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羨望のリフレクト  作者: モイスちゃ~みるく
精霊使いの逆襲
101/169

六十九話 同調

 

「ドナちゃん! ”イ・十一”!」


「はい!」




 カチ――――ド ゥ ォ ォ ン !




「外した! ――――次! ”ロ・九”じゃ!」


「はいです!」




 ボッ―――― ゴ ォ ゥ ン !




「これも……くっ、次! ”ハ・十”!」


「いい加減に……くたばりやがれですぅ~~~~ッ!」




 ガ ゥ ォ ン !――――パラ……パラ……パラ……




「や、やりましたか!?」


「ゴォウ! ゴウゴウゴウゥ!?」


「ダメじゃ……悉く躱されておる」


「……ムキィーーーーッ! なんてすばしっこい奴なのです!」



 爆弾魔ボマーは精霊使いにこれ以上の妨害をさせぬべく、持ち前の爆弾を用いカタを付けようと試みる。

 それを補佐するのが隣にいる”火の”精霊使い。

 火の精霊は爆弾によってまき散らされた業火を潜り、水の精霊使いの位置を確実に補足する事ができた。

 つまり爆弾魔ボマーが作り上げた炎の密林に潜むことにより、”姿を隠したまま”一方的に攻撃を加える事をが可能となる。

 火の精霊が視た物を女はそのまま爆弾魔ボマーに伝え、爆弾魔ボマーがその位置に該当する爆弾を起爆。

 互いをよく知るが故の絶妙な連携である。

 が、しかし――――これだけの好条件であるにもかかわらず、「水の精霊使いを仕留めた」と言う報だけは未だ入らない。



「どういう事じゃ……奴に爆弾の位置はわからぬはずなのに……」


「ゴウ! ゴゴゴウ! ゴォウ!」


「なんじゃと!?」


「どうしたんです?」


「……精霊使い殿が”こちらに近づいている”らしい」


「ええ!? なんでぇ!?」



 ママと呼ばれる女は精霊により伝えられた目視情報を口頭で伝えるべく、即席の方眼紙グリッドを思いついた。

 自分達の位置を中心に横軸を「イロハニホヘトチリヌルヲ」縦軸を「一から十二までの数字」に置き換える事で、幼い爆弾魔ボマーにも伝えやすい暗号座標となる。

 この法則に基づけば、彼女らの位置は方眼紙の中心。すなわち「ヘ・六」となる。

 対して精霊使いの移動順序は「イ・十一」→「ロ・九」→「ハ・十」


――――誰がどう見ても、”特定”されているのは明らかであった。



「精霊使いめ……直接乗り込んでくる腹積もりかえ?」


「でもどうやってです!? 水の精霊さんにそんな力あるんですかぁ!?」


「そうじゃ……わっちそこが気にかかっておる。何故奴はこうも”迷いなく”我らに近づけるのじゃ」


「以下に水の精霊が火を鎮火しようと、視界は火の手に阻まれておる。加えて黒煙にガレキの山……視界は最悪じゃ。なのに……」



 精霊に詳しいが故にわかる事、「水に探知能力なぞない」。その事実が余計に二人を混乱させる。

 半視認状態から狙って爆破を起こしているにも関わらず、水の精霊使いはそれらを”直前で”察知。

 悉く爆弾を躱したあげくに、何故か自分達の居所まで掴まれている。

 その内訳を解かぬ限り、精霊使いの動きは止められそうもない。そう、「わかっているのにわからない」。

 この矛盾する思考が二人の心に摩擦を作り、炎の滾る炭ような”燻り”を生み出した。

 


「――――ゴォウ! ゴゴゴゥ!」


「くっまた……ドナちゃん! ニ・七!」



 二人は、思い込まされていた。

 今自分達に向かって来ている人間の「精霊使い」という呼び名から、てっきり精霊を操る人物だとばかりに。

 しかし本来、精霊使いの操る物は水などではない。むしろ、”最も関係がない”。

 「精霊使い」と言う呼称はあくまで周りが勝手に名付けた呼び名である。

 精霊使いの少年の本来の呼び名は――――少年が持つ”アカウント”の中にあった。



 

 ド ォ ォ ン !




