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玉葱とクラリオン  作者: 水月一人
第八章
306/398

阿鼻叫喚

 爆音が鳴り響き、閃光が迸った。


 エリックとマイケルは爆風に吹き飛ばされて、二転三転して地面に転がった。


 衝撃で頭がくらくらする。粉塵のせいで辺りは真っ暗で、三半規管がやられたのか上下がどっちかすらわからなかった。それでも地面に這いつくばり、薄い目を開けて見回していたら、やがて霧が晴れるように視界が明るくなってきて、ようやく見えてきた周囲の光景に二人は絶望した。


 花束を持ってきた子供たちが血だらけになって倒れている。それを見た他の子供たちが、怯えてわんわん泣いている。ショックのあまり先生たちが腰を抜かしている。そして、手首から先を吹き飛ばされ、血をピューピュー噴き出しながら、但馬が血まみれになって気絶していた。


「社長!」


 あの強烈な爆風に飛ばされることなく、煤と擦り傷だらけになりながら踏ん張っていたエリオスは、いち早く事態を把握すると、但馬の元へと駆け寄った。


 白目をむいて気絶している彼は、いくら呼びかけても完全に意識不明だったが、幸い呼吸と心拍はまだあった。しかし、腕の損傷が激しくて止血をしなければすぐにでも死んでしまいそうな感じである。


 こんな時にヒーラーが居ればと思うのだが、こんな場所に居るわけもなく……ましてや、今のヒーラーは役立たずなのだ。最低限の応急処置くらいなら出来るが、流石に手首から先を吹き飛ばされた人の手当などやったことがない。とにかく止血しなければと、二の腕の止血点を探して圧迫しようとしたら……


「構ええええーーーいっ!!」


 どこか遠くの方でそんな号令が聞こえて、カチャカチャと金属の擦れる音がして、


「エリオス様っ!」

「撃てえーーーーーーーっ!」


 二つの言葉が重なったと思った瞬間、エリオスはクロノアに突き飛ばされて地面に突っ伏した。


 パパパパパパパーーーンッッ!!!


 っと、銃声が重なり、まるで爆音のように轟いた。エリオスの頭の上をヒュンヒュンと何かが飛んでいき、すぐ近くの地面がパシッパシッと音を立てて土煙を上げた。


 銃撃か?


 混乱する頭でどうにか状況把握をしようと見渡すと、学校の敷地外に居たはずの軍楽隊が、いつの間にか銃を構えてこちらに銃口を向けていた。風が吹くと、ツンとした硝煙の匂いが漂ってくる。


「何故だ! 何で帝国軍が我々を襲う!?」


 エリオスに覆いかぶさるようにして伏せていたクロノアが絶叫する。エリオスもまったくもって同じ気分だったが、このまま黙ってここに伏せっているわけにも行かない。


 流れ弾が当たったのだろうか、きゃあきゃあと子供たちが泣きわめいている。目の前で、あっという間に小さな命を奪われ、茫然自失の教師がいる。エリオスは腹の底から力いっぱい叫んだ。


「おいっ! 今はぼけっとしてる場合じゃない! 逃げろ! 子供たちを連れて逃げるんだっ!! 早くしろっ!」


 彼の大声にハッとなって、ジュリアが死体にすがりついて泣いている子供たちを抱きかかえて、必死になって駆けていく。それを見て、他の教師や子供たちが後に続いた。


 幸いというべきかなんというべきか、襲撃者は逃げ去る子供たちを追うつもりは無いようだった。つまり、狙いは完全に自分たち……恐らくは但馬なのだろう。


 帝国軍の将校らしき者が叫ぶ。


「但馬波瑠を置いてここを去れっ! 命までは取らないっ!」


 エリオスは歯ぎしりした。これで確定だった。襲撃してきたあの軍人たちは、但馬の命を奪うために、子供たちを犠牲にしたのだ。なんという卑劣な連中だ! こんな輩の言うことなど、何一つとして信じられないだろう。


「おい、これは一体、どういうことだ。はめられたのか?」


 身をかがめながらトーが近づいてくる。エリオスは頷くと、止血のために二の腕をぐるぐる巻きにした但馬を彼に託し、危険を顧みず、たった一人立ち上がった。


「エリオス様!? 危険です!」

「クロノア、トー……あっちに転がってる二人も連れて、とにかくこの場から離れろ。何としても社長を安全な場所まで運ぶんだ……」


 パンパンっと射撃音がして、エリオスをかすめて飛んでいった。狙いがある程度正確なところを見ると、間違いなく、あれは帝国軍の装備のようである。これを食い止めるとなると、相当苦労しそうだ。


