表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

やらCルート! ~偶然やってきた“めくり出会いルート”をあなたはモノにする~

作者: 栗野庫舞

本作のタイトルのルートは、英語表記ではrouteです。タイトルは二つの案で悩んだので、両方採用しました。

 あなたは小学六年生の頃、スカートめくりを目撃した。


 人の少なくなった放課後の廊下を歩いていて、集まっていた黒髪の女子三人組のほうを何気なく見ていたら、その光景があったのだった。


 男子のあなたは思わず、足を止めてしまう。


「白なんて穿()いてるんだー。子供っぽーい」


 めくっていたロングヘアの女子が楽しげに言う。


「えっ?」


 三つ編みの女子は、青い膝丈ワンピースのスカート部分の異変に気づく。すぐに背後でめくる女子の手を払った。


 一本の三つ編みが飛び跳ねそうなくらいに恥ずかしそうな顔をしながら、彼女はスカート後ろ側を抑える。


「……白って、子供っぽくてダサいよね?」


 小学生にしては色っぽい声で、あなたは同意を求められた。


 スカートめくりをしていた女子は、あなたが白い下着を見ていたことを知っていたらしい。


 あなたは気まずさを強く意識する。


 けれども、それと同じぐらいにあなたは、理不尽に思えた。


 自分でめくって見ておいて、相手を(けな)すのはおかしい。


 だから、挑発するような視線も送って来る女子に対し、やや反感を(いだ)く。


「別に白でもいいじゃん。特にダサいとは思わないな」


 あなたが答えると、一瞬だけ女子は気を悪くしたものの、すぐに余裕のある笑顔に変わった。


「でも、白よりかはこっちのほうがいいでしょ?」


 なんと彼女は、自分のミニスカートをめくった。


 ベージュのチェック柄のそれが、両手で持ち上げられている。


 あなたは下着の大部分を見せられて、言葉を失った。


「ピンクのほうがかわいいと思わない? 思うよね?」


 薄いピンク色のショーツは、繊細なフリルやリボンが美しい。それに、確かに彼女の言う通り、かわいらしさもあった。


 鮮やかで、色白の太ももとの相性も抜群。ショーツの薄さには透明感すらあるように思えてくる。


 あなたが彼女の姿に見とれていると、彼女の横でずっと頬を染めていた三つ編みの子が、同じようにスカートをたくし上げた。


 おとなしそうな女子が、恥じらいながらも下着を(さら)す。


「白だって、そんなに悪くないと思う……」


 彼女は気弱に主張する。


 その白い下着は、隣の女子のピンクの下着よりも布面積が広く、白いリボンがついている以外には面白みがない。


 それでも、彼女の精一杯の大胆さが、魅力を大幅に引き上げる。あなたは清純で素晴らしいと思った。


「ちょっとぉ、よそ見しないでよぉっ!」


 両手でスカートを上下に激しく振って、ピンク下着の着用女子は自己主張する。ちょっと焦っている姿がかわいかった。


 そんな中、三人組女子の残りの一人が手を動かし始める。彼女はズボン着用者だったため、あなたも気にしていなかった。


 それは大きな間違いだった。


「ちょっと待っててね」


 三人めの彼女がズボンのファスナーを下ろし、シャツをどかして下着を確認している。


 黒髪をゴムでまとめているこの子は背が高く、胸部の発育も二人を大きく上回っていた。


 彼女はファスナー周りを両手で外側に引っ張った。そのまま、目線をあなたに合わす。


「私のパンツは、薄い茶色で白の水玉模様です。リボンもついてるよ」


 彼女の主張通りのものが見ることが出来た。


「後ろも見てほしいな」


 第三の女子はズボンを膝下まで下ろし、あなたに背を向けた。上半身を倒して、大きな胸部を垂らす。


 フルバックに覆われたお尻を突き出した格好が、あなたに迫る。


「見るのはいいの! でもっ、私のだけ見てっ!」


 ピンク女子は巻き返しを(はか)る。足()りにレースがついた下着のお尻側を全て(さら)す。


「恥ずかしい……っ」


 そうは言っても、三つ編み女子は他の二人に合わせて、お尻側をたくし上げる。白一色で、三人の中で最も子供っぽい下着なのは間違いない。


「私のピンクが一番だよねっ?」


 ピンク女子があなたに声を飛ばす。


「私の水玉を選んでくれたら、後で抱きしめてあげる」


「じゃー私だって抱きしめてあげるもんっ! 早く私のピンクが一番だって認めてよっ! さすがに私でも、ずっとこの格好は恥ずかしいんだからっ!」


「……お願い。出来れば……私の白を選んで……ね?」


 三人とも誰一人として、お尻を引こうとはしない。


 あなたはこの三つのお尻の中から、一番を選ばなければならない状況になった。


 幸いにも、廊下には他の生徒がいない。早くお尻出しをやめさせたいと思いながらも、あなたは慎重に考える。


 下着、それを穿()いている彼女達自身の評価も入れて――。


 ようやく、あなたは一人の勝者を決めた。


   ◇


 あの時に感謝された女子と、今、あなたはつき合っている。


「……見る?」


 高校生になった彼女が小学生の頃と同じような系統の下着ばかり穿()いているのは、きっと、あなたのせい。


                    (終わり)

選択式のお話でした。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