にプックスされた。屈辱を感じつつも、あら良いですねの波が押し寄せてきて、頬を赤らめながら道の端っこを歩いていたら、


「先生、おはようございます」


 一際明るい挨拶が聞こえてきて、但馬は振り返った。


 見ればブリジットがいつもの胸を強調するだけの、薄手の飾り気のないTシャツを着て立っていた。ふんわりとしたショートの金髪と、誰の目にも美しく見える、愛嬌のあるその美貌が通りすがりの人を引きつけた。


「よお、ブリジットじゃねえか。最近良く会うな。ちゃんと仕事してんの?」

「うっ……え、ええ、大丈夫ですから心配しないでくださいよ」


 なら良いんだけど……なんか妙に歯切れが悪いなと思いながら、但馬は横に並ぶ彼女から見えないように、腰をクネって歩き出した。


「……どうしたんですか、先生。変な歩き方して」

「ちょっと寝違えたんだよ。それより、ここんとこ良く会うな。えーっと、確か昨日も会ったよな……あれ? 一昨日も、一昨々日も会ったような……?」

「そうですね、すっごい奇遇ですね。そうそう、新しく事務所を構えたそうですね。おめでとうございます」

「お、おう、よく知ってるな。ありがとよ。そうなんだよ、中央公園の側にあるから今度遊びに来いよ、茶くらい入れてやるから」

「いいんですか!? それじゃ、お言葉に甘えて」


 但馬がそう言うと、彼女はそれまで以上にニコニコと上機嫌になった。傍から見れば恋する乙女のそれである。もしくは数カ月ぶりに飼い主と再会した犬か。しかし下半身に気を取られていた但馬はそんなことなど露知らず、


「それより、ブリジット。確か、おまえって剣を持たせたら結構強かったよな……魔物退治とかってしたことあるの?」

「魔物退治ですか? そりゃあ、軍には掃討任務とかありますからね」

「ふーん……じゃあ、今度非番の時でいいからさ……」

「今日非番です!」

「……あ、そうなの?? じゃあ、今日でもいいけど、一度付き合ってくれないか?」

「はい、いいですよ」

「……いや、まだどこに行くとも言ってないんだが……まあいいや。森なんだけどね。ちょっと調べたいことがあってさ。結構危ないと思うんだけど、いいかな?」

「どこだって構いませんよ。ご一緒させていただきます」

「お、おう……」


 妙に食いつきが良い……なんだこいつ?? と思いながら、流石に不審に思って顔をあげると、満面に笑みを浮かべたブリジットが、但馬に向かってニッコリと笑いかけた。


 ドキリと心臓が高鳴って、早鐘のように鳴り出した。


 何しろ、顔だけは但馬の好みど真ん中のブリジットである。欲情してる真っ最中にそんなものを見せられたらたまらない。


(おわ、おわああ、おああああああ!!)


 その瞬間、90度おっ勃っていた息子が、102度くらいまで反り返った。


 え? なになに? この反応……なんか凄い好意的なんですけど……って、イタタ、イタタタ、イタタタタタタ!


 その笑顔に見惚れていたらマイサンがおかしな方向に曲がってしまい、堪らず但馬は腰砕けになった。


「わあ! 先生、大丈夫ですか? 一体どうしたんです??」


 どうしたもこうしたもない。


 多分理由を知ったら殺される……


 苦しみに耐えながら何とか誤魔化そうとしたら……目の前にデカいだけでなんの面白みもない脂肪の塊が、デデデンと飛び込んできて、但馬はショックでひきつけを起こしそうになった。


 92Gである。


 ふわっふわのスイカップが、たゆゆんと重力の法則を無視して揺れた。但馬は自然と口ばしが吊り上がっていくのを感じた。ああ、ブリジットよ。本当に、どうしてこんなに残念なものがくっついているんだろうか……そう思った瞬間、但馬の息子がしおしおと萎びていき……


「いや、何でもないよ、心配してくれてありがとよ」

「はあ、そうですか……」


 一瞬で紳士に戻った但馬は自慢の白い歯をキラリと輝かせると、背筋をピンと伸ばして彼女に笑いかけた。そして日本人特有の微苦笑を浮かべながら、優しい目で彼女に向かって言うのだった。


「ブリジットは、(都合の)いい女だよな」

「……え? え??」

「おまえと居ると(欲情すると言うことがないから)ホントに落ち着くよ」

「えええええー!?!?」

「オフィスまで一緒にいこうぜ。(チンコを萎えさせてくれた)お礼にお茶でもご馳走するからさ」

「……っ! はいっ!!」


 そう元気よく返事をするブリジットを振り返れば、きっと但馬は気づいただろう。顔を耳まで真っ赤に染めた彼女が、潤んだ瞳で自分のことを見上げていることに。


 しかしその時の彼はそんなことなど思いも寄らず、


(そっか……やばいときはブリジットの胸を思い出せばいいんだな。あんなに一生懸命抵抗したのに、フィボナッチ数列にも、般若心経にも俺の息子は止められなかったというのに……こいつのおっぱいは一瞬で俺の息子をねじ伏せやがった。うーん、92Gおそるべし。ただの脂肪の塊とか言ってごめんよ)


 などと考えながら、寝不足の真っ黄色な太陽を見上げているのであった。

 

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― 新着の感想 ―
こ…この主人公…って思ったけど最初からそうだったわ
[一言] ブリジッドに殺されてしまえw
[良い点] お、お前、男の中の漢なんだなw
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