「エリオス様! 足止めなら私が代わりに……」

「いや、俺が先に行く。俺が死ぬまで時間を稼ぐから……次はお前が社長を守れ」

「しかしっ、あなたには奥様と、生まれたばかりのお子さんがいらっしゃるではありませんかっ!!」

「だからこそだ」


 エリオスは丹田に力を込め、ふぅ~っと体の中の空気を全部吐き出した。


「大事なものはみんな捨ててきた。失うものは何もない」


 そして彼は腰のホルダーに納めていた鋼鉄製の警棒を引き抜くと、


「クロノアよ。後を任せたぞ……うおおおおおぉぉおぉぉおおぉぉぉーーーーーーーーっっ!!」


 天地を震わす雄叫びを上げて、彼は銃を構える帝国軍の隊列へと、有無を言わさぬスピードで突っ込んでいった。


 高速で飛び込んできる巨体に驚いた兵士が、号令も聞かずにパパパンっと銃弾を発射する。しかし、足並み揃わぬ銃撃は全てあさっての方向へと飛んでいき、一つの弾も掠りすらせず、そして彼は敵のど真ん中に飛び込んだ。


 驚愕に目を剥いた男が銃剣の切っ先を向けようとするも、それを構える間もなく、鋼鉄の警棒で頭をかち割られて絶命した。


 パンッ! と風船でも割れるかのような音がして、脳髄が辺りに飛び散ると、恐慌状態に陥った兵士の一人が盲滅法に銃を発射した。それが運悪く味方に当たると、動揺した兵士たちが隊列を乱した。


 エリオスはその隙を逃さず、更に手近に居た兵士の首に足を引っ掛けて、ボキッとその太い頚椎をへし折る。死亡した兵士が落としたライフルをすかさず取り上げ、それを撃つのではなく、棍棒のように振り回した。


 ガツンガツンと、次々に打ち倒される兵士たちが、ついに背中を見せて逃げ始める……エリオスはそれを見て、


「行けっ! クロノアッ!」


 そう叫んでは、混乱する兵士たちに追い打ちをかけるべく、更に容赦なくライフルを振り回して突っ込んでいった。


 クロノアはこの好機を逃さず、但馬の脇に手を入れて抱え上げると、ズリズリと引きずるようにして校庭を駆け出した。すぐさまトーがやってきて但馬の足を持ち、遅れてエリックとマイケルもやってきて手を添える。


「先生!」「先生、起きてよっ!」


 呼びかけても、但馬の意識は戻らない。完全に脱力しきった但馬の体は重かったが、四人で運べばなんとかなった。


 しかし、どこへ逃げればいいのだろうか?


 クロノアは森に逃げるか街に逃げるか悩んだが……最終的には但馬を治療しなければ、どうにもならないと考え、街の方へと向かった。


 エリオスが注意を引いてくれてる間に、こっそりその脇を抜け、兵士に見つからないように丘を駆け下りる。


 四人は但馬に声をかけつつ、必死になって兵士たちの目から逃れた。学校は街外れにあったが、街が遠望できる距離しか離れてない。あそこまで行けば助かるはずだ。重い荷物を抱えながら、四人はやがて工場の建ち並ぶ川沿いを走り、街に入るために橋を渡ろうとすると……


「なんだよ……これ」


 橋から一直線に伸びる道の向こう側……街の中心広場に、尋常ではない数の兵隊が集合しているの見えて、彼らは絶句した。


 その数はざっと見ただけでも百人単位で、ヘタしたら1000人はいるんじゃなかろうか。信じられないことではあるが、それが確かだとすると、大隊規模の軍隊が、ここメアリーズヒルに押し寄せてきていることになる。戦争でも始めるつもりなのだろうか。


「目標発見しました!」


 あまりの出来事に考えが追いつかず、呆然としていた四人は、すぐに兵隊に見つかった。兵士の一人が叫ぶと、その声に応じて周りの兵士たちが一斉にこちらを振り返る。


 彼らのうち大半の者は『目標』がなんであるかを聞かされていなかったのだろう。そこに傷だらけの但馬が居ることに気づいて動揺しつつも、命令されるままにこちらに向かって進軍してきた。


 あれが全部、本当に但馬を狙う追手なのだろうか?


