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目を開けたら、そこは牢屋でした〜敵国王子の攻略法〜  作者: 月下美人
第二章 敵国王子攻略編
8/8

偽物か本物か

ロベリア王子。

エリストリアの次期皇帝として、この世界で1割も満たない魔法を扱う者。そして、敵国であるアスティカンにとって最も殺したい人物。


「…なんか言ったらどうだ?」


そう、私の敵だ。


「おーい、聞いてるのか?」


本当ならここで殺してやりたい。しかし、ここは…敵国の城。どどどういうこと!?私は今、敵国の王子と同じ部屋にいて、しかもここはエリストリアの城…!?


「おい」


王子の怒りがこもったような声に気がつく。

1回落ち着こう。いや、落ち着けない。

私は焦りながらも慎重に彼の顔を見る。


「…なんです?」

「…なにがだよ」

「いえ、その表情」


まるで子供みたいに頬を膨らませ、私をじっと見つめていた。


「別に」


ふいっと顔を逸らす。こうみると本当に彼は王子なのだろうか?何故か幼く感じる。もしかしたら…


「私を騙すつもりですか?」

「は?」


この王子は偽物なのかもしれない。確かに魔法は使えていたが、彼が本物とは限らない。私は王子の容姿は見たことがないが、彼が偽っている可能性もあるのだ。きっと城も内装だけそれに見立てただけで…うん、絶対にそうだ。


私は何故か自慢げそうに鼻を高くした。


「なにか目的があるのでしょう?仕方ないので協力はして上げますよ偽物王子さん」


なら、別に協力しても構わない。偽物なのだから。

それに…今の私はいつ殺されても立場だ。それなら最後までこの国と戦ってやる…!


「…じゃあ、王子の俺に協力してくれるの?」

「えぇ。何度も言わせないで下さい。もちろん、出来る限りの協力はしましょ…」


その時、見たくもない王子の顔が目に入った。その顔は


「言質取ったからな」


意地の悪いエリストリアそのものを表す顔だ。


「ま、まさか…」

「お前さー、なに勘違いしてんだよ。俺が」


彼が私に近づくと同時にこちらに向かって来る足音が聞こえた。


そして、バンッと扉の音と共に大きな声で


「ロベリア王子!!」


その名が聞こえた。


「う、嘘…」


唖然とする私に先程来た使用人の様な人も驚いているようだ。


「ロ、ロベリア様…?この方は?」


彼はまた不気味な笑みを浮かべ、私の肩をグイッと自分の方に傾ける。


「今後、俺の専用護衛騎士になる女だ」


使用人は唖然として、口をパクパクさせている。私も頭が追いついていない。恐る恐る彼の顔を覗くと、彼はまた子供らしい笑みを浮かべていた。

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