巳
娑婆と違いて おさなごの
雨露しのぐ 住処さえ
無ければ涙の 絶え間無し
河原に明け暮れ 野宿して
西に向いて 父恋し
東に向いて 母恋し
恋し恋しと 泣く声は
この世の声とは 事変わり
悲しさ骨身を 通すなり
――――
……
(めんどくせえ)
夏の湿った熱気が残る午後――――。
僕は窓の外を、ただただぼーっと見晴らしていた。
「――――だから、ここがこうなってこうなるから……」
そんな僕の耳には今、何とも退屈な声が聞こえてくる。
席の少し奥まった位置。教壇と呼ばれる場所から、懸命に教鞭を垂れる担任教師がそこにはいた。
担任はこの場にいる全員に、必死になって「勉学」を伝えようとしている。
涙が出る程の熱心さだ。だがしかし――――残念ながら、その声は誰にも届くことはない。
「――――だから……おーいみんな! ここ要チェックだぞ!」
その証拠に、辺りを見渡せばどうだろう。
まず、パっと目に入った隣の席の奴。こいつは今、グーグーズーズーと絶賛爆睡中な次第だ。
そしてそれは、何もこいつに限った話じゃない。
もう少し目線をやれば――――明らかに、頭を下に向けている奴が過半数を占めている。
他にも起きているはものの、教科書に挟んだ漫画を読んでいる奴。スマホをいじっている奴。
中には、教科書にしょうもない落書きを嬉々として書いている奴もいたり、等々……。
その模様はまさに十人十色。
この狭い教室の中には、実に色取り取りな光景が広がっているのだ。
(……ねむ)
そしてそれは、僕自身も例外ではない。
教鞭とその合間にカツカツと聞こえるチョークの音が、まるで安眠を招くBGMにすら聞こえてくる次第だ。
午後の木漏れ日も相まって、それらは実に心地の良い眠気を誘う。
ともすれば必然。授業内容が頭に入る余地など、最初っからありはしないのだ。
「となるとここは……」
この際だからハッキリ言わせてもらうが、僕にとって……授業なんぞ退屈以外の何物でもない。
義務教育と言う物が始まってからの長きに渡り、この退屈にひたすら耐え忍ぶ事はや8年。
今までずっとそんな調子だった僕に、今急に溢れんばかりのやる気が舞い降りるはずもない。
舞い降りるのは他の連中と同じ――――眠気のみである。
(……ふわぁ)
やる気のないまま、ただこの場にいるだけでしかない僕。
そしてそれは多分、これからも、きっとそのままなんだろうと自分で思う今日この頃。
だから僕は、終業のチャイムが鳴るその時まで――――
こうしてただ、流れる時間に身を任せているだけでしかないのだ。
(今週末……そういやクラン戦やるっつってたっけ……)
無論そんな生活態度の甲斐あって、テストは万年ワーストレベルを維持している始末だ。
そしてそんな不名誉をカバーする運動神経も、残念ながら僕には備わっていない。
運動も勉強も、単純に嫌いなんだ。理由は簡単――――「めんどくさい」から。
「いいかー! ここは今後も出て来る大事な所だから、がんばって覚えるんだぞー!」
「わかんない奴はわかる奴に聞けー! 何なら先生に直接聞きに来てもいいぞー!」
そして何よりめんどくさいのが――――所謂「人間関係」。
勉強が出来る奴。運動が出来る奴。出来る奴は出来る奴同士で固まるのが大体の常って奴だ。
だが僕にはそんな物、存在どころか発想すらも湧いてこない。
人と積極的に関わろうとした記憶なぞ、いくら掘り返そうとも一切しない。
完全に白紙って奴だ。そしてそうなったのも、また至極単純な話。
(速く……帰りてえな……)
――――めんどくさい事、だらけだからだ。
(後もうちょいか……)
そんな生活を長く続けた甲斐あって、周りからは「何考えているかわからない奴」と評価を下されるに至った。
大人も同級生もみな、等しく僕の事をこう評価する。
無愛想で卑屈な――――俗にいう「クソガキ」と。
人から見れば、僕は実に暗い学生生活を送っていると思われるだろう。
下手すると哀れみの感情すら向けられるかもしれない。
しかし気遣いは無用。僕にとっては、これがいつもの「日常」なのだ。
成績が悪かろうが、運動ができなかろうが、誰からも相手にされなかろうが関係はない。
僕には一切、何の問題もない話なのだ。
「…………あ」
何故なら僕には、ちゃんと「生きる糧」を持っているからだ。
