op10:カインとミシェイル
ミシェイルを抱えるようにして、ルノアに指定された岩陰に走りこむ。
「ミシェイル。怪我はないか?」
息を切らせながらカインが訊ねる.
「……うん」
「そうか。よかった」
カインの顔に笑みが浮かぶ。それに対してミシェイルが困惑した表情を浮かべた。
「何故? 何故、助けに来たの?」
「何故って、助けにこないか、こんな場合」
「私はただの孤児で、貴方は一国の王子なのよ。普通なら助けになんてこないわ」
「ルノアやフェンリアが、君を見捨てるわけがないじゃないか。それに僕は君に謝らなければならないこともある。理由なんてそれだけで十分だ」
カインは剣を握りなおすと立ち上がる。
「降りかかる火の粉ぐらいは、自分で何とかしないと」
「だめ!」
ルノア達の所へ戻ろうとしたカインの腰にミシェイルが抱きついて止める。
「だめ! 狙われているのはあなたよ。姉さん達は強いから信じてあげてお願い」
ミシェイルはじっとカインの瞳を見つめる。
「………わかった。2人を信じることにしよう」
ため息をついてその場に目を瞑り座る。沈黙が降りる。ミシェイルがカインの顔を見つめる。
「あ、あのな。そう見つめられると、落ち着かないのだが……」
「ごめんなさい。昼間と感じが違ったから」
「いつもはこんなだよ。周りは大人だけだし。昼間は少しやりすぎた。ごめん」
カインが頭を下げる。
「え、え、なんのこと?」
「昼間、スカートめくった事…… 殴られるぐらいはあると思っていたけど泣かれるとは思ってもいなかった。ごめん」
額を地面にこすりつけるような勢いで頭を下げる。それを見てミシェイルの口元に笑みが浮かぶ。
「駄目じゃない。王子様がこんな孤児の娘に頭をさげちゃ…… 顔をあげてもう気にしていないから」
顔を上げニッと笑みを浮かべるカイン。
「本当か? よかった。あとは4人で帰ることができるといいな」
「うん……」
ミシェイルは笑って頷いた。
2人とも初々しいたら(笑
どんどんいきましょう。