表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/36

30.選挙と改名

「おはようございます。」刑部が顔を出した。

塔子、稲子、烏丸は既に出掛ける準備が出来ていた。3人は、すぐに刑部のバンに乗り込んだ。

「代子は、当面病院に介護タクシーで直接通います。」と塔子が言った。

「留守番電話をセットしてあります。用意してくれた防犯カメラは、塔子さんと稲子さんがセットしてくれました。」と烏丸が報告した。

「刑部さん、何から何まで・・・情報ダダ漏れやったんですね。」


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 島代子しまたいこ・・・有限会社芸者ネットワーク代表。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩らしいが、小雪以外には、本名は知られていない。芸者の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。

 飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。カムフラージュの為、タウン誌『知ってはる?』を発行している。

 戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

 烏丸まりこ・・・芸者ネットワークの事務員。

 貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。

 西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。


 刑部政男・・・京都地検特別刑事部の警部補。

 橘吉右衛門・・・元府会議員。芸者ネットワークのスポンサーの1人。代子は「たーさん」と呼んでいる。

 灘康夫・・・京都府知事。元作家。「康夫ちゃん」のニックネームがある。

 弓矢哲夫・・・京都府警捜査四課刑事。警部。ひげ面で有名。


 =====================================


 ※京都には、京都伝統伎芸振興財団(通称『おおきに財団』)と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。

 現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。

 ※この物語に登場する『芸者ネットワーク』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。

 尚、会社名は『スポンサーが命名』したと言われている。

 リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子しまたいこである。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。

 ※芸者げいしゃは、一般名称として知られる名前ですが、東京をはじめとする関東地方で主に使われる言葉です。京都など関西地方では主に芸妓(げいこ、げいぎ)が使われ、京都では「芸妓げいこ」がうよく使われます。本作の島代子が、一般名称として分かり易い「芸者げいしゃ」を敢えて会社名に登用しましたが・・・。



 午前9時。芸者ネットワーク本部の外。

「おはようございます。」刑部が顔を出した。

 塔子、稲子、烏丸は既に出掛ける準備が出来ていた。3人は、すぐに刑部のバンに乗り込んだ。

「代子は、当面病院に介護タクシーで直接通います。」と塔子が言った。

「留守番電話をセットしてあります。用意してくれた防犯カメラは、塔子さんと稲子さんがセットしてくれました。」と烏丸が報告した。

「刑部さん、何から何まで・・・情報ダダ漏れやったんですね。」

「いや、盗聴器だけですから。それに、最近の機種らしいから、そんなに長く盗聴されていない、と思います。烏丸さんが、天井灯をLEDに変更したと、おっしゃったので、その時と考えてよさそうです。島さんの留守中でしたし。インターネットを通じてのハッキングの形跡も、東山署とのホットラインも大丈夫でしょう。稲子さん、各拠点には旅行の為留守になると伝えてくれたんですね?」

「はい。皆さん、たまには息抜きも必要よ、と言ってくれました。」

「では、息抜きに行きましょう。後は、我々の仲間の出番です。」

 一行は鞍馬温泉に向かった。

 刑部が、前回来た時に違和感を覚えて、職場経由で調査した所、盗聴器が発見された。

 芸者ネットワークは、有力スポンサーの橘が政界人であった為、時折狙われた。

 府知事の灘に確認すると、急逝した府議の補欠選挙が明日行われる予定だ。

 刑部のカンでは、その当日に、盗聴器の回収に現れる。

 それで、東山署と合同で張り込みをすることにしている。


 翌日。正午。

 電気店の名前の入った軽トラックが芸者ネットワークに到着した。

「待ってたわよ。オンナ待たせたら、後が怖いで。」と、チエが言った。

 やってきた2人は、すぐに逮捕された。

「依頼主は、アンタとこと懇ろの、あの人か。」と、弓矢が睨むと、男は顔を背けた。

「まあ、話は、ゆっくり聞かせてな。」と、チエは睨んだ。


 午後2時。鞍馬温泉。

 稲子達の部屋に、刑部が現れ、「逮捕しました。」と伝えた。

「あのー、差し出がましいようですが・・・会社名、この際、変えてみては?」

 稲子がスマホをタップして、テレビ電話にして刑部に差し出した。

「刑部さん。今、たーさんの了解とりました。新しい会社名は『げいこネットワーク』、『げいこ』はアルファベット。よろしくね。」

「私の我が儘が、会社を狙い易くしていたのなら、改名すべきでしょう。他の出資者にも了解取りました。御心配おかけしました。」

 橘はテレビ電話越しに、弾を下げた。


 刑部は、ただ頷くだけだった。


 ―完―


「いや、盗聴器だけですから。それに、最近の機種らしいから、そんなに長く盗聴されていない、と思います。烏丸さんが、天井灯をLEDに変更したと、おっしゃったので、その時と考えてよさそうです。島さんの留守中でしたし。インターネットを通じてのハッキングの形跡も、東山署とのホットラインも大丈夫でしょう。稲子さん、各拠点には旅行の為留守になると伝えてくれたんですね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