 いくらなんでも非現実的すぎる。だが、先ほど、学校であった爆発と、目の前には意識不明の但馬がいる。エリオスが自分たちを逃がすために戦っていることを考えると、とても現実逃避してる暇はなかった。


 しかし、逃げようにも多勢に無勢。いくらクロノアが魔法使いでも、この数に勝てるわけがない……だが、彼は落ち着き払った声で、自分の聖遺物を抜き払うと、


「ここは、私に任せてください」


 と言って、橋の手前まで歩み出て、迫り来る大群を前に仁王立ちした。


「いや、駄目だ、クロノアさん。逃げよう! あんなの勝てっこない」


 臆したマイケルが叫ぶが、彼は穏やかな表情を崩さずに言った。


「勝てないまでも、時間を稼ぐくらいのことは出来ますよ……力を示せ、アスカロン」


 彼の愛刀が周囲のマナを集めて緑色に光り輝く。それは刀身を覆い尽くし、やがて一本の巨大な槍のようになった。クロノアがそれを振りかざして、思いっきり地面に叩きつけると……


「うおおおおおおおぉぉおぉおおおーーーーーっっ!!」


 気合一閃、振り下ろした巨大なヤリの穂先が石造りの橋の中央に食い込む。すると橋はその暴力に抗うことが出来ずに、あっという間に真っ二つに裂け、そしてガラガラと音を建てて崩れ落ちた。


 ボチャンボチャンと、たった今まで橋であったはずの石ころが、水しぶきを上げて川の中へと落ちていく。


 いきなり進路を阻まれた軍隊が、おしくらまんじゅうでもしているかのように、川向うでもみ合っている。


「さあ! 行ってください! 川があるとは言え、それほど時間は稼げないでしょう」

「でもっ……!!」

「閣下が復活してくれさえすれば、こんな軍隊、なんてことないのですよ……我々が助かる方法は、唯一、それだけです。頼みましたよ!」


 バチャバチャと音を立てて、次々と兵隊たちが川へ飛び込んでいく。


 それを見てトーは、


「死ぬなよっ!」


 と叫ぶと、戸惑っているエリックとマイケルの二人を引っ叩いて、また但馬を担いで駆けていった。


 クロノアはそれを見送ると、目をつぶって聖遺物に意識を集中させた。周囲からますますマナを集めた聖遺物が、まばゆいばかりに輝き、金色に光っている。


 但馬からマナの操作を学んだリーゼロッテが、編み出そうとしていた技だった。その手ほどきを受けたクロノアは、最初はマナを集中させることさえ出来なかったのだが、この間のエルフ騒動の時に、但馬の戦いを見て何かのスイッチが入ったかのように、いつの間にか使えるようになっていた。


 本当ならリーゼロッテに見せて、彼女に褒めてもらいたかったところだが、その後のゴタゴタのせいで、ついに話しだすことすら出来なかった。


「……このピンチを乗り越えねば、彼女に見せてあげることすら出来なくなるな」


 クロノアはそう自分に言い聞かせて気合いを入れようとしたが……ふと思い立ち、逆に力を抜いて息を吐き出すと、リラックスしながら呟いた。


「いや、そんなこと言ってると、フラグが立つぞ。いつもどおりやろう。やれば出来るさ」


 川向うで隊列を組んだ歩兵たちが一斉射撃を行った。


 クロノアが聖遺物を横に一薙ぎすると、彼に届こうとしていた銃弾は全て、蒸発するように溶けてしまった。


 聖なる槍はいっそう輝きを増す。


 クロノアはそれをヒュンヒュンと振り回すと、川から上がってきたばかりの兵士に向かって飛び込んでいった。

 

*************************************

 

 川沿いを駆けて、一行は結局、学校の方角へと戻っていた。街へは入れそうも無かったし、川沿いを街道の方へ向かっても、おそらくは抑えられているだろう。相手が何者かは知らないが、大軍を率いてきていることだけは間違いない。


 街も街道も駄目となると行き先は森しか残されていないが……


「森になんか入ったら、先生を治療することは不可能だぜ?」

「なんとか街に入って協力者を探したほうが……」

「おまえらさっきの見ただろう? なんとか出来る隙なんてないぞ」

「それじゃどうするんだよ。先生を森に隠して、俺達だけで街に戻るのか? 協力者を探しに」

「そんなことしてる間に、先生が死んじゃうよ」

「だが他に方法がない!」


 トーが叫ぶように言うと、二人は押し黙った。さっきからずっと、重い但馬の体を運び続けて、息も絶え絶えだった。本当ならもう、但馬を置いて逃げ出したい気分だった。でも、そんなことをしたら、一生自分が許せないだろう。そんな強迫観念だけが、彼らを突き動かす原動力だった。だからもう、とっくに彼らは詰んでいたと言って良いのではないだろうか。


 トーに促されるまま、三人は協力して森まで但馬を運んだ。森は街からは大分離れており、辿り着くまで相当の時間を食った。その間ずっと、追手が後ろから迫ってきやしないかとビクビクしていたが、クロノアの足止めが効いているのか、ついに彼らは森の入口までたどり着いた。