「――――うわっとぉ!」


『またや! 連中、明らかにわいらを”ピンポイント”で狙っとるぞ!』


「どうやってだよ!? 爆弾ってそんな機能あったっけ!?」


『やろうと思えばできんくもないけど……そんな大層なもんつけたら、せっかく隙間隙間に隠してたのがモロバレや』


「コポォ!?」


『何か別の手段でわいらを見とるんや……何か……別のんで……』



 爆弾魔ボマー側の二人が精霊使いの動きに翻弄されている頃。精霊使いもまた、テロリストに対し翻弄されていた。

 浴びせられる発破は巻き込まれたと言うよりもまるで自分達を中心に爆発している様子。

 精霊使いアルエは、爆発が明らかに”自分達を狙って”爆破されている事に強い疑問を抱いた。

 遠隔操作で遠くから起爆できるのは理解できる。

 しかし視界までも遠くから見渡せるとなれば、爆弾とは別の手段で見ているのだと、嫌が応にも気づかざるを得なかった。



「……監視カメラ的な奴かよ!?」


『う、う~ん。それに近いもんやろな……ひょっとすると爆弾をひっつける時に、ついでに付けといたんかもしれん』


「~~~~ッ! トコトン用意周到だな!」



 両陣営共に、奇しくも同じ悩みを持っている事は互いに知る由もない。

 爆弾魔ボマーはそれ故に決定打を浴びせる事ができず、アルエもまた容易に近づく事ができない。

 ある意味で共通している両陣の思惑は、思考の果てに一つの結論に至る――――「今はとにかく行くしかない」

 この結論を元にアルエは再び歩を進める。同時に、爆弾魔ボマーも再び――――



『ッ!? そこストォッーーープ!』


「ッとっとっとォ!」




 ド ド ォ ッ !




「――――ダメじゃ! やはり奴は、”なんらかの手段”でわっちらの起爆を見抜いておる!」


「うう~……ど、どうやってですかぁ……」


「何か掴んだか!? ヒーちゃん!」


「――――ゴォウ! ゴゴゴゴォウ!」


「変な箱と会話している……? なんじゃな、それは」


「あの~、それってもしかしてぇ……」



 「箱と会話」この一言がキッカケでドナはふと思いつき、その手に持った”起爆装置”を見せつけた。

 無数に仕掛けたおびただしい数の爆弾。

 その一つ一つに起爆信号を送る事を可能にする、斬新かつ”少し古い”文明危機を。



「け、ケータイ電話か!?」


「確か、ええとぉ……”スマートフォン”とかいう次世代の通信端末ですぅ。今までのケータイと違って、なんでもパソコン並みの処理能力があるだとかなんとか……」


「電話にパソコンが……? すまん、わけがわからぬ」


「ママさんは電話そのものが珍しい人ですもんね」


「ぬ、バカにするでないぞ。さすがに電話くらいは家に……っと、そんな事はどうでもよい」


「だとすればその”すめぃとほん”とやらが、奴を我らに近づけておるのか?」


「ドナちゃんも現物は見た事ないですけど、これにもGPS機能はあります」


「その上位互換機って事は……十分、ありえるです!」


「くぅ……時代の流れは速いのぅ……」


「言ったでしょ。技術は日々進歩してるのですぅ!」



 ドナの言う事は一言一句違わず正解である。

 ただ、この発言に一つ付け加えるとするならば――――”進歩しているのは技術だけではなかった”。



――――




「~~~~ッ! やっぱ苦い!」


『丸々噛むからや。細切れにして飲み込んだらええやろが』


「コポ!」



 邪魔な火を水で消しながら着々と進歩するアルエ。

 途中、浴びせられ続ける熱気により再び倒れそうになるものの、”山賊に貰った魔草”がその症状を防ぐ。

 低下した身体能力を強力な滋養作用でリカバー。加えて脱水の問題も水玉が解決してくれる。

 アルエの歩を止める物は何もなかった――――爆弾と、立ち込める炎以外は。

 


「監視カメラ……どこだ! どこにある!」


『んな簡単に見つかるかい。超小型CCDとかやったらわかってても見つからんぞ』


「CCDって……連中テレビマンかよ!」


『いやただの例えやし……一つわかるのは、向こうはワイらの動きをどっかで見とるって事や』


『だから防犯カメラとか使って見てるんちゃう? って思っただけ』


「どこかから……見てる……?」



 昇る炎。繰り返される爆発。そしてこの二つに右往左往する自分を、どこかから見ている爆弾魔ボマー

 アルエの脳裏には幻想イメージの中の爆弾魔ボマーが、さぞかし邪悪な物に映った。

 それはいつか見た後輩をしごいて嬉々としている、下衆な上級生の歪んだ表情のように。



「…………見下ろしてんじゃねぇーーーーッ!」




 パ ァ ン !




「ちべたっ! なんか飛んできたです!」


「水……?――――ハッ!」




 パァン! パァン! 




――――パパパパパパ ァ ン !