暗い暗いと言われる僕の日常。だが、言いたい奴には言わせておけばいいのだ。
故にそれらの言葉、まるで聞くに値せず。
僕は日々の生活の中で、暗い日常を照らし出す”光”を、すでに見つけているのだから。
――――僕は授業中は、必ず「窓」を見る事にしている。
別に平和な外の光景をこの目に焼き付けているわけではない。
窓の向こうにはその――――”僕の光”が、必ず映り込むのだ。
「じゃあ北瀬。そうなるとこの解はどうなる?」
「――――はい、答えはx=3です」
(さすが……)
”光”は今突然抜き打ちで当てられたにも関わらず、尋ねられた問題をいとも容易く答えてのけた。
僕の頭脳では到底解けきれない難題を、光はこうして、毎回毎回易々と答えてのけるのだ。
その瞬間の光は、いつも以上に凛々しく、そして美しく。
幻かと疑う程に――――実に幻想的な”輝き”を僕に魅せつけてくれる。
「グッド! いやぁさすがだな!」
「いいかみんなー、この問題は前回出題した範囲の応用問題だー。だから、基礎をがっちりと勉強してれば解ける問題なんだー!」
「解けなかった奴は復習が足らないんだー。反復して脳に覚えさせる。それが勉強のコツだぞー!」
(また始まったよ……)
今のこの講釈は、うちの担任が口癖のようによく言う、お決まりの「教育理論」って奴だ。
長々といらん事を話しているが、要は「努力は天才を超える」と言いたいだけだ。
無駄な話が多すぎるし、ありがちだし、そもそもその話は何度も聞いた。
ついこないだも同じ事を言ったばかりのはずなのだが。こいつの記憶には、その辺は残されていないのだろうか。
「先生はな、天才なんていないと思うんだ。天才と呼ばれる人たちは普段からこのような努力を――――」
(うるせえ黙れすっこんでろ)
うんざりせざるを得ない下らぬ精神論――――だが実は、僕はこの話が”大好き”だったりする。
好きと言っても、話自体には一切感銘は受けていない。
僕が好きなのはこの話が始まる”タイミング”なのだ。
この話をする時は決まってある法則がある。
それは僕が毎日、窓越しに視線を送っている「光」に対して向けられる事。
光の輝きをより一層際立たせる引き立て役を、担任自らが買って出てくれる事――――
「――――この芽衣子のように!」
(…………さすが)
そう、この話は成績優秀な”彼女”を褒める為に使われる事が多いのだ。
生徒一人を褒めるのにこの長々とした語り。どう見ても完全にえこひいきである。
だが……彼女が褒められると僕もうれしい。だから僕は、この話が大好きだ。
そしてこうして、担任が彼女を名指しで褒める事で――――
ほんの一瞬だけ……僕が彼女を”目視”できるチャンスを、与えてくれるから。
「めーこ、また褒められたね」
「はやく……着席させてくれないかな」
と言った具合に、照れを全面に出した彼女の表情は、僕の心をキュっと締め付けてくれる。
――――彼女の名は「北瀬芽衣子」。
今の解答っぷりからわかるように、成績は常に上位。
運動神経も申し分なく、加えて愛想もよく周りの評価も抜群だ。
常に笑顔を絶やさぬ光のような存在。
その場にいるだけで周りを「明るい気持ち」にさせてくれる存在。
それはまさに、言うなれば「聖女の如し」と言った所か。
退屈な日常を照らし出してくれる、高貴な存在――――そして、僕の中にある、唯一の光。
「や~い優等生~」
「もう……」
――――ふがいない事に、僕はその笑顔に一撃で仕留められてしまった。
彼女からしたら、いつもの愛想から来るいつもの表情なのだろう。
だがしかし、よもやそれが、心の臓に突き刺さる程の破壊力を持っているなんて……
僕自身も、寸でも思っちゃいなかったさ。
(……あ)
照れながら着席する芽衣子。
その動作の合間に、彼女の膨らんだポニーテールが揺れたのが見えた。
ただ着席するだけ。それだけの事なのに、彼女の姿は実に煌びやかなのは何故だろう。
そしてそんな彼女だからこそ、行動の一つ一つが――――窓の反射によく映る。
(もう……終わりか)
――――僕が彼女を見る時は、こうして大部分が”窓越しで”である。
今のは担任に当てられたから、自然にチラ見ができただけだ。
我ながら実に情けない事ではあるが……やはり、普通に直視する勇気など、僕にはありはしないのだ。
だってそうだろう?