 しかしここから先はエルフの領域である。エリオスやクロノアのような戦闘員とは呼べない三人では、到底太刀打ちが出来ない。あてに出来るのは但馬だけなのだが……


「先生、目を覚ましても、戦えるほどの体力が残ってるだろうか」


 そもそも、目を覚ますかどうかすら定かではない。それにエリオスやクロノアはどうなったのだろうか……


 そんな、最悪な気分のまま、三人が森の中へと足を踏み入れようとした時だった。


「手を挙げろ」


 暗い森の中から、ヌッと人影が現れたかと思うと……それに呼応して続々と森の中から兵士たちが続いて現れた。その全ての兵士は銃を構え、銃口をこちらへと向けている。兵士たちは信じられないと言った表情を浮かべながら、


「本当にこっちに来るとは……それじゃああの噂は……」


 驚愕しつつも何かを口走っていた。


 しかし、あっという間に取り囲まれた三人は、もうそんなことを気にする余裕もなく、但馬を地面に下ろすと、真っ青になりながら手を挙げた。


 すると、戦闘の意志はないと判断したのだろうか、隊長らしき兵士が一歩歩み出て言った。


「但馬波瑠を置いてこの場を去れ。そうすれば、命までは取らないでやる」


 その言葉に三人は顔を見合わせる……トーもエリックもマイケルも、誰かが何かを言い出すのを待っていて、誰もが声を出せずに居た。


 だが、それはほんの一瞬の出来事に過ぎなかった。


「くうぅぅっ……ごっ、ごめん……ごめん、俺……」


 まず初めにマイケルが泣きながらそうつぶやき、


「……ごめん。俺も、もう……許してくれとは言わない……」


 唇まで真っ青にしたエリックが表情を無くしたままそう言った。


 トーの顔に、そんな二人の視線が突き刺さる。おまえも諦めろ。お願いだから、一緒に逃げよう。罪悪感に満ちたその瞳が雄弁に語っていた。


 だが、トーはそんな二人にニッコリと、慈愛にも似た穏やかな笑みを浮かべながら、


「そうか……短い付き合いだったな」

「トー! お前も来いよっ!」


 トーはゆっくり首を横に振ると、


「おまえらは生きろ。俺は残る」

「どうしてっ!」


 すると彼は少し考えるような素振りを見せてから、


「……生きているだけが人生じゃないさ」


 そう言って、二人の背中をぐいと押した。


 エリックとマイケルは、つんのめって倒れるように二三歩進むと、一瞬だけ、未練のように背後を振り返った。


 だが……もう、トーの顔をまともに見ることが出来ず、泣きながらその場から離れていった。


 虫の声が聞こえる。森の中から絶え間なく、けたたましく耳鳴りのような虫の声が響いていた。


「もう一度だけ言う! 但馬を置いてここから去れ!」


 兵士は苛立たしげに、一人だけ残ったトーに向かって再度警告した。


 しかし、トーはもうそれに応えること無く、立ったまま地面に転がっている但馬の肩に足を乗せると、グイグイと蹴るようにして彼の体を揺さぶった。


「おい、但馬……起きろよ。知ってるだろ? 俺はどんな仕事だって、全力で手を抜く主義なんだぜ。エリオスさんとクロノアが戻って来るまで、俺だけじゃあ持ちこたえられないっつーの」


 しかし、そんな彼をあざ笑うかのように、街の方から帝国軍の増員がこちらに向かってやって来るのが見えた。


 追手が迫ってきていると言うことは、少なくともクロノアが抜かれたということだ……


 トーは溜息を吐くと、懐からタバコを取り出して、マッチに火を点けた。


 紫煙が揺れて、風に吹かれて消えていく。


 彼に銃口を向けている兵士がまた何かを言っていた。だがもう、その内容が頭に入ってこない。


 街からやってきた帝国軍のうち、身なりの良い人物がこちらを指差して勝ち誇るような笑みを浮かべていた。その男の隣には指揮官らしき偉丈夫が付き従っており、トーはその顔に見覚えがあるような気がしたが、それよりももっと気になる物が見えて、結局その二人が何者であるかは思い出せなかった。


 ただ、偉丈夫が腰の辺りにぶら下げていた、二つの丸いものが気になった……


 幼いころ、親戚が死んで葬式に行った時、火葬場から出てきた骨を骨壷に収めた後、遺族がポツリと、こんなに小さくなっちゃって……と呟いた台詞をよく覚えている。その時の、寂寥感、喪失感に、良く似ていた。


