第98話 エメラルド!!
小型の黒い音貝から封印されていた歌が流れる。
らーらー 潜った夢の途中……
深くても 浅くても みんな潜って
ゆくものです 人生とはー
「ダイバーいいな♪」
「はぁ…………」
「なんて楽しい歌なのかしら」
綺麗なエメラルド色の目を輝かせ、黒い音貝を片手に豪華なベッドへとその細い身でダイブした。
「わぷっ! 私の歌とぜんぜんちがうっ……正反対? なんてことなの」
「この音はなんなのかしらダンダーンって締まって……あ、あ、アガる! ……」
「ヴィーヴィヴィ!! 悪魔? こんな悪魔の音がステキに思えるなんて、なんてことなの! ……ヴィーヴィヴィ!! ふふ……」
「それにふたりで歌っているなんて、ナンテ、なんてうらやましいの」
「すっと入ってくるエンジェリックそよかぜお姉様ボイスに、そしてなによりこの……アオい静かに熱い歌声…………!!!!」
「……才能ってやつ、なのかな……どうすればこんな風に歌えるんだろう! 私のなんて……」
「あーーーーやになっちゃう!! らーらー♪ ……私だって深緑の女王!! ……でも……」
「私以外にも歌をうたっている人たちがいる……」
仰向けになり黒い音貝を両手で掴み天へと伸ばす。
「……あいたいな……」
見つめるエメラルドの瞳のキラキラ、鼓動と期待と欲望で身体がじっとしていられない。
うたう。
おまかせはきっと グレープグレープ♪ ふふ
ヴィーヴィヴィ!! ふふふ
ヴィーヴィヴィ!!