仮に僕が、学校にいる間常に芽衣子をジッと凝視しているとしよう。
だとするとその熱い視線に本人はもちろんの事、当然回りの連中も気づく。
そうなったら後はもう、もうほんと……大変な事になるのは、目に見えている。
「ねーねー知ってるぅ? サッカー部の三村先輩、芽衣子に気があるんだって~」
「ちょっと、授業中だよ」
「いーじゃんちょっとくらい。ねね、芽衣子は三村先輩の事どう思ってるの? あの人超イケメンで芽衣子とお似合いじゃ~ん」
「ええ……別に私は……そんな……」
あの芽衣子に丸聞こえのヒソヒソ話を仕掛けている、見るからにパーそうなもう一人の女子。
イエメンだか何だか知らんが、ナチュラルに人の恋路を暴露している様からわかるように、あの女子はかなりの口軽で有名な奴だ。
きっと前世は飛脚かなんかだったんだと思う。
そう思えるくらいに、奴の情報伝達能力は定評があるのだ。
(サッカー部の三村……? オーケィ。後で上履き隠しとこ)
仮に万が一、僕の思いが「奴にバレた」場合の状況を想定しよう。
そうなったらまずあいつが意気揚々と言い触らし周り、その結果あいつがクラス全体まで情報を回した挙句、最終的にあいつが「学校全体」に見事拡散し切ってくれるだろう。
しかも尾ひれ背びれを大量につけられ、もはや別物と呼べる存在に生まれ変わると言うおまけ付きだ。
……想像しただけでサブイボが立った。
登場人物が一人しか出てない気がするのだが、まぁあの飛脚女はどうでもいい。
問題は――――芽衣子の方だ。
あれやこれやと囃し立てて来るであろう他の連中とは違い、彼女の場合はきっと「気にしてないよ」といつもの愛想を振りまいてくれるだろう。
しかしそれが、僕にとっては耐え難い苦痛なのだ。
「――――こら、そこ! 静かにしなさい!」
「ほら、怒られた」
「てへへ……ごめりんこ」
飛脚女の巻き添えを食らったにも関わらず、やはり芽衣子は”いつもの”微笑みを見せた。
このように、”いつもの”ように”いつもの”笑顔を見せる事。
この行為こそが、彼女にとって僕が「その他大勢」の内の一人でしかない事を証明してしまうのだ。
ひょっとすると、もうすでにそうなのかもしれないが……しかしやっぱり、真相を知る勇気はない。
あるはずがない。だって、そうなってしまったが最後。
僕の中の唯一の光は、その時を持って完全に消滅してしまうのだから。
(やっぱ……ないよな……)
このわずかに残った些細な可能性を結論付ける勇気が、僕にはなかった。
だから僕は、これでいいのだ。
窓に映る、彼女を見ているだけで――――
「えっと、どこまで行ったかな……」
「……」
――――ジリリリリリリリリ!
(おわ!?)
その時、教室にけたたましく鳴るベルの音が鳴り響いた。
教室だけではない。学校全体に同じ音が鳴り響いているのだ。
一体なんだと言うのだ……とか考えてる間に思い出した。
そうだ、そう言えば今日は――――
『ただいま 4階から 火災が発生しました』
『生徒の皆さんは 落ち着いて 先生の指示に従って 速やかに 移動を 開始して下さい』
(避難訓練かよ)
忘れてた……そういえば今日避難訓練をするとか言ってたっけ。
忘れていた分際で言えた口ではないのだが、知ってても多分驚いていたと思う。
それくらい唐突で、かつ非常ベルの音と言うのは耳を貫くやかましさだ。
しかも芽衣子に見とれてた直後の出来事。中止しろとは言わんが、もうちょいタイミングをだな……。
「よーしみんな、校庭へ移動するぞー!」
「忘れるなー! お・は・しだぞー!」
避難訓練とは突如起こる災害に備えて行われる物だ。
その際に教え込まれる「押さない」「走らない」「しゃべらない」と言う三つの心構え。
実際に災害に見舞われた経験がないから何とも言えんのだが、うちのクラスの場合、こう言う訓練”だけ”は優秀と言えるだろう。
その証拠がこれだ。
「あー、折角気持ちよく寝てたのによ~」
「そのままバックれてぇ~」
「ベルいつまでなってんの? 動画の音が聞こえないじゃん」
「だりぃ~」
――――このありさまだ。誰ひとりとして真面目に受けようとはしていない。
押す所か誰かに触れる事もなく、恐ろしい程の実にスローな動きで、寝起きだからか、あくび以外はみんな無口一辺倒だ。
どう見ても、訓練になっていない。
存在意義がまるで感じられない行事だが、だからと言って完全撤廃を求める程でもない。
どっちつかずの中途半端なイベント。
だからみんなもさして本気にせず、こうしてただ言われた事を機械のように従っているだけなのだろう。
(……チャンス)
だが――――僕は違う。
だるさにかまけて、家畜のように指示に従うだけのこいつらとは”一線を画す”のが、僕と言う存在。
非常ベルの音が次げる「本当の意味」を知るのは、どうやらクラスでは僕一人だけのようだ。
