1 奥田茜
この作品は前作「生徒会長で幼馴染な彼女と僕」https://ncode.syosetu.com/n9743ib/の続編です。
前作を読んでいないとわからないと思います。
大変申し訳ないのですが、前作をお読み頂いてから今作を読んで頂きたいと思います。
宜しくお願い致します。
「茜ー!まだ寝てるの?!お母さん、もう仕事行くからね!」
「…今日講義昼からだから、大丈夫。」
「ちゃんと起きて朝ごはん食べるのよ!じゃあ行ってきます!」
…嘘だ、本当は朝から講義はある。最近はまともに大学に通っていない。
私が高校3年生の頃、幼馴染で恋人だった大介を失った。
…バカだった。私は自分を守るために大介を傷つけた。
私は小さい頃から人より何でも上手くこなすことが出来た。
その度に親、友達から褒められ、いつしかそうなる事が義務になっていった。
「茜ちゃんなら大丈夫だね!」
「茜ならこんなの余裕でしょ!」
「茜は凄いわね!将来が楽しみね!」
やめて。私はそんなに凄くない。
次失敗したらどうなるの?みんな幻滅するのかな…?
みんなからは私は明るく活発な女の子だと思われていた。
本当は何もせずぼーっとする時間が好きだし、静かな時間が好きだった。
「茜ちゃん、遊んで!」
そう言って私の後を着いて来た大介。可愛かった。
大介は大人しい子で、外で走り回るより、家で本を読むのが好きな子だった。
2人で本を読む、静かでゆっくりとした時間が私を癒してくれた。
大介は、周りの評価に怯え必死で仮面を被り続けた私の、唯一の憩いの場所だった。
私は大介の傍に居たくて、大介に告白した。
勿論、大介の事を男の子としても好きだった。
付き合うようになって半年間は幸せだった。
大介とのキスはこんな事があっていいのかと思う程、幸せだった。
でも、どうしても大介と付き合っていることを皆に知られるのが怖かった。
完璧な生徒会長の仮面を被った私が、一つ年下の、皆から特に取り柄のないと思われている大介と何故付き合っているのかと好奇の目を向けられるのが怖かった。
大介と付き合って、仮面を被っている私を慕っている人達から幻滅されるのが怖かった。
周りから何を言われても、私が好きだから付き合っているんだと言えるほど私は強くなかった。
…そして、失敗した。運が悪かった。相馬君に肩を抱かれているのを大介に見られた。
いや、運が悪かったんじゃない。嫌だとはっきり断れば良かったんだ。
大介との約束を、自分からした約束を、生徒会の皆からの目が怖くて破ってしまった。
あれから大介と連絡も取れなくなってしまった。
学校でも怖くて、自分から大介に会いに行くことも出来ず、何度か家に行ったが大介は出て来てくれない。
それからの私は気力がなくなってしまい、全ての事がどうでもよくなってしまった。
相馬君から告白されたが、もうどう思われても良くなっていたので簡単に断れた。
第一志望だった大学も落ち、滑り止めとして受けた大学へ通っている。
その大学にも行く気力が起きない。1年生は必須の講義が沢山あるが、あまり行っていない。
あ!!そろそろ大介が帰ってくる時間だ!!今日も駅まで行かなくちゃ!
私はやっぱりどうしても大介と一緒に居たい。