第7話 サイホ!!
「ここです」
「おーこれはたしかに鮮やかなグリーンだな」
「ですね。なんかハッとする色」
鮮やかなグリーンの屋根と看板の小さな家。小さいながらも異彩を放つその建物の前まで来た部長一行。
「では参りましょう」
「おじゃましまーす」
店内は見渡すかぎり服がぎっしり、緑の色合いのものが多いみたいだ。入口からは全貌が分からない緑色の服ダンジョンといった感じだ。
「…………!」
「な、なんだ!? うお、いきなり」
突如、俺のスーツにベタベタと触ってくる白髪の渋いじじいが現れた。
「……動くな……」
「は、はい!」
「サイホさんお客様ですよ!」
サティがじじいに呼びかける。
「……服なら勝手に持ってけ」
「なんかすごい人だな」
部長は危険物持ち込み検査をされるかのようその場を動けずにいる。
「すみません部長さん。そのお衣装に興味があるのでしょう……」
「部長、なにやってるんですか……」
騒ぎが気になったユリが部長たちの後ろからそっと姿をあらわす。
「…………!?」
部長への興味を失ったのかユリの方へと突っ込みアイドル衣装をベタベタと触り出したじじい。
「え、ちょ!?」
「ユリ、ファンサービスだ!」
「えええ、部長!? え、まじ!? きゃ」