op01:出会い
実は、本編はまだ3部までしか更新していなかったりして(笑
「お前、魔族だろ」
「黒い髪と目をしているヤツなんて、見た事ない」
「出ていけよ。お前みたいのが居ていいところじゃないぞ」
まだ10歳に満たないであろう少年達が、さらに幼い少女を取り囲んでいる。
少年達の言葉は容赦なく少女の心をえぐる。しかし、少女は下を向き。ただ服の裾を握りしめている。
「だからお前の父ちゃんと母ちゃん、殺されたんだろう」
その言葉を聞いた少女の動きは速かった。大声を上げながらその言葉を放った少年にタックルし足をかけて地面に倒す。そして少年の上に馬乗りになって顔面にパンチを叩き込む。1発、2発、3発、4発目で、我に返った残り2人の少年が少女を羽交い絞めにして引き離す。
「父さまと母さまの悪口を言うな! 父さまと母さまは命がけで私を守ったんだ!」
「うるさい。しっかり捕まえていろ!」
顔面をしたたか殴られた少年が身動きできなくなった少女の腹を殴る。更に床の上に崩れ落ちた少女に3人がかりで暴行を加える。少女は言葉すら発さず丸くなって耐えている。
「何をやっているの!」
3人の少年が振り返ると、その視線の先にはダークブラウンの髪と瞳をした少女が右手に木刀を持って立っていた。
「リア…… まずい、逃げるぞ!」
「逃がすか!」
逃げようとした少年達を、リアと呼ばれた少女が追いかけ後ろから木刀でぶん殴る。
「後ろからなんて卑怯だぞ」
「女の子相手に、3人がかりでひどい事するやつが言うな!」
更に殴った。結局、少年3人はさんざん木刀で殴られたあげく、リアによって縛り上げられた。
その後ろで少年たちに暴行を受けていた黒髪の少女が、よろよろと壁にもたれるようにして立ち上がる。
「大丈夫?」
リアが少女に尋ねる。しかし、少女はリアをにらみつけ。
「別に…… 助けて…… なんて、言ってない」
よろよろと2、3歩、歩き倒れる。
「ちょっ、ちょっといきなり倒れないでよ」
倒れた黒髪の少女を抱え、リアは途方にくれた。
実はこの作品、3話ぐらいまで以前UPしていました。諸事情により一度削除しましたが。
たぶん、本日中に全てUPするかもです。
あくまで予定ということで。