 パアーーン……


 っと、乾いた銃声の音が響くと、トーの体から力が抜けていった。次々と飛んでくる銃弾が彼の体に食い込み、根こそぎ力を奪っていく。


 これが死というやつだろうか。


 死の間際、世界がスローモーションのようにゆっくりと動くと言うが、トーはその最後の瞬間、自分の足元で寝っ転がる但馬の眉が、ピクリと動いたのを見た。


「遅えよ……」


 彼はそう吐き出すように呟くと、そのまま地面に崩れ落ちた。


 ドサッ……


 っと、最後の一人が倒れると、但馬の周りにはもう立っているものは誰も居なかった。


 街の方からやってきた兵士達の親玉……ネイサン・ゲーリックは、その現場を見て目を爛々と輝かせながらも、苛立つように叫んだ。


「手間取らせやがって……おいっ! 但馬は殺ったのか!? ちゃんと息の根は止めたのか!」


 兵士はやってきた上官に敬礼をしつつ、


「まだ確認はしておりません!」

「ええいっ! はやくしろ!!」

「俺がやろう。確実に仕留めねば、あとが怖い」


 ネイサンの隣に居た偉丈夫……マーセルがそう言って剣を抜いた。ここに来るまで、すでに二人の首を落とした切れ味鋭い刃物だ。それだけの人肉の油を吸っても尚、止めを刺すくらいなら簡単だろう。


 コツンと、小石でもぶつかるような音がして、彼の腰の辺りにぶら下げた、二つの物体が揺れると同時に、血がピシャピシャと飛び散った。


 戦国時代、戦場で敵の親玉を殺した時に首を落とすのは、後で首実検をするためだ。死体は重いから首だけを切り取って、本当にそれが本人なのか、後で地元の有力者や家族に確認させるためだった。それが戦場の習わしだというのは知っている。但馬だって、こんなクソみたいな世界に来た時から、多少は覚悟していたはずだ。


 だが……やっていいことと、悪いことがあるだろう。


 マーセルは自分の腰でブラブラ揺れる二つの頭を、乱暴に手で押さえつけると、今度は動かないように紐でしっかりと括りつけ、再度但馬の首を落としに足を踏み出したが……すぐ、その場に硬直した。


 いつの間にか幽鬼のように、但馬波留が立っていた。


 周囲の草木が風もないのにガサガサと揺れ、突然、淡い蛍光色に発光しだす。


 それは徐々に光を増していき、ついには森全体がまばゆい太陽のように光り輝いた。


「なあ、おい、俺の手をどこへやった……」


 そんな光をバックにして、但馬がゆらりと蠢くと、


「ひいいいいぃぃぃぃ~~~~!!」


 その迫力に恐れを為したネイサンが、腰を抜かしてすっ転んだ。慌てて周囲の兵士たちが彼の両脇を抱えて馬に乗せる。


「俺の右手と左手だよ……どこへやった」


 じろりと鋭い眼光を飛ばされたマーセルは、ハッと我に返った。いくつもの戦場を駆けた彼が、まるで蛇に睨まれた蛙のように動けず、意識まで持って行かれた。


 今、自分は何回死んだんだ……? マーセルは身震いすると、すぐさま但馬と距離を取ると、


「総員構えーっ!!」


 同じく周囲の光景に気圧されていた兵士たちに向かって絶叫した。


 マーセルの号令にハッとしてライフルを構える兵士たち……


「撃てええーーいっ!!!」


 そして間髪入れずに放たれた銃弾が、但馬に向けて一直線に飛んで行く。魔法使いの防御をも貫通するはずの銃撃に、さしもの但馬も無傷ではいられるわけがないと、その場の誰もがそう思っていたが……そんな希望的観測は、彼の腕の一振りだけで打ち砕かれた。


 まるで空間の隙間から取り出したかのように、一本の剣が突如として現れた。


 それは、周囲のマナを固めて作ったような、但馬の光り輝く手に握られて、たった今飛び交っていた銃弾の尽くを切り裂いた。


 パラパラと真っ二つになった銃弾が地面に落ちる。銃撃を切り払われた兵士たちが驚愕に目をひん剥く。


「撃てっ! 撃てっ! 撃てっ! 撃って撃って撃ちまくれええーーっっ!!」


 もはやなりふり構わぬマーセルの号令に、兵士たちも必死になって応えようとする。何しろ、そうしなければ本当に死んでしまうのだ。だが、銃の登場で魔法使いの弱点が明白になったように、その銃を持つ歩兵の弱点も明白だった。


 魔法使いの弱点……魔法と魔法を打つ間が無防備になるのと同じように、歩兵も弾込めの間に隙ができる。


 空薬莢を抜き取り、第二射を弾込めして、また狙いをつける。このほんの10秒程度の時間があれば、それで十分だった。


 周囲のマナを集めて金色のオーラを纏った但馬は、慌てふためき弾込めをする兵士たちに間合いを詰めると、何もない空中に向かって剣を一薙ぎした。次の瞬間……


 ビシャ……


 っと、兵士たちの腹が真横に切り刻まれ、血の雨が降り注いだ。まるで見えない剣撃が飛んできたようだ。そして、


「来いよ、カグツチ」


 そのありえない光景に戸惑う兵士たちを、さらにありえない悲劇が襲った。但馬が軽く指を振るうと、その光り輝く指先から、線香花火程度の大きさの眩しい光が飛び出したかと思えば……


 ゴオオオオオーーーーーッッッ!


