op05:お家騒動
「王族だろうと、いたずらしたのは事実」
と、言うリアの一声で、カインは地下の食料貯蔵庫に閉じ込められた。
「側室のレティア様が、私の教え子なのは知っているわね?」
院長がルノアとリアに聞く。
「確か従軍神官で、カーライル王に見初められて側室に入った方ですね?」
ルノアが聞き返す。
「そうよ。王妃ナルディア様に子供が居なかったから、レティア様の子カインが王位継承権第1位。しかし3年前にナルディア様に男児が生まれたからさー大変。庶民出のレティア様と隣国リリシアの姫君のナルディア様。どちらのお子を王位につけたいか、と聞かれたこの国の貴族達はナルディア様に転んだ」
「でも、王位継承権は一度定まったら、決めた王様でも変更できないはずじゃ」
「良く勉強しているわね、ルノア。その通りよ。けど順位を繰り上げる方法があるの」
今まで黙って聞いていたリアが声をあげる
「暗殺!」
「それだけじゃないけど、正解。事故、病死、なんでもいいわ。とにかく自分より継承権が上位の者が死ねばいいの」
「それじゃ、黒幕はナルディア様?」
「多分違うわよ。リア姉さん。ナルディアさまは、とてもお優しい人だという評判よ。悪く言う人を聞いたことないわ。良い噂より悪い噂のほうが広がるのが速いから、多分うわさ通りの人よ」
実際にリューム国から帰ってきた従軍神官達も、ナルディア様とレティア様のことを悪く言う人はいなかった。カーライル王の酒好きと女好きは有名で、気をつけろ! 孕まされるぞ。などと言う者はいたが……
「じゃあ、誰よ」
「多分、バルディア公爵よ。彼は、以前からナルディア様の子を王位につけたがっていたから。ガチガチの選民思想の持ち主よ。カイルは今まで4回アッサシンに襲われているわ。レティア様が守ったけど、この間とうとう重傷を負ったの。一応、特殊部隊、王室の盾が動いているけどじきに圧力がかかるでしょうね。それで、レティア様が私に預けた訳だけど…… 私も歳だしあなた達が居るときで助かったわ」
院長先生が両手を合わせてうれしそうに言う。
「やっぱり、そうなりますか?」
「それじゃ、見捨てるつもり?」
そう切り替えされては、リアも何もいえない。
「院長先生にはかなわないわよ、リア姉さん。全力を尽くしますが、城からの護衛は居ないのですか?」
院長がため息をつきながら言う。
「貴女たちがいたらすぐに治療できたのでしょうけど、あの子がみんな病院に送ったわ。あんな風でも王族ね、人心掌握に長けているわ。孤児院の子達をつかって落とし穴を作ったの。しかも毒蛇入りのね。あの子も自分が狙われている自覚あるでしょうに……」
はぁ。と、今度は三人でため息をついた。
読んでいただいていただける方に感謝。
ま、お家騒動の形式としてはよくある形です。黒幕が正室ではなくて門閥貴族というところだけ違いますけど。




