op07:暗殺者
「ルノアお姉ちゃん。大変だよ」
地下室から廊下に出てきたところで、5歳くらいの女の子がルノアに飛びついてきた。
「エナ、どうしたの」
ルノアは女の子の前にしゃがんで、目線の高さを合わせる。
「食堂でミシェイルお姉ちゃんが、大変だよ」
「カイン。この子をお願い」
女の子をカインに預けると、食堂に向かい走り出した。
食堂の前に行くと、子供達が廊下に固まっていた。
「みんな、お願いだから部屋に戻っていて。年長の子は小さい子達をお願いね。あとカギは閉めるのよ」
ルノアの言葉を聞いた子供達は、しぶしぶ部屋に戻っていく。
入り口に向かうと、院長とリアが並んで立っていた。部屋の中には顔に布を巻いて隠した女が、ミシェイルの首筋に銀色に光るダガーを当てている。ミシェイルは恐怖の為か身動きひとつしない。
「院長、リア姉さん、どうしたの?」
「ごめん。私がついていながらミシェイルを人質に取られてしまった」
視線は女とミシェイルに向けたまま短く応える。
「そこ、何をこそこそ話している。早く王子を連れて来い」
女がイライラした様子で言う
「院長、行ってきます」
リアと院長が止める間もなく、ルノアは食堂の中に歩を進める。
「きさま、何のつもりだ。こいつがどうなってもいいのか」
「落ち着いて、私はガイア教の神官見習いのルノア。ほら、武器も持っていないわ」
そう言って修道服の上着を脱ぎ、両腕を開いて武器を隠し持っていないことをアピールする。
「ル、ルノア姉さん」
ミシェイルは、今にも泣きそうな声でルノアを呼ぶ。
「ミシェイル。大丈夫だから、助けてあげるからね」
ルノアはミシェイルに向かい、いつもの微笑を向ける。
「ねえ、その娘を放してもらえないかしら。代わりに私が人質になるわ」
そして、1歩踏み出す。
「よ、よるな。本当に刺すぞ!」
女は後ずさりながらミシェイルの細い首に、ますますダガーを食い込ませる。
「何を怖がっているの? ミシェイルも私も武器ひとつ持っていないわ」
「それ以上近づくな。王子を出せ」
ルノアが立ち止まる。
「ルノア。どいて!」
突然、食堂にカインが入ってきた。リアと院長の脇をすり抜けたらしい。
「カイン。何を」
「僕は強くなりたい。もう誰かに守られてばっかりなのは嫌だ。おい! 僕が、王位継承権第1位、カーライン=リュティアだ。その娘を放せ!」
女が戸惑っているのが分かる。まさか本当に本人が出てくると思わなかったのだろう。
「どうした? もしかしてターゲットの顔も知らずに来たのか? それでも特徴ぐらいは知っているのだろう?」
大人びた口調で挑発する。その隙にリアと院長が部屋の左右からゆっくりと回りこむ。
「この二人動くな!」
女はリアと院長を威嚇し、ゆっくりと窓のほうに移動する。
「王子、1時間後。ターシャスの森の入口まで1人で来い。それまで、この娘は預かる」
そう言うと、床に何かを叩きつける。同時に閃光が視界を塞いだ。
初手からの暗殺失敗(笑
その後もグダグダで、まさに泥縄(笑
どういう状況で暗殺者が発見されたのだか、非常に興味あります。
天井からポテッと落ちてきたのだったりして(笑
でも人質取られてしまいました。無事奪還できますか。
というか、前回のあとがきでバレバレですね。




