火をつけた
火をつけるのつづき。
これで解決。
夢が寝起きまで続いた内容を雑にまとめたから、色々雑。
ホラーで終わるだけならこっちは読まなくていいかも。
火のついた練炭がまるで俺のようだった。ずっとくすぶっていた幼い日のおれ。
疑問も持たず受け取ったが、これを渡した奴は今思えばバケモンだった。俺が死ぬことが目的だったのだろう。
だが弟のおかげで目を開いてこれに気が付くことができた。
あの子が呼んでくれなければ目を閉じたまま死んでいた。
窓を開けアパート横を流れるドブ川に目をやると、不気味な靄が川の中から俺を見ていた。まるで獲物を狙うかのように
あれが、俺の可愛い大事な弟を!
怒りのあまり手元の練炭を投げつけると、底に沈んでいった。
手が痛い。だがまだだ。あの時、弟が煙草を川に流した直後に連れて行かなかったのは煙草が未使用だったうえに、川を流れ切っていなかったからだ。
そんなんで死んだふりのつもりか?
浅慮なくせに知能が足りない。慎重なふりをして単に臆病なバケモンは息をひそめているだけだ。
煙草の吸い殻を練炭のつぼに詰め込み同じ場所に投げ入れると、金切り声が響き渡り、影が浮かんで散っていった。
静かな夜、星空がきれいだ。
壁の時計をみると、午前2時30分ほど。
すっかり目がさえた俺は、いつも使う安い煙草ではなく、数年前に逝ってしまった爺ちゃんが愛用していた煙草に火をつける。
昔から近所の川の深さに怯えていたが、今思えば全部浅かったし、何なら目の前のドブ川はくるぶしぐらいの深しかない。
にしても、なぜ俺にバケモン自身の弱点でもある練炭をよこしたのか。アホだろ。
水辺に警戒した俺を殺せなかったから、火でやろうとしたのか?
割れて飛び散った練炭つぼを眺めて煙を吐く。
やけにスッキリした気分だ。
おしまい。
これから彼はホラーゲームの追跡者を逆に追いかけて始末するような、迷路で迷ったら壁を壊すようなやつに覚醒しました。心の中でカワユイ弟がいつも応援してくれてます。
あーあ、おばけちゃんのせいです。