「あ、あのアンポンタンッ! 今度はやたらめったら水を”まき散らし”始めたぞ!」


「うわわ、自暴自棄ですぅ~~~~!」


「くそぉ、これでは火が……ヒーちゃん! まだ火に乗れるか!」


「――――ゴォウ!」



 アルエが繰り出しているのは先ほど爆弾を相殺した【水風船】の劣化版。威力を落とし連射性を重視した変則技である。

 水の乱打が火が荒々しく掻き消していく。

 その行動は単なる八つ当たりではあるが、結果として爆弾魔ボマー側の視界を塞ぐ事に成功した。



「やはり……火と水では相性が……」



 消えゆく火の視界の最中。

 ママは次なる一手を紡ぐべく――――一つの”賭け”を行う決意を決める。



「……ドナちゃんや、聞け」


「はい……」


「おそらく、奴がここにたどり着くのは時間の問題じゃ。奴にとって、火など何も恐るるに足らんのじゃ」


「だって、水ですもんね……」


「じゃがおんしの”爆弾”なら、まだ可能性はある。奴の操る”水”事吹き飛ばせあるいは……」


「でも……全然当たらないです。ていうか、あの一斉起爆を”相殺”された時点で、たかが一発当てたくらいどうにかなるとは思えないです……」


「……」



 ドナがテロリストにあるまじき弱気な態度を見せるが、ママは咎める事無く笑顔で答えた。

 ママの赤ん坊をあやすような柔らかな口調が、ドナの不安を癒す。

 ドナは、なんとか活気を取り戻した。

 鼻息をふんと吹き出し、まるで弱気な自分を押し込めるかのようにして再び自分を奮い立たせる。



「おう、よしよし……」



 テロリスト内でも年長者のママにとって、口先八丁で子供をごまかすなぞ動作もない事であった。

 戦場において万が一相方が折れてしまえば、組んだ自分も危険になってしまう。

 故に精神メンタルのケアは意外と大事な要素であると、ママは前々から把握していた。

 ある意味暗示のような虚構の話術。が、ドナの不安を解消せしめたのは――――

 


 ”本当に可能性があった”からである。



「よいかドナちゃん。精霊をな、最大限に使役するには従者との”意思疎通”が大事なのじゃ」


「使用者のイメージを精霊がくみ取る。その同調シンクロが高ければ高い程、精霊はより強い効果を発する」


「精霊は魔法とは違い独立した存在じゃ。故に、こちらから”意図的に”同調シンクロを外すのじゃ」


同調シンクロとは速い話がチームワーク。わっち達と同じじゃ」



 ママは火の精霊を扱う。

 この火の精霊との付き合いは大昔から続く”古い関係”である。

 故にママは熟知している。精霊を扱う者の恐ろしさと、同時に”弱点”も――――




「どちらかがダメになれば、もう片方もダメになる。それは我ら同じ志を誓い合った一蓮托生の身であるが故……これは言われなくとも、わかるな?」


「でも……精霊屋さんをどうやって?」


「わっちが受け負おう。あのようないつ組んだかも知れぬ急造コンビなぞより、長年寄り添い合ってきたわっちらの方が”格”は上じゃ」


「今その証拠を見せてやるわ……そら! 舞えよ精霊! 我が眷属!」




――――ゴォウ!




「ッとぁ!? また爆発か……?」


『いや、ただ火が勢いづいただけっぽい』


「……の野郎、邪魔だ!」



 不意に上がった火の手にアルエは間髪入れず水をぶつける。

 いい加減燃え盛る火に気だるさを覚えたアルエは、火を恐れる所か自分から向かえ撃つようになり始めていた。

 しかしその心情の変化に、肝心の本人が気づいていない。

 アルエは、仮想現実ゲームにおける直接的な戦闘には慣れている物の、こういった水面下での戦いはほぼ初めてと言っていいほど無頓着であった。

 加速的に飛躍する美麗な映像の進化の前に、盤ゲームのようなレトロな遊びは今時の中学生にとって刺激が足らない。

 理論と理屈を長々と練り上げる”静”の遊びに興じるには、アルエはまだ若すぎた――――




 ゴ ゴ ォ ウ ! 




『おお!? 増えた!?』


「な、なんでさ!?」


『引火物質でもあったんか……? せやったら、ちょっと骨やぞ!』


「ボヤに付き合ってる暇はない! スルーだスルー!」





 ゴ ォ ォ ォ ォ オ オ ! 





「 逃 げ ろ ! 」




 ただでさえ混乱を極めるこの状況。

 湧き立つ火の手を解明する事もなく逃げの一手に走るのは、普段めんどくさがりなアルエにとって当然の事である。

 一応爆弾魔ボマーと対面した時の事を考えて、「なるべく無駄な技の使用は控えたい」と言う大義名分はあるにはある。

 しかし年相応なのか個人の性格による物か。アルエは結果ばかりを重んじ、そこに至るまでの”過程”を重視しなかった。

 「どこかに抜け道はないか」と思いながら火の海の中を駆ける。

 その考えをより増長させるのは、水玉による火への安心感。

 そんな風に考えている事自体――――”ママの手に平に踊らされている”と言うのに。

 

 