 と、次の瞬間にはあたり一面が業火に焼かれていた。


 その、たった二回の攻撃で……


 たった二回、腕を軽く動かしただけで……


 時間にして数秒の間に、数十人の兵士が切り刻まれ、数十人の兵士が黒焦げになった。


 そして兵士たちはパニックに陥った。


「ひぃぃぃっ! エルフだ……本物のエルフだっ! 宰相がエルフだという噂は、本当だったんだ!!」


 泣き叫ぶ兵士が散り散りになって逃げていく。その滑稽な姿と、馬鹿馬鹿しい言葉で、但馬は彼らがどうしてここに来たか、その理由を悟った。


 彼らは但馬がエルフであると唆されたのだ。国を守るふりをして、実はエルフが国を乗っ取ろうとしていると、そう言われた彼らは義憤に駆られ、ここまでやって来たのかも知れない。


 だとしたら、少し気の毒な気もするが……


「行けよ、ミカボシ」


 天空より飛来する隕石が、逃げ惑う兵士たちの(ことごと)くを撃ちぬいた。それは確実に一人ひとりの命を摘み取っていった。心臓を貫き、頭を砕き……いつかみたいに、相手を無力化するだけという甘っちょろいものではない。紛う方なき無慈悲な一撃だった。


「は……ははっ……はははっ! なんだこりゃあ」


 マーセルはちっともおかしくないというのに、溢れ出るような哄笑が止まらなかった。


 たった今、ほんの数分前まで、確実に但馬を追い詰めていた。一騎当千の兵でもある二人の護衛、エリオスとクロノアを屠り、あとは止めを刺すだけだった……


 それが今、百人余りもいた兵士の悉くが討ち取られ、気がつけばそこに立っているのはマーセルただ一人だけになっているのだ。


「こんなの……ありかよ」


 独りごちるマーセルを、但馬が振り返ってギロリと睨む。マーセルはゴクリと唾を飲み込むと、震える声で……


「ま、待て……話しあおう。いいか? 今、俺を殺したら、王宮を取り囲んでる兵士たちが……グギャッ」


 しかし、彼が何かを言い終わるよりも前に、但馬の剣がその彼の喉に深々と突き刺さり、次の瞬間にはもう彼は事切れていた。


 多分、それまでの但馬の習性から、いきなり殺されることはないと高を括って、何か取引を持ちかけようとしたのだろう。


 だがもう、そんなことが許されるはずもなく、彼はしゃべり終わるのを待たずに瞬殺された。きっと、彼は自分が殺されたことにも気づかずに逝ったのではなかろうか……


 但馬は猛烈な怒りにブルブルと震えながら、無くなってしまった自分の手の代わりに、無理矢理マナをくっつけた奇妙な腕で、マーセルが腰にぶら下げていた二つの頭を大事そうに取り上げた。


 それはぞんざいに扱われ、まるで今も苦しんでいるかのように虚空を見つめていた。無理矢理耳の中に紐を通して、数珠つなぎに繋がれた二つの頭を、但馬はそっと慎重に引き剥がすと、耳から中身がボロボロと溢れて、ベチャベチャと地面に落っこちた。


 但馬はそれを慌てて拾い上げたが、一体どこに戻せばいいか分からない。


 腹の底から悲しみがこみ上げてくるが、但馬はぐっと歯を食いしばってそれに耐えた。今は泣いている場合ではない。泣いちゃいけない。そんなことよりもやることがあるだろう。


 但馬は地面に突っ伏して、事切れていたトーに二人を預けると、


「二人を頼むよ」


 そう言って、街の方角を睨みつけた。


 さっき、ネイサン・ゲーリックの姿を見かけたような気がする。その時は他の事に気を取られてなんとも思わなかったが、今にして思えば、何故彼がここに居て、ここで何が起きていたのかが分かるだろう。いつからかは分からないが、ネイサンとマーセルが結託してこの国を乗っ取ろうとしていたのだ。


