第68話 だいこん!!
「ひとり温泉会議をしたが……やはりファン、客だな問題は。ステージ、演出なんてうちの容姿の良すぎるアイドルならそこまでな。まぁそれもプランはあるが……妄想魔法レベルだがな……うーん」
舗装された石畳の通路の上で顎に手を当てぶつくさとつぶやきながら暗がりを意識せず見つめる部長。
「あんたこれから潜るの?」
「え?」
「ずっと穴の前にいると危ねえよ?」
部長の後ろから声をかけ現れたのは主婦? ギャル? 大根!? ガラのある藍色のヤッケのような服を着たパツキンの主婦ギャル大根だった。
「……あぁすみません。ちょっと潜って来ようかなぁって」
(予定とは違うがユリとサティさん、LIVE会場を少し視察していくつもりだったんだが……てかなんだこの人? 主婦? ギャル? 大根!?)
「その棒一本でか? あぶないしょ」
「いやー、そこそこにはつよいので!!」
「んー、実力者か? ……なら一緒に潜るしょ?」
「え?」
「ちょっと運試しの探索がしたくてぃ手伝ってくれぃ」
「運試し?」
「うん、運試し」
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「だらああああああ」
「大根どおおおおりる」
ダンジョンの通路を爆走する純粋? な暴力。
ヤツらが来た。部長と大根が。
走り迫る脅威、大根どりると黒い旋風が道中のモンスターを砕き叩き弾き光の粒へと還していく。
「だらああああ、ところで運試しってなんだったんだ」
「どおおおおりる、精霊さがしよぉ」
「精霊!?」
「精霊見つけたら大根中毒にして手懐けるんよ」
(大根中毒……ナニソレ!? さらっとおそろしいこと言ってんな)
「な、なぜ精霊さがしを?」
「ダンジョンで農業やっててしょ。待ってるだけの暇だしぃ新しい土ほしいんよぉ」
「農業……あれか……ダンジョン農法」
(てかしゃべり方安定しないな)
「そうよぉ。ぶっちゃけ農業とかわからんのよぉ」
「え?」
「ダンジョンにてきとーぉにまいたら育つからよぉ。あたしでも余裕しょ」
「……ハハハハ!! ダンジョン農法。……ひとつ提案があるんだが」
「なにしょ?」
部長と大根の即席パーティはテンポの良いコミュニケーションを取りながらダンジョンを荒らし駆け抜けていく。




