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24.知り合うナンバー

「やっぱり頭がおかしいんやろうなあ。」と稲子と画面を見ていた塔子が言った。

「何のこと?」と代子が言うので、ホームページを「共有」にした。


========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

島代子しまたいこ・・・有限会社芸者ネットワーク代表。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩らしいが、小雪以外には、本名は知られていない。芸者の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。

飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。

戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

烏丸まりこ・・・芸者ネットワークの事務員。

貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。

西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。

小雪(嵐山小雪)・・・舞妓を経て、芸者をしている。神代チエの小学校同級生であり、代子の芸者後輩。


刑部政男・・・京都地検特別刑事部の警部補。


=====================================


※京都には、京都伝統伎芸振興財団(通称『おおきに財団』)と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。

現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。

※この物語に登場する『芸者ネットワーク』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。

リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子しまたいこである。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。



※芸能の神社として高名な車折神社くるまざきじんじゃが生成AIを利用した『美少女イラスト』を巡って、SNSで生成AI反対派による脅迫事件がありました。

このエピソードは、その事件を題材にしています。


午後1時。芸者ネットワーク本部。

「やっぱり頭がおかしいんやろうなあ。」と稲子と画面を見ていた塔子が言った。

「何のこと?」と代子が言うので、ホームページを「共有」にした。

そこに、刑部がやってきた。

「こんにちは。何、見てるんです?」と、塔子のPCを覗き込んだ。

「社長。ストーカー警備補さんですよぉ。」と、塔子は言った。

「ストーカー警備補さんはないでしょう。」と刑部は抗議した。

「でも、サボりですよね。」と、稲子が同調した。

「酷いなあ。社長、俺、嫌われてます?」と代子に向き直り、言った。

「まりちゃん、ごきぶり駆除剤、まだ、あったかな?」と代子も調子に乗った。

「失礼しましたー。」と言って、退散しようとする刑部に、「刑部さん、子供のお使いそすか?用事は?政治絡み?」と尋ねた。

「今、塔子さん達が見ていた、生成AIを使ったイラストについて、イラストレーターと神社に脅迫メールを送った人物が特定、逮捕されました。」

「それは、おめでとうさんどす。ほな。」と、代子は自分のPCを閉じた。

「つれないなあ。問題は、その先です。前のは『放火予告』メールで、SNSでも文字通り炎上したんですが、今政治献金絡みで捜査中の今川太助を釈放しないと、府庁を爆破してやる、という脅迫状を持った男が、鞍馬口付近で発見されたんです、遺体で。これを持って。遺体は、政治ゴロの立川満作。」

刑部は、そう言って、ビニール袋に包まれた、芸者ネットワークの機関紙を出した。

「あの付近のお店で機関紙を入手したかと思ったら、扱っている店がない。」

「回りくどいなあ、先にそれ、言ってよ。刑部さん、機関紙にはシリアルナンバー打ってあるんです。」と、塔子が言った。

「知り合うナンバー?」「笑われへん冗談言わないで。シリアルナンバーを確認すれば、どこで入手したか分かります。」と、塔子が刑部を睨んだ。

塔子が説明している間に、代子は、そのシリアルナンバーをキーボードに打ち、一覧表を出した。

「北区の金閣寺道にある、『はな金閣寺』さんですね。塔子、住所、プリントアウトして。そこから先は検察・警察の仕事ですね。頑張って、政男さん。」

「政男さん?」塔子、稲子、烏丸が同時に声を上げた。

「お邪魔しました。助かりました。」と言い、刑部は塔子が出したプリントと証拠物件用ビニール袋を持って出て行った。

「代子・・・。」「ちょっと、いちびっただけ。やっぱり気があったんやな。残念ながら、私のタイプちゃうけど。」と、代子はケロリとして塔子に応えた。

3人は、安堵した。

代子1人が笑っている。

電話が鳴り、烏丸が出た。

―完―



「代子・・・。」「ちょっと、いちびっただけ。やっぱり気があったんやな。残念ながら、私のタイプちゃうけど。」と、代子はケロリとして塔子に応えた。

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