本当に、勿体ない……この非常ベルの音は、”神が与えたもう猶予”と同じだと言うのに。
「ここと、ここと、後、ここも――――」
そう、この隙に真面目な奴の答えを”丸写し”するのが、この訓練本来の存在意義なのだ。
全般的に「だるい派」が過半数を占める我がクラス。
だがその中でも、貴重な少数派閥「真面目派」の目星を、僕はあらかじめつけている。
それは芽衣子の筆頭に2,3人程。そして嬉しい事に、その中一名は僕の席の真ん前なのだ。
「……よし!」
僕からすれば、どうして誰も気が付かないのか不思議でならない。
うちの担任がどういうタイプの人間なのかを、みんな知らないはずはないのだが。
奴は悪い意味で熱い。
勉強ができようができなかろうが、抜き打ちで予想外の人選を指名をしたあげく、「簡単に諦めんな」と答えるまでずっとしつこく粘ってくる……そういう、ひっじょ~にうっとうしいタイプの教師なのに。
奴には伝家の宝刀「わかりません」が一切通用しない。
だから、本当にわからなかった時の事を考え、事前に仕込みをせねばならないのだ。
(おし、これでいつ当てられても安心だな)
奴を出し抜くには、並大抵の小細工じゃ欺かれてくれない。
なればこそ、こうして「影で」努力する事が勝利の道筋となるのだ。
僕だって人前で恥をかかされるのは御免被る……しかも、芽衣子がいるこのクラスならなおさらだ。
僕は、芽衣子の前じゃ完璧でありたい。
所詮は似非でしかない僕が、本物である芽衣子に近づくには。
「光に付随する影になる」事。それしか、ないのだから――――
「――――コラ! いつまで教室にいるんだ!」
(――――おわっ!?)
例え、心臓が飛び出そうな目に合おうとも。
「も〜お前はほんとトロい奴だな〜。訓練くらい、キビキビと動いたらどうだ!? ええ!?」
(……なんだ。はやく行けと言いに来ただけか)
ぬかった……そりゃ教師は生徒の管理をするのが仕事なのだから、ここに最後まで残っているのは当然だな。
思わぬ落とし穴に完全に不意をつかれた形となったが、見つかったのが「行為」ではなく「姿」の方だったのでまぁセーフとしよう。
にしても、やっぱりこいつは悪い意味で熱い。
何とかならんのか。その怒鳴り声と間違えそうなくらい、無駄に張った大声は。
「先生、知ってるぞ。お前、みんなに影でラッコって言われてるそうじゃないか」
「そうやって水に漂うラッコのように、ゆらゆら、ダラダラとしてるから……」
(はぁ……?)
そして、この語りである。今のは僕の小学校時代のあだ名。
何故こいつがそれを知ってるのかはさておき、こいつはこうやって生徒に「慣れ慣れしく」する事をよしとしているらしい。
さっきだってそうだ。芽衣子の事を慣れ慣れしく下の名前で呼んでいた。
どうやらそうやって「親しみ」をアピールして、生徒の心を開かせようと言う算段……らしい。
(なんだよ漂うようにだらけるって)
だがお察しの通り、それらは全てものの見事に空回りしている。
確かに一時期「ラッコ」と呼ばれていたのは事実だが、その名にそんな大層な裏設定などない。
それは単に、僕の「フルネーム」を略しただけの物にすぎないのに。
しかも名付け親は当時の小学生。そんな僕の性質を考慮にするはずもなく、単なるバカの思い付きだ。
何より、そんな負のイメージを思い描くって事は……こいつが僕を「そう言う目」で見ている事を暗に示している。
やっぱり、こいつを恩師と呼ぶ日は来ないだろう。
中学に上がってからは一切、その名で呼ばれていないと言うのに……。
「お前も男なんだから、もっとこうシャキっとしたらどうだ?ええ?」
(うぜえ……)
……この中途半端に熱血な感じがたまらなく不快だ。
どうせ昔見たドラマに影響されて教師になったとか、そういうクチのアレだろう。
さっきもベラベラと自分の教育理論を捲し立てていたが、どうせそれもドラマかなんかの受け売りだ。
こいつの脳内では自分の言葉に感銘を受けた生徒が、キラキラと羨望の眼差しをしているのかもしれない。
架空の存在に憧れる奴は、大体そんな感じと相場が決まっている。
「そもそもお前は日々の態度がだらけすぎだ! 先生わかるんだぞ、お前のそういう所」
(何をだよ)
が――――残念ながらここはドラマの世界じゃない。故にその思いは、誰にも届く事はないのだ。
その証拠がこのクラスだ。
こいつの熱い教育論が生み出した物こそが、あの「だりぃ」を連呼する同級生共なのだから。
「もっとこう、生き甲斐を持って過ごせ! 青春は二度と戻らないんだぞ!? ええ!?」
(うぜえ……)
断言しよう……仮に同い年だとしても、絶対こいつとは気が合わない。
「――――はやくいけ!」
そんな奴だからこそ、いい気はしなかった。
「 江 浦 光 治 !」
「……はい」
――――名を、呼ばれる事が。
つづく