ミトル
「僕は死ぬのですね」と白衣の男に尋ねた。
「ええあなたは死にます。私のせいで」とベッドに横たわる男に答えた。
八月の窓の外の晴天には入道雲の沸き上がる様が面白いと私は見た。
「あれはいつの事ですか」と私があなたに尋ねた。
「昨日の事でした」とあなたは私に答えた。
最後に見る天気はどしゃ降りかと私は鳴った光の声を聞いた。
「どうしてこんな事に」隣に聞いた。
「手違いです」隣は答えた。
みるみるくらくなる空は泣き出して大声で外を満たしていく。
「もう、ダメですか」口を動かす。
「ええ、失敗は完璧です」口が動いた。
ざあざ 降る音 耳 入って 目に 抜けて。
「 」
「すいません。ごめんなさい。間違えるはずはなかった」
空から降った黒はいろんなものにくっついてキラキ ラキラリ キラキ ラリと光っていた。