最初の日
まず最初に言いたいことがある...置いて行かれた。
何を言っているか全く意味がわからないので、とりあえず自己紹介をしようと思う。
俺の名前は田井中雅之、高校2年生だ。ある日いつもの通り友達達と学校から家へ帰ろうとしたら空から落ちてきた美少女に「助けてください」と言われ、なんだかよくわからんまま異世界へ行き、今さっき魔王を倒しました。-終-
ここまでなら、本屋のラノベコーナーにある本を探せばすぐ見つかるようなベタな設定だろう。だがな今ここで起こっていることはそんなことじゃないんだ。
なんやかんや魔王を倒し、元の世界へ帰ろうというときに、なぜか俺は大便をしたくなったのだ。もちろん友達には内緒でだ。当たり前だろう?高2で「俺、うんこ行くわ!」なんて恥ずかしすぎて言えるわけがない。
そして俺は内緒のまま魔王の玉座の後ろへ行き、大便をした。なぜかわからんが、この世に生まれてきて一番気持ちがよかったうんこだった、まぁ、偉大なることを達成したから当たり前だろう。
そして何も感じさせない顔で、元の場所に戻ったら.......
誰も居なかった
そう置いて行かれたのである。まぁ?クラスでも目立たない方であったし?影が薄いほうだったのでたまには置いて行かれることだってある。だがな今回は勝手が違うのだ。
ここは異世界なのである。前に言ったであろうが、俺はこの世界の住人じゃない。当たり前だろうがこの世界のお金も全くと言っていいほど持ってはいない。
とりあえず俺はみんなを呼んだ。もう叫んだ。喉が枯れるほど叫んだ。だけど返事は帰ってこなかった。
そして俺は「これは夢だ、違うんだきっと目が覚めればベッドにいる、そうだ」と独り言を言いつつ魔王の寝室へ行き眠った。
起きた。
そこには金銀財宝の装飾がある魔王の部屋があったのである。俺は改めて言った。
「あ、これダメだわ。」
そして俺は考えた。異世界への通行手段があるなら迎えがくるんじゃないか?とそうだ、そうに違いないと待ちに待った。
1日目:魔王軍残党が来た。ぶっ飛ばした。
2日目:魔王軍残党が来た。ぶっ飛ばした。
3日目:魔王軍残党が来た。ぶっ飛ばした。
4日目:魔王軍残党が来た。ぶっ飛ばした。
5日目:魔王軍残党が来た。ぶっ飛ばした。
そして....1ヶ月がたった....相変わらず迎えはこない。俺は決心した。そうだ!王都へ行こう!
俺たちを連れてきた女の子は王都出身の魔法使いだったはずだ。幸いなことにこの世界では魔法という概念があり、なぜか俺たち、つまり元の世界の人たちはそれを使うための魔力が豊富なのである。つまりこの世界では俺は世界最高ランクの魔法使いであり、その力を使えば王都へ戻れると思ったのだ。そして俺の元の世界へ変えるための計画が始まったのだ。