 兵士たちは但馬を見て、エルフだなんだと言っていた。


 だったらエルフでもなんでもなってやろうじゃないか。


 もはやこの国を守る理由はない。


 ネイサン・ゲーリックに死ぬよりも恐ろしい恐怖を味わわせてやる。


 邪魔をするものは……皆殺しだ。


 但馬はレーダーを使って、彼を待ち伏せしているらしき光点を見つけると、それが何者かすら確認せずに、いきなり魔法で吹き飛ばした。


 周辺のマナが一斉に反応して、森が真っ白に光り輝く。この無尽蔵とも言えるマナを彼は自分の身に蓄えると、まるで本物の流れ星のような速度で街に向かって駆け出した。


 爆撃をされたかのような被害を受けていた帝国軍は、それでも生き残った兵士たちが隊列を組み、突如現れた光り輝く物体に向けてその銃口を向けた。そして現れたそれが但馬であることを知ると、彼らは一様に戸惑いつつも、エルフ死すべしの精神で躊躇なくその引き金を引いた。


 だがもうそんなもの、怒り狂う彼に効くはずもなく、哀れな兵士たちは次々と但馬の攻撃に倒れ、その命を散らしていった。


 あれだけ人を殺すことを忌避していた男の影は、もうどこにもなく……そこに居るのはもはや人ですら無い、獣か、悪魔か、本物のエルフか、魔王と呼ぶべき存在だった。


 帝国軍は迫り来る強大な魔の手に、それでもどうにか踏ん張って押し止めとしたが、そんなものに人間が敵うはずもなく、あっと言う間に防衛戦は突破され、あれよあれよという間に数を減らしていった。


 平和だったメアリーズヒルの街に爆音が轟く。


 メラメラと噴き上がる炎で、陽炎のように街が揺れた。業火がコンクリートの壁を焦がし、アスファルトの地面が剥がれて穴ぼこがあいた。逃げ惑う人々の悲鳴があちこちに響く。それすら兵士を焼き払う炎にかき消されていった。


「どこだ! ネイサン! どこに居るっ!!」


 そう叫びながら帝国兵を追い立てる、但馬だったそれを見て、街の人達は恐れをなして逃げ惑う。それはもう彼を歓迎してくれていた人の姿ではなく、ただ理不尽な暴力から必死に逃げようとする被災民そのままだった。


 但馬はそれでも構わず動き続けた。兵士を見つけては、切り刻み、その首をへし折り、焼き払った。自分に歯向かおうとする全ての者を殺して回った。それでも見つからないネイサンに業を煮やし、意味もなく街を破壊し、線路を吹き飛ばした。


 クラクラと目眩がする。血が流れすぎているのだ。もう、あと何分もつかも分からない。それでもここにいる奴らくらいはぶっ殺せるだろうと、但馬はフラフラになりながら、ネイサンを探して街をさまよい歩いた。


 それからどれくらいの時が過ぎただろうか。


 朦朧とする意識の中で、但馬は燃え上がる街を歩き続けていた。あの美しかった町並みはもう見る影もなく、辺りには瓦礫の山が広がり、そして兵士の死体があちこちに転がっていた。


 そんな中、ついにネイサン・ゲーリックの姿を捕らえた。彼はその憎っくき男を殺すために、這うようなスピードで、その姿を追いかけた。


 と……そんな時だった。


「そこまでだ」


 ネイサンを追いかけて街の中央広場に足を踏み入れると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


 広場には兵士たちの最後の生き残りが円陣を組んで待ち伏せており、但馬にブルブル震える銃口を向けている。そのまま撃ったところで当たりはしないだろう。仮に当たったところで、今の彼には傷一つつけることは不可能だろう。


 いつまでも無駄なことをしやがって……但馬がそう思い、兵士たちを殺そうとする。声が聞こえてきたのはそんな時だった。


 但馬がその声に振り返ると、そこにはシロッコと、何故かジュリアと孤児院の子供たちが数人居た。


 そういえば、この男はいつの間に居なくなっていたのだろうか? いや、それよりも、これは一体何のつもりだ? それだけではない。ジュリアたちの周りには、彼女らに銃口を突きつける憲兵隊の姿が見え……


 そして、ネイサン・ゲーリックの姿もあったのだ。


「ネイサン・ゲーリック!」

「ひいいぃぃ~~~!!」


 ネイサンを見つけた但馬がギラギラと光る目で睨み一喝すると、彼は顔を真っ青にして貧血みたいにその場にへたり込んだ。完全に戦意は喪失しているようだが、そんなことで許されるはずもない。


