スーパー店員?信玄くん
武田信玄が、生まれ変わった先は、ただの学生だった・・・
これは、パロディーである。
武田信玄。
それは、戦国時代の武将である。
川中島で、上杉謙信と戦ったり、甲州法度之次第なんて言う分国法を定めたり、超頑張ったけれど、元亀四年四月に持病の悪化で死亡する。
これは、武田信玄が生まれ変わったけど、冴えない若者だったらと言うパロディーである。
二十歳になった誕生日の朝、これが天命かの様に、頭に響く声が聞こえた。
「お前の前世は、武田信玄。武田信玄。信玄。信玄。信....」
「何それ、マジパね~! 俺って武田信玄? 超神ってね~」
彼の名前は、奇しくも有名武将と同じ名前の武田信玄。
噂に聞く厨二病を患ってしまったかは、いざ知らず
信玄くんは、学生であった。
東京で天下取ってやんよ! と、遠く離れた山梨県から出てきたものの、生活に苦労しているただの学生であった。
そして、今日もコンビニのアルバイトに励む信玄くん。
彼には、ある信念があった。
一つ、疾きこと風の如く。
「信玄くん。君、バイトコロコロ変えてるみたいだけど、辞めるの早いのは何で?」
「スピードこそが世界を制するってやつっすよ!」
一つ、静かなること林の如く。
「......」
「おい信玄くん。お客様には、いらっしゃいませだろ!」
「......」
「いらっしゃいませって言えよ!」
一つ、侵掠すること火の如く。
「ついでに、唐揚げ如何すっか?」
「いや、いい」
「じゃあ、おでんとかどうっすか?」
「いらねぇ~って言ってんだろ!」
一つ、動かざること山の如く。
「信玄くん、品出ししてよ」
「......」
「品出し、行けって!」
「......」
「お前、明日から来なくて良いよ!」
今日もバイトを首になる信玄くん。
輝ける明日はやって来るのか?