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第1話「死因は1mものさし」

紅葉が何ヶ月ぶりかの食堂でわかめラーメンをすすっていると、食堂のテレビからあるニュースがふと彼の耳に飛び込んだ。


『ニュースです、昨夜○○県○○市で何かで腹部を貫かれた市在住の男子高校生の死体が発見されました。これで今年に入り○○県で何かで腹部を貫かれた高校生の死体が発見されたのは4度目、今回も同一犯による犯行と見られますが、どの事件も現場付近の全ての防犯カメラの映像から事件が起きたとみられる時間の映像が破損しており、今だ犯人を見つけるための手がかりが一切無い状況となっています。警察は事件の解明を急ぐとともに、○○県内の高校生にできるだけ一人での行動を避けるよう注意を呼びかけています。』


―― 久々にニュース見たら県内でエグい事件起きてるんだが…、もう今年も10月なのに全然知らなかった… ――


彼のフルネームは松田紅葉(まつだ もみじ)大学2年生現在一人暮らし。高校生活が楽しすぎて高校の友達を大事にしようと『大学では友達を作らなくていいや』という決意を固めた結果なんと!…現在大学内でぼっち、いや、高校の友達全員が大学で新しい友達を作り高校の友達とも遊ぶ機会がめっきり減った結果実質完全ぼっちである…。一人で色々とやっていかなくてはならない大学生活で周りに頼ることのできる人がいない状況は中々にストレスが溜まり続けるものだろう…。


―― あぁ、俺の『楽しかった日々の友達を永遠に大切にして過ごしていきたい』という選択は間違っていたのだろうか… ――


そんなことを思いながら帰るもう空も暗く人気のない大学からの帰り道、紅葉は突然誰かに話しかけられた。


「そこの貴方、ちょっといいですかな?」


「え?はい…」


そこにいたのはスーツ姿で白髪のメガネをかけたまるでどこかの学校の校長先生であるかのような見た目をしたおじさんだった。何故か手には1mものさしを持っている…


「この1mものさしを見てもらいたい、貴方は0cmから100cmの中なら何cmが好きですかな?」


―― 明らかにヤバい人に絡まれたー、だるー、なんか答えるまで着いて来そうな構えしてるし、適当に答えてとっとと去ろ ――


「66cmですかね」


「ほう、それだけで良いのですかな、まぁ貴方の望みに私が口出しする権利はございませんがね。…それでは66cmまで…、let’s stabbing!!!!」


謎すぎる掛け声をあげると同時におじさんは紅葉の腹部に1mものさしを背中から貫通するまでに凄い勢いで突き刺した。紅葉は口と刺された腹部からおもいきり血が吹き出し、地面に倒れる。


「オエェ!何すんだ…」


「貴方のお望み通り66cm分1mものさしを刺させていただきました、ホッホッホッ」


―― くっ、やばい、意識がどんどん朦朧としていく、このジジイがニュースで聞いた事件の実行犯かよ ――


「おいジジイ…」


「なんですかな?」


「オマエ、高校生だけを狙ってるんじゃないのかよ…」


おじさんの表情が完全に固まる。


「…え、ちょっと待ってください、貴方高校生じゃないんですか」


「…」


「…」


「おいジジイオマエまさか間違えて…!グアッ!」


大きな声をいきなり出した勢いで血がさらに溢れ出し、紅葉は完全に意識を失った…


「…まぁ別に良いでしょう、とっとと防犯カメラをいじりますかな」



〜第1話「死因は1mものさし」[完]〜




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