 殺す……絶対殺す。


 しかし、但馬がそいつを吹き飛ばすための詠唱を開始しようとする寸前、その射線にシロッコが立ちふさがった。


「おい、シロッコそこをどけ。退かないなら、おまえごと吹き飛ばす」

「いいえ、閣下。そこまでです。あなたに俺は殺せません」


 まさかこの状況でそんな言葉が出てくるとは思わず、流石に但馬も驚いてその動きを止めた。周囲の兵士たちがガチャガチャと狙いを定める音が聞こえてくる……


「何だと、シロッコ。冗談はよせよ」

「いいえ、あなたには出来ません。もしも俺やネイサン様に危害を加えようとするなら……」


 彼はそう言いながら、適当にとっ捕まえた子供の頭に銃を突きつけた。


「このガキを殺します」


 死の恐怖を覚え、途端に号泣する子供。彼はその首根っこを苛立たしそうに掴み上げ、苦しんでいる子供のコメカミに容赦なくその銃口を当てた。


「やめて! お願いっ、やめてくださいっ!!」


 ジュリアが泣きながら懇願する。それはとても同情を誘う光景であったが……


 但馬は唖然としながら、シロッコに向かって言った。


「おい、おまえ、なんのつもりだ? 今更、俺がそんなことで、止まるとでも思っているのか?」

「止まるね」


 シロッコが自信満々に言い放つ。彼の周囲にいた憲兵たちも、それぞれ子供たちをとっ捕まえると、その銃口を子供の頭に向けた。ジュリアが半狂乱になって泣き叫ぶ。子供たちは泣く者、暴れる者、顔面蒼白でひきつけを起こすもの、千差万別の表情を見せたが、だけどみんな助けて欲しいと言う気持ちを乗せて、但馬の顔をじっと見つめていた。


 但馬は、その哀れな姿を見たところで、もはや心は動かされなかった。自分はまだ動けると、そう思っていた。だからせめて、痛みを感じる暇も無く、楽にしてやろうと思った。そして聖遺物を持つ手を振り上げ、詠唱を開始しようとした。


 だが、そんな時だった。


 カランカランカラン……


 と、乾いた音が広場に鳴り響いた。何の音だろうと思ってそっちの方を見れば、但馬の足元に聖遺物が転がっていた。


「……あ?」


 但馬はぽかんとして、自分の手の先を凝視した。そこにはもう、さっきまであったマナの奔流はどこにもなく……骨までむき出しになった手首と、血がピューピューと吹き出す血管が、グロテスクな断面図を晒しているだけだった。


「撃てえええーーーーーっっ!!」


 そして、どこか遠くで号令が聞こえたかと思うと……


 パパパパパパーーーンッッ!


 と、乾いた一斉射撃の音がして……


 バチバチと自分の体の中でクラッカーでも鳴らしたような音がして、気がつけば但馬は錐揉みをして吹き飛んでいた。


「ぐっ……げっ……がっはあぁ~~……」


 ガツンと地面に頭をぶつけて、その瞬間に脳でもおかしくしてしまったのか、どんなに踏ん張ってももう身体が動かなかった。痛みなんかは感じない。その代わりこんな常夏の国に居るというのに、信じられないほど身体が寒く、まるで体の中に隙間風がピューピュー吹いてるみたいだった。


 チカチカと視界が点滅して、やがて世界は白黒に染まった。


 さっきまで見えていたレーダーマップやメニュー画面が、コンセントでも抜かれたようにプッツリと途絶えた。


 コツコツと、軍靴の音が聞こえてくる……


 顔を動かすことが出来ず、目だけでその音を追いかけると、無表情で自分のことを見下ろすシロッコの顔が、ヌッと出てきた。


「……どうして、裏切った」

「あなたに付いて行っても、もう出世が見込めそうになかったから」


 シロッコは乾いた声で続けた。


「見ず知らずの孤児なんかを庇って死ぬような人では」


 そして彼は、但馬の眉間に銃口を突きつけた。何か遺言があるなら聞いてやると、その目が語っているような気がした。


 だが、但馬はそんな遺言なんかよりも、ただおかしくておかしくて……自然と笑みがこぼれて来て、最終的に出てきたのは、


「違いない」


 ただの同意の言葉であった。


 そして但馬波瑠は絶命した。


 幾百のエルフを屠り、千の軍隊をたった一人で駆逐して、戦場を駆ければ不敗。数多の敵を退けてきた彼にしては、本当に呆気無い最期だった。


 しかし、物語はここではまだ終わらない。もう少しだけ続くのだ。


 阿鼻叫喚の地獄絵図を目撃して、メアリーズヒルの人々は逃げ出した。助けを呼ぼうと必死になって逃げ出した彼らは、やがて首都の方角からやってきた近衛兵と、小柄ながら抜群のプロポーションと、ふわふわの金髪を備えた美しき皇帝と行きあった。


 ブリジット・ゲーリックは駆けていた。愛する人の元へ馳せ参じようと。もう愛してもらおうとは思わない。ただ、一緒にいられればそれでいい……


 そんな些細な希望を胸に、彼女は瓦礫の山と化したメアリーズヒルの街へ、間もなくたどり着こうとしていたのである。


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