「ふん、所詮は小僧じゃの!……と言うわけでドナちゃん。わっちはあやつを好き放題踊らす事ができるわけじゃが」


「ただ、それだけじゃ。わっちの精霊が火である以上、水であるアイツを倒す事は決して叶わん」


「決め手は、やはりドナちゃんしかいないのじゃ……わかって、くれるな?」


「うう……精霊屋さんを倒す方法……」


「……」



 ママは心の中で祈った。

 相手が自分と相性が最悪である限り、自分はあくまで相方ドナの補助でしかない。

 ドナがなんとか解決策を思いついてくれない限り、このままでいると二人同時に共倒れ……

 それほどまでにアルエの存在が、二人に危機をもたらしていた。



「…………あった、かも?」


「見つけたか!」


「いやでも……これ……すごく危険ですぅ。あんま自信ないっていうか……やめといた方がいいって言うか……」


「なんでもよいのじゃ。申してみよ」


「まだ起爆してない爆弾が密集している所があるです……ママさんがお水さえなんとかしてくれれば……」


「ほぉ! 粉みじんにできるわけじゃな?」


「でも……場所が……」




――――ゴ ゴ ォ ウ ! 




「――――ッ!?」


『なんか……急に火の勢い強くなってないか?』


「かぁ……火まで邪魔するかよ!」


「コポッ! コポッコポッ、コポポポポ!」


「え、何?……火の中から魔力を感じる?」




――――



「ママさんの考えてくれた図で言うと……”へ・七”の場所ですぅ」


「そ、それは……!」


「はい。火の精霊さんで見るまでもないです――――すぐ、そこです」





――――ボ ォ ウ ン ! 




「コポッポ! コポコポッ!」


「なんか知ってる感じの魔力……? どゆこと?」


『あの火ぃお前の知り合いやとでも言うんか?』


「コポォ……」


「でも待って。火の中に魔力が混じってるって事はさ」


『炎系の魔法……? だとすれば、相当な使い手やぞ』


「じゃあこの火、全部魔法なのか!? オーマ以外にこんなんできる奴いんのかよ!」


『いや……そら探せばおるやろ。火専門の魔導士とかなんかそんな感じなんがよ』


「マジかよ……」




――――




「う……目と鼻の先じゃ」


「ここからでも見えますよね? えっと……あ、あの辺です」


「精霊屋さん、こっちに近づいてきてるんですよね? じゃあ自分から勝手に入ってくれると思うです」


「か、かなり危険なバクチじゃの……」



 二人には逃げると言う選択肢がなかった。

 シロクロつけたいと言うプライドもさることながら、現実問題として”逃げる=悪手”に繋がる状況でもあるからである。

 アルエは今、ママの操る火に踊らされている――――この時アルエは気づいていなかった。

 自分が逆に、”踊る事ができなく”している事を。

 


(は、挟まれておる……!)



 ママは火を通して遠くの状況が見える。故に、見えてしまった。

 仮に逃げを選んだとして、その先には今と”そう大差ない窮地”が待ち受けている事を。

 アルエが一人で爆弾魔ボマーを仕留めると判断した事実が、思わぬ形で現れた。

 退路の道中に君臨するのは……やたら巨大な”トカゲの救助隊”である。



「く……ドラゴン……!」


「ママさん、どうするです!? もうこれしかないです!」


「やるです!? やらないです!? ドナちゃんは……”覚悟”できてるですよ!」


「……」



 ママは、即答する事ができなかった。

 この未だかつてない窮地。自分だけならまだしも、隣にいる”小さい仲間”まで巻き添えを食う可能性がある事に強い罪悪感を覚えた為である。

 ザラつく心中に重荷が擦れる。しかし、逃げるにせよ戦うにせよ。

 どちにらにしても”絶対に”失敗してはならない。

 自分達がこの場で陥落してしまえば――――それは頭領である”英騎”の危機に直結してしまうのだから。



「……愚問じゃの、ドナちゃん」


「あの時皆で誓い合った事をもう忘れたか……我ら解放の使者。世界を安寧に導く者ら」


「世界が真なる安らぎに包まれるその日まで……何があろうと決して折れぬ、と」


「じゃあママさん!」


「やるぞドナちゃん。英騎の道を……”切り開く”……!」


「はいです!」




 その頃、アルエの眼前にはまたも炎が立ちはだかっていた。




「うぜえ……いちいち火遊びに付き合ってる暇はないんだよ!」




 炎を通してママは、改めてアルエを視認した。




「いい加減目障りじゃ……子供の水遊びに付き合う程暇ではない!」




――――



……




「どけ! 掻き消すぞ!」




「退け! 焼き払うぞ!」






 両者の叫びが、炎を介して同調シンクロした――――






「  失  せ  ろ  ! 」





                           